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気になる病気・症状

耳の後ろから後頭部にかけてのピリッと来る痛みの原因は?

後頭神経痛とは?

後頭神経痛という病気をご存知でしょうか?この病気は、首を勢い良く動かしたり、くしゃみや咳を行ったり、その他ストレスなどが誘発因子となって起こると言われる後頭部周辺の神経痛です。後頭部~側頭部~頭頂部にかけて、ピリッとした痛みがあり、数日から数週間持続するのが特徴で、ドクッドクッと偏頭痛のような脈拍と一致しない痛みであれば、この病気を疑うことができます。痛みの原因としては、(後述のように)神経を圧迫、刺激している様々なものが考えられるようですが、中には腫瘍による圧迫が原因となっている場合もあり、検査によって原因を確認することが非常に重要です。

 

後頭神経痛の構造、随伴症状について

<後頭神経痛の原因となっている3本の神経とは?>

頭部(髪の生えている部分)には、次の3本の神経が分布しています。

 

◆大耳介神経…耳の後ろ付近

◆小後頭神経…側頭部

◆大後頭神経…後頭部~頭頂部にかけて

 

これらの大耳介神経、小後頭神経、大後頭神経のいずれかが、その付近の筋肉などによって圧迫されることで痛みが生じていると考えられ、3つの神経痛を合わせて『後頭神経痛』と呼んでいます。

 

<痛み以外の随伴症状とは?>

その他の症状としては、

 

◆目の奥の痛み、まぶしさ、目の疲れ

 

などが挙げられ、これらの症状を『大後頭神経三叉神経症候群』と呼んでいます。三叉神経は、脳幹部~耳の上部~額、頬、顎の3本に枝分かれしている神経ですが、後頭神経に生じた興奮が三叉神経第一枝(額、目)に伝わり、症状を引き起こしているものと考えられます。

 

腫瘍による神経圧迫痛の場合もあり、痛みの原因を確認することが重要

上記でも述べましたが、神経痛の原因が腫瘍によるものである可能性もあり、まずは検査を行うことが重要です。その他の原因として挙げられるものには、

 

◇血管の圧迫、ヘルペス、頚椎異常(変形、靭帯の不安定性、筋肉の異常硬縮等)、緊張型頭痛、外傷、黄砂、肩こり 、高さが合わない枕、歯の病気(肩甲骨内縁から後頚部の痛み)、前かがみの姿勢(パソコン業務など)

 

などがあります。ヘルペス(帯状疱疹)に関しては、稀なケースではありますが、発疹が髪の毛に隠れて気付かれないことがあるので注意が必要とのことです。

 

治療方法とは?

治療方法としては、

 

◆経口薬治療

◆静脈注射

◆神経ブロック

◆漢方薬

 

によるものがあります。

 

◇経口薬治療には、抗てんかん薬として使用される以下の3種があります。

1)カルバマゼピン(テグレトール)⇒少量から開始して、少しずつ増量する(最初から常用量服用すると、副作用にふらつき、眠気が出る)。

2)クロナゼパム(リボトリール)⇒テグレトールより効果は劣るが、副作用は少ない。眠気が出やすい。

3)アレビアチン(フエ二トイン)⇒テグレトールより効果は劣るが、副作用少ない。

 

◇静脈注射では、メチコバール(ビタミンB12)が用いられます。持続時間は1日なので、その後はメチコバールの内服薬に切り替え。

 

◇神経ブロック(リドカイン)では、速効性があり4日間は持続可能です。症状の急性期(1~2ヶ月間)は、週に3~4回行われます。

 

◇漢方薬(葛根湯、葛根加朮附湯、桂枝加朮附湯)など。

 

最後に

後頭神経痛は、神経痛の中でも比較的件数が多いものと言われており、夜間に痛みで眠れないことから堪らず診察に駆け込まれる患者さんが多いとのことです。また痛みが軽度なものであっても、上記のように腫瘍など重大な原因によって起こる場合もありますので、気が付いた際には早期に診療を行うことが必要です。

 

 

顔面片側の麻痺が起こったら…「ベル麻痺」を疑う

ある朝、起きて歯磨きをしていたら、何故か口の片側からポタポタ水が落ちていたので、鏡をふと見てみると、顔の片側だけがダランと垂れて、口や目の筋肉を動かそうとしても動かない…。

 

