育児
思春期に多い、起立性調節障害
起立性障害はOrthostatic Disregulationと言い、略してODと言われることもある病気です。このODは思春期に起こる自律神経失調症の一つと考えられていて、寝ている状態や座っている状態から立ちあがるときやずっと立っている状態のときに血管の調節がうまくいかないことで症状があらわれるもので、いきなりめまいを覚えて倒れてしまったりします。
不登校と思ったらOD?
ODは近年注目度が上がってきている疾患です。というのも、ODの子どもの約3割は不登校をしているというデータがあるからです。ODの子どもは朝起き上がるのに苦労します。するとなかなか起きられない状態からそのまま一日中ごろごろして、夕方ごろに元気になって、昼間活動していないために今度は夜に眠れなくなるという、昼夜逆転の悪循環を引き起こしがちなのです。その上ODの子どもには人とのコミュニケーションにおいて、過度に気を遣う性格が多いとされており、それによって精神的に疲弊してしまったりすることも不登校の原因になります。
精神からくる様々な症状
ODの子どもは小学校高学年から思春期に典型的な症状が良く見られます。典型的な症状は以下のようなものです。
脱力感/肩こり/めまい/腹痛/頭痛
症状を年齢ごとに細かく分けていくと予兆ととれるような症状も見られます。
2~3歳頃
…乗り物酔いしやすい/すぐに「疲れた」と言う/よくおんぶや抱っこを求める
軽い腹痛を繰り返す/寝起きのときの顔色や唇の色が悪い
5~6歳頃
…入浴時に気分の悪さを訴える/少し動いただけで疲れる
動機や息切れを起こしやすい朝起きるのが苦手
朝礼などで長時間立っていると脳貧血を起こして倒れる
急に立ち上がると顔が蒼くなり立ちくらみをする/疲れやすい
10歳頃~
…胸の痛みを訴える/肩こりなど体の不調を訴える
急に激しい運動をすると気分が悪くなり倒れてしまう
これらの症状が比較的女の子の方に多く見られ、特に春から夏の季節の変わり目に多く表れる傾向があります。男子の場合の約75%は高校生くらいで症状が消えますが、女子は高校生になっても約40%ほどしか症状が消失せず、大人になっても続いていくことがあります。
朝起きられないと言う症状だけだと、なまけと思われてしまうかもしれませんが、決して決めつけず、めまいや体の不調などの症状が伴っていないか確認しましょう。
(Photo by: [http://www.ashinari.com/2012/08/18-367251.php?category=51])
著者: カラダノート編集部