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生活習慣病

家族性高コレステロール血症に見られる角膜輪と黄色腫

 

遺伝子性疾患の家族性高コレステロール血症

家族性高コレステロール血症(familial hypercholersterolemia:FH)は、高コレステロール血症、皮膚および腱黄色腫、若年性動脈硬化症による冠動脈疾患(CAD)などを主な症状とする遺伝子性疾患で、常染色体優性遺伝形式をとることが知られています。

 

比較的早期に冠動脈疾患や動脈硬化性疾患を発症する方が多いため、家族性高コレステロール血症は早期発見、早期治療による動脈硬化の発症と進展の予防が大切だと言われています。

 

本来、通常の脂質異常症の方は、検査データ上のLDLコレステロール値の上昇や、トリグリセライドの高値、HDLコレステロール値の低下は認めますが、自覚症状はありません。

 

しかし、家族性高コレステロール血症の場合は身体的にある独特の症状を示すために、診断の際に役立ちます。

 

角膜輪と黄色腫

家族性高コレステロール血症ヘテロ結合体の角膜輪や腱黄色腫は10歳台後半から現れ、30歳までに半分の症例に現れます。死亡するまでには、80%の症例でこれらの症状が出現します。

 

角膜輪は、眼球の角膜(黒目)の外輪部分に白色の色素沈着を認め、輪のようにみえる症状ですが、初期には半月状に見えることもあり、瞼を挙上して観察する必要があります。

 

腱黄色腫はアキレス腱のものが最も良く知られており、診断に用いられます。時折、手背伸筋腱にも発生することがあります。

 

視診のみでも診断できることもありますが、触診が最も重要であり、正常と比較して硬く、肥厚したアキレス腱が触診されます。X線軟線撮影により、9mm以上を異常とします。

 

眼瞼黄色腫は家族性高コレステロールに特異的なものではなく、正脂血症の方にも認められます。家族性高コレステロールホモ接合体は出生時より著名な高LDLコレステロール血症を示し、皮膚黄色腫が特徴的だと言われています。

 

加速に脂質代謝異常症の方がいらっしゃる場合、もしかしたら家族性高コレステロールかもしれませんので、一度診察をしてみることをお勧めいたします。 

 

 

家族性高コレステロール血症で見られる肥厚、黄色腫

脂質異常症(高脂血症)は、一般的には自覚症状がないと言われています。ですが、家族性の脂質異常症(高脂血症)、家族性高コレステロール血症には自覚症状があります。

 

●肥厚

肥厚とは漢字の通り、肥えて厚くなることです。家族性の脂質異常症(高脂血症)の場合は、肥厚が代表的な自覚症状です。

 

特に多いのがアキレス腱肥厚というもので、アキレス腱が盛り上がってきます。横から見ると、普通は足首からかかとにかけての曲線は滑らかですが、アキレス腱肥厚の方は足首からかかとにかけて段がついたような状態です。

 

●黄色腫

黄色腫は皮膚の盛り上がりで、色はクリーム色、もしくは茶色に近い黄色です。黄色腫は全身のどこにでも現れますが、家族性高コレステロール血症の患者の場合は、ひじやひざなどに黄色腫が出来る場合が多いようです。

 

また、人によっては手のひらや眉間に黄色腫ができたことで、家族性高コレステロール血症に気づいたという場合もあります。

 

●痛みはあるの?

アキレス腱肥厚は多少なりとも痛みがあると言われています。いきなり歩けなくなるほどの痛みが来るわけではなく、足を怪我したかな、と思う程度の痛みと感じる方が多いようです。

黄色腫は痛みをほとんど伴いません。

最近アキレス腱に痛みがあり、盛り上がってきているような気がする、黄色いできものがいつまでも消えないといった自覚症状がある場合は、病院で検査を受けることをお勧めします。

 

家族性高コレステロール血症の可能性だけではなく、ほかの病気の可能性もあるからです。

 

コレステロールってそもそもなに?

■コレステロールは身体に必要なものです

コレステロールは人間の身体を形成している細胞膜の構成成分としての役割があり、とても重要なものです。

 

また、コレステロールは肝臓で作られる胆汁酸や副腎で作られるステロイドホルモンなど、生理的に必要な物質のもととなっています。

 

コレステロールはいわゆる「脂」なので、そのままでは血液の中にうまく混ざり込むことができないため、水に溶ける性質を持っているタンパク質と結合して、「リポたんぱく」と呼ばれる粒子になって血液中に存在しています。

 

コレステロールには、「善玉」と「悪玉」があります

「善玉」、「悪玉」のコレステロールには、それぞれどのような役割があるかご存知ですか?

 

「悪玉」と呼ばれる「LDLコレステロール」には、肝臓で作ったコレステロールには、肝臓で作ったコレステロールを体内の細胞へ運ぶ役割があります。

 

また、「善玉」と呼ばれる「HDLコレステロール」にはいろいろな臓器で使い切れず余ったコレステロールを肝臓へもどす役割があります。

 

ところが、LDL(悪玉)コレステロールが増えすぎると、血管の壁に必要以上にコレステロールがたまってしまい、血管の動脈硬化を進行させてしまうことになります。

 

これがLDLコレステロールが「悪玉」と呼ばれるゆえんです。

 

血管の中では動脈硬化が進行!

