アレルギー
かにアレルギーを誘発?!かに風味かまぼこ
特定の食物が食べられない食物アレルギーの食事制限において、禁止された食物に似た代用品を用意することは、かなり重要な要素となります。
かにアレルギーの代用食として真っ先に思い浮かぶのがかに風味かまぼこ、いわゆる「カニカマ」だと思われますが、実はこのカニカマは代用食としては非常に危険なのです。
かにエキスを使ったカニカマ
かに風味かまぼこ
かにの身に見た目と食感、味を似せている加工食品であるが、原材料は白身魚のすり身で、かにの身は使用していない単なるかまぼこです。
しかし、かにの味と風味を出すためにかにから、抽出したかにエキスを使用しています。
かにエキスがかにアレルギーを誘発
本体が白身魚のかまぼことは言え、その風味を出すためのかにエキスだけで十分アレルゲンとしてアレルギーを発症させる要因となります。
本来のかにの身に比べれば微量かもしれませんが、それでもアレルギーを発症するリスクが存在します。
カニカマはかにの代用品とはならない
かにアレルギーでかにを味わうことができないとなると、その代替品がほしいと考えるものです。
その代替品としてカニカマに目を向けるのは自然の流れと思われますが、実際には上記の様にカニカマにはかにエキスが使用されており、かにアレルギーを回避する代替品とはなり得ません。
このカニカマはアレルギー対策にはなりませんが、高価なかにの代替品として一般にも広く普及しており、簡単なサラダから巻き寿司などに広く使われています。ともすると高級品であるかによりも日常の料理に登場するのが、このカニカマなのです。
かにエキスのアレルゲンを回避するために、カニカマはかに以上に注意が必要な食材かもしれません。
かにアレルギーの症状と、その特徴とは?
かにアレルギーは、主にエビやかにといった甲殻類をアレルゲンとし、アレルギー症状を発症させます。
症状としては他の食物アレルギーとほとんど変わることが無く、皮膚粘膜の痒みや蕁麻疹、呼吸器における喘息症状などが現れます。
付け加えると、魚介類の食物アレルギーの特徴として、生命に危険が及ぶアナフィラキシーショックを誘発しやすいリスクを持っています。
かにアレルギー症状
一般的なアレルギー症状
1.皮膚粘膜の痒み
かにやエビに直接触れた箇所の皮膚や、経口摂取によって通過した口内の粘膜に蕁麻疹が発生し、強烈な痒みを発生させます。
2.喘息症状
口内にアレルギー症状が発生し、さらに重度に進行すると呼吸器系に影響を及ぼし、喘息症状を引き起してしまいます。
3.アナフィラキシーショック
アレルゲンに対する拒絶反応が急激に発生することで、ショック症状を引き起し、意識を失い最悪の場合死に至るリスクを発生させます。
アレルギー症状の発生時間
大抵がアレルゲンであるカニやエビを摂取した1時間以内に蕁麻疹などが発生することとなります。
触れるだけで軽度のアレルギー
かにアレルギーの特徴は、かにやエビなど甲殻類の特徴でもある甲殻に直接皮膚を接触させるだけでアレルギー症状を発生させることです。
ただし、それはあくまで接触した皮膚上での発疹などであり、直接アレルゲンを摂取したときの症状と比べれば軽微であり、アナフィラキシーの心配もほとんどありません。
かにアレルギーの症状で特徴的なものと言えば、かにの甲羅に触れるだけで接触箇所にアレルギー反応が現れると言うことでしょう。
そのため、かにアレルギーとなってしまったら生活の場から一切のかにやエビの甲殻類を除去することから始めなくてはいけなくなります。
触れるだけで発症する?!かにアレルギー
かにアレルギーとは、エビも含む甲殻類を食べる事によって発症する食物アレルギーです。しかし、ただ食べるだけで無く、甲殻類特有の甲殻に素手で触れるだけで、接触した皮膚にアレルギー症状が発症します。
そのため非常に発症頻度の高いアレルギーとして知られ、かにの身を食べるだけでなく、触れるだけ、更には甲羅を砕いた粉末を吸い込むだけでアレルギー症状が現れる危険があります。
エビやかになどの甲殻類アレルギー
筋原繊維タンパク質トロポミオシン
エビやかになどの甲殻類に含まれている筋原繊維タンパク質が、甲殻類アレルギーの原因と考えられています。
特に熱処理されていないエビやかにの生の身を食べたり触れたりすると、痒みや蕁麻疹などのアレルギー症状が発生するようになるのです。
触れるだけで蕁麻疹
甲殻類アレルギーの特徴として、前述の生の身だけでなく、甲羅に触れるだけで触れた箇所に蕁麻疹が出るアレルギー症状が発生する危険があります。この接触性のアレルギー発症のリスクのため、甲殻類アレルギーは非常に頻度の高いアレルギーとして知られているのです。
食べるとアナフィラキシーショックのリスク
単に触れるだけならば皮膚の痒みなどで済みますが、これが実際にかになどを食べて体内にアレルゲンを取り込んでしまうとそれだけでは済みません。
経口摂取した口内粘膜に強烈な痒みが起こり、それがさらに身体の内側で広がり、呼吸器症状も引き起し、最後には命を奪うアナフィラキシーショックに至る危険があるのです。
触れるだけで発症すると言っても、それはあくまで軽度のアレルギーであり危険もそれほどありません。
