育児
親が気づきにくい子どもの急性出血性膀胱炎
子どもがかかりやすい膀胱炎に急性出血性膀胱炎があります。
何が原因で起こる?
尿に血液が混じるこの膀胱炎は、抗がん剤の投与や、薬や食品に対するアレルギー、ウイルスや細菌などによって引き起こされますが、健康な子どもが発症する場合は圧倒的にウイルスによるものが多いです。原因となるウイルスはプール熱や流行性結膜炎の原因とされるアデノウイルスによるものと考えられており、こうした原因からも子どもがウイルスに接しやすく発症しやすいのが分かると思います。
どんな症状が見られる?
最も多いアデノウイルスが原因で急性出血性膀胱炎になると、以下のような症状が見られます。
赤や茶色の肉眼的血尿
排尿時の痛み
頻尿
残尿感
まれに発熱することもありますが、高熱になることはなく、微熱程度の場合がほとんどです。排尿時の痛みは排尿の最中から終わりにかけて強く感じる傾向があります。しかし子どもはこうした症状をうまく伝えることができないことが多いです。排尿中にもじもじしていたりしたら何かあるのではないか疑ってみてください。他にも排尿の時間やトイレの回数などに違和感があったら、病気が隠れていないか疑ってみましょう。
どんな処置をする?
実は急性出血性膀胱炎は自然に治ることがほとんどです。というよりもアデノウイルスに効く薬剤はないのです。十分に水分を補給して安静にして過ごすことが大切で、そうしていれば肉眼的血尿は数日で消えますし、排尿痛や頻尿と言った症状も1週間以内になくなり、尿検査でわかる血尿も10日くらいでなくなります。ただし細菌性尿路感染症が疑われる場合は、区別がつくまで抗生剤を服用することがあります。
時に重症化し、尿中の血液が塊になって膀胱が委縮したり尿道が閉鎖されてしまうことがありますので、症状が軽くても小児科で見てもらうのがよいでしょう。
(Photo by: [http://www.ashinari.com/2012/01/10-355826.php?category=51])
著者: カラダノート編集部