LDL(悪玉)コレステロールは、血液中に増えすぎると、血管壁に入り込み、そこで酸化され、「酸化LDL」となります。

 

実はこれが本当の「悪玉」の正体です。

 

この「酸化LDL」はマクロファージという細胞に取り込まれて、血管の壁にプラークと呼ばれるこぶをつくります。

 

こぶがどんどん大きくなると血管壁が厚くなって血管が狭くなり、血液が流れにくくなります。

 

これが動脈硬化です。

 

LDLコレステロール値が高いのに、自覚症状がないからといって放置しておくと、知らぬままに血管では動脈硬化が進行してしまい、とても危険です。

 

隠れ脂質異常症ともいえる「食後高脂血症」、心疾患リスク3倍を改善させる方法とは?

最近、テレビ番組「たけしの家庭の医学」などで特集され、注目を集めている疾患に「食後高脂血症」があります。

 

食後高脂血症とは、食後の中性脂肪(TG)の値が高くなり、また一定期間血液中にTGがとどまることによって、動脈に付着を起こし動脈硬化の原因になるという疾患です。

 

食後高脂血症は「隠れた脂質異常症」とも言われており、健康診断では事前に絶食を行うため、検査値に反映されず気がつかないケースが多いといいます。

 

では、この疾患を予防するためにはどのような対策があるのでしょうか?

 

「食後高脂血症」は、血清TG高値が持続する疾患

食後高脂血症とは、脂質異常症や肥満などがベースとなって、食後に血清中の中性脂肪(TG)が異常に高くなり、またそのピーク時間が遅延する状態のことを言います。

 

通常、食後数時間でTG値は減少していきますが、食後高脂血症の場合、血液中にいつまでも留まり続けるため、血管にプラーク(粥腫)を作るなど悪影響を与えると考えられています。

 

以下の調査では、食後高脂血症になると健康な人に比べ、心疾患リスクが約3倍に増加することが明らかにされています。

 

 

■食後高脂血症レベルが2倍になると、心疾患リスクが3倍になるという調査結果(Iso H,et al: Am J Epidermiol, 2001; 153: 490-499.)

 

【対象】

心臓病や脳卒中にかかっていない40~69歳の日本人男女11,068人

 

【調査内容】

総コレステロール値(男性183mg/dl、女性195mg/dl)を対象に、食後の血液中の悪い脂質の量と心疾患リスクの関係について、15.5年間調査が行われた。

 

【結果】

食後高脂血症レベルⅠ(84mg/dL未満)を心疾患リスク「1.0倍」としたとき、食後高脂血症レベルⅣ(166mg/dL以上)では、心疾患リスク「2.86倍」に増加していた。 

(※レベルⅡでは「1.67倍」、レベルⅢでは「2.0倍」という結果)

 

TGの代謝物「レムナントリポ蛋白」が動脈硬化の原因に

食後高脂血症が動脈硬化の原因となるメカニズムは、主に「レムナントリポ蛋白」という物質が動脈壁に取り込まれることによります。

 

通常、食事由来の中性脂肪(TG)はたんぱく質と一体になり、「リポタンパク質」として血液中を輸送されます。

 

リポタンパク質は、TG・コレステロールなどの含有量や合成場所に応じて、それぞれ「カイロミクロン」「VLDL」「LDL」「HDL」などに分けられます。

 

その中でも、カイロミクロンはリポ蛋白リパーゼ(LPL)という酵素によって分解され、サイズが小さくコレステロールに富んだ「カイロミクロンレムナント(CM-R)」に活性化され、VLDLもまた「IDL」という物質へと活性化されます。

 

これらの物質は「レムナントリポ蛋白」と呼ばれ、LDLのように酸化されなくても、そのままでマクロファージを泡沫化させてしまい動脈硬化を起こす原因になるといわれています(その他、sdLDL(small dense LDL)も高いリスク因子になるといわれています)。

 

「食物繊維」と「食後の運動」が食後高脂血症を改善させる

では、具体的に食後高脂血症を改善するためにはどのような方法があるのでしょうか?

 

テレビ番組「たけしの家庭の医学」では、以下のような方法を1週間実施することで、食後高脂血症の女性(58歳)の中性脂肪が164から68に改善され、さらに内蔵脂肪も10%減量することができたと報告されています。

 

■水溶性食物繊維を「食事の最初に」食べる

水溶性食物繊維は脂肪分の吸収を抑え、中性脂肪を分解するリポ蛋白リパーゼの分泌を活性化します。

 

□水溶性食物繊維を多く含む食品の例

 

・ネバネバ食材(納豆、オクラ、なめこ、なめ茸など)

 

・海藻類(海苔、わかめ、寒天、昆布など)

 

・根菜類(エシャロット、ラッキョウ、大根、ごぼうなど)

 

■食後30分~1時間の間に10分のウォーキングをする

食後30分~1時間に血液中に脂肪分が流れ出してくるので、有酸素運動で中性脂肪を減らすことができます。

 

このように、比較的毎日の生活に取り入れやすい方法で、食後高脂血症が改善される可能性があるようです。

 

またその他にも「動物性脂肪の摂取量を減らす」、補助的に処方薬としても取り入れられている「不飽和脂肪酸を摂取する」という方法もあります。

 

ただ、これらによっても食後TG値が改善されない場合は、一度病院での治療を検討することも推奨されています。 

(Photo by:http://www.ashinari.com/ )

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-03-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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