より危険なのがやはり経口摂取によるアレルギー症状であり、アナフィラキシーショックを引き起しやすく、生命の危険にも及びやすい危険がかにアレルギーにはあるのです。
冬に美味しいカニ!でもアレルギーの注意が必要!主な症状を知っておこう
冬のごちそうとして人気の「かに」!しかし、アレルギーを起こしやすい食べ物のひとつでもあります。特に幼児期よりも小学生ぐらいから増えはじめます。かにアレルギーの代表的な症状を知っておきましょう。
じんましんが最も多い
かにアレルギーの症状のうち、約半数がじんましんだといわれます。摂取後15~30分以内、遅くとも2時間以内に症状が出る「即時型」の反応です。
じんましんが出る箇所は、主に唇・のど・目(まぶた)・耳。食後すぐに口の周りが痒くなって赤味を呈するというパターンが多数報告されています。背中や腹部の広範囲にわたって赤くまだらなじんましんが出るという人もいます。
嘔吐・下痢など消化器の症状
嘔吐・腹痛・下痢など消化器症状も出やすいのが、かにアレルギーの特徴です。食後数十分から数時間して、腹部の違和感や痛み、胃のムカつきに始まり、酷い場合には激しい嘔吐や下痢を起こします。
よく「かにを食べると体が冷える」などといいます。しかし、たびたび腹痛に見舞われるようなら、アレルギーを疑った方が良いかもしれません。
かにに触れただけで症状が出る場合も
かにやえびなど甲殻類は、食べずに触れただけでもアレルギー症状が出やすいので、注意が必要です。
アレルギーを持つ人がかにを食べなくても、家族がかにを食べ、かにの汁が付いた手で触れられれば、じんましんが出る可能性があります。かにの身を取り出す時に指先が痒くなるのも、アレルギー反応の一種です。
かにアレルギーが出たら・・・
かゆみなど軽い症状であれば様子を見ても良いですが、症状がひどくなるようであれば病院での診察を行いましょう。特にアナフィラキシーショックを起こした場合は、命の危険もあります。
かにやエビは出汁によく使われる?かに・エビアレルギーの注意点
かにやエビは、そのまま焼いたり茹でたりして食べることが多いと思いますが、むき身を細かくして何かの料理に混ぜたりもしますし、出汁として使われることもよくあります。手を加えるごとに料理にエビやかにが使われていることがわかりにくくなります。かに・エビアレルギーの方は十分に注意しなければなりません。
中華料理はかにやエビを出汁によく使う
豊かな風味を持つかにやエビは、殻の中に詰まった身を味わうだけで無く、殻だけ、もしくは全体を煮出して出汁にすることがあります。
そうすることでかにやエビのうまみが抽出され、最高の出汁となるのです。
しかしそんな最高の出汁も、かに・エビアレルギーにとっては脅威にしかなりません。
豊富な素材に隠れてる?
このように出汁などにかにやエビが活用された場合、それ以外にも海鮮食材などが豊富に使われた料理である場合が多く、かにの存在が多くの種類の素材に隠れてしまっていることが多いでしょう。
かにやエビが使われていることを判別するには、メニューに料理に使用されているアレルギーの危険がある食材を明確に表示してくれている、飲食店を選んで利用することです。
最近ではそうしたアレルギー表示を明確にする動きが広まっており、エビやかにが使われている料理が一目で分るようになっています。
こうした試みは小さな飲食店よりも、大手のチェーン店などの方が積極的に取り組んでいるので、そちらの方を外食先として活用することをお勧めします。
かにアレルギーだけじゃない!発症率の高い他アレルギーに注意!
甲殻類アレルギーの中でも、えびと並んで多いのが、かにです。かにアレルギーの基礎知識を知っておきましょう。
原因はトロポミオシン
かにに含まれるトロポミオシンというタンパク質が主な原因物質です。
トロポミオシンは、人間を含めて筋肉を持つ生物がみな持っている物質ですが、甲殻類のトロポミオシンはアレルギーを起こしやすいといわれます。
そのため、魚を食べても大丈夫なのに、かにだけ食べられないという場合もあります。
大人になってから発症する場合も
子どもの食物アレルギーの大半は、卵がアレルゲン(原因物質)です。
しかし20歳以上では、かにを含む甲殻類がアレルゲンのトップに挙げられます。かにアレルギーは7歳以降から徐々に増え始め、10代後半から20代以降には大きな割合を占めるようになります。
大人になってからアレルギーを発症する場合も多く、今まで問題なくかにを食べていた人も発症する可能性があります。
発症率の男女差はありません。
もちろん、乳幼児期から発症する場合もあるので、注意が必要です。
えびアレルギーの人は要注意
アレルゲンのトロポミオシンは、えびにも共通するタンパク質です。
既にえびアレルギーを発症している人は、かにについても高い確率でアレルギーを起こすといわれます。
えびほどではありませんが、イカ・タコ・サザエなどもアレルギーが起りやすいといわれます。
かにアレルギーは、大人になってから突然始まることもあります。今まで大丈夫だった人も、油断は禁物です。
(Photo by: http://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部