このような症状になって、顔面の片側だけに麻痺が起こるという状況に、脳卒中の徴候では無いだろうかと病院に駆け込まれる方が多いようです。

 

このような顔面の片側に麻痺が起こる病気を、「ベル麻痺」と言います。この病気は、脳神経系の第7神経である顔面神経が何らかの原因で機能不全に陥ることにより、顔の片側の筋肉に突発的な脱力と麻痺が起こる病気です。脳卒中と間違われる場合が多いですが、

 

◆ベル麻痺の場合は顔片側の全体

◆脳卒中の場合は顔片側の下半分

 

に麻痺症状が出るのが特徴です。

 

このベル麻痺が起こる原因として、ヘルペスウィルスによる感染が指摘されていますが、はっきりとした原因はまだ分かっていません。

 

この病気の発症率は、10万人中約23人と言われ、稀な病気のようですが、末梢性顔面神経麻痺の約60~70%を占めていると言われています。

 

ベル麻痺の初期症状とは?

顔面片側の麻痺が起こったら放置せず、早期に治療を行うことが重要です。最初の症状としては、顔の筋力低下が起こる数時間~1、2日前に耳の後ろの痛みが起こります。脱力の徴候が始まったら、通常は48時間以内にピークになります。

 

検査方法について

ベル麻痺特有の検査方法というのは存在しないようですが、他の病気の候補を除外するために行われます。

 

<顔面麻痺症状を表す他の病気>

1)脳卒中…顔面下側の麻痺なのでベル麻痺と区別可能。

2)脳腫瘍などの腫瘍性疾患、中耳などの感染症、頭蓋底の骨折…X線、CT・MRI検査によって判断する。

3)ライム病・サルコイドーシス…血液検査によって判断する。

 

治療について

基本的な治療方法は、投薬治療で、病気発症後2日以内に開始し1~2週間継続します。

 

◆抗ウイルス薬(アシクロビル)

◆ステロイド薬(プレドニゾロン)

 

また、補助的な治療薬としては、眼が閉じられない場合は失明を防ぐため、点眼薬が用いられます。なお半年~1年程度経過しても麻痺が回復しない場合は、まれに神経吻合術が行われます。

 

◆神経吻合術(顔面神経と、第12脳神経である舌下神経を繋ぐ手術。術後の副作用としては、顎の動きに問題が生じることがある。)

 

入院治療で多くの人は、徐々に麻痺が回復していくようですが、治療の開始時期が遅れたり、治療が不十分であった場合は、麻痺が完治せず「陳旧性顔面神経麻痺」のような後遺症が残る可能性があるようです。

 

鏡を見て顔の神経に違和感を感じた場合は、早期に病院で受診することが重要であると言えます。 

 

 

原因不明の歯痛・顔面痛…もしかして非定型歯痛・非定型顔面痛?~症状と治療法

はっきりした原因が自分でもわからないにも関わらず、歯痛や顔面痛に年単位でお悩みの方はいらっしゃいませんか?

実はその症状、非定型歯痛・非定型顔面痛と呼ばれるものかもしれません。

 

◆非定型歯痛・非定型顔面痛とは

非定型歯痛・非定型顔面痛は女性に多い疾患です。歯科治療や何かしらの凄まじいストレスが蓄積したことをきっかけに、突然歯や顔面に痛みが生じることが知られています。

 

CTやMRIなどの検査を繰り返しても異常が見られないことが多いこの疾患ですが、それだけではなく、痛みをコントロールしようとして様々な歯科治療や手術が行われることも珍しくはありません。

 

痛みが月もしくは年単位で持続するため、患者さんはその間痛みを和らげようと様々な医療機関を転々とします。そして非定型歯痛・非定型顔面痛の専門医に辿り着くわけですが、それまでに要する期間としては平均して5~6年かかっているというデータもあるくらいです。

 

それほど珍しい病気ではないこの非定型歯痛・非定型顔面痛。というのも、各国の口腔顔面痛専門科から「患者の30~40%、この疾患である」という報告がされているからです。

 

これらの疾患は、脳のセロトニン系神経のネットワークの機能が上手く働かなくなり、痛みの感覚が上手く調節できないという状態に陥ることで生じます。ですが、患者さんの大多数が三叉神経痛や骨髄炎、歯髄炎などの診断を受けるため、テグレトールなどの薬物療法や、神経あるいは歯自体を抜くなどといった様々な手術を受けることになるのですが、「体」に対する治療では治らないのが現状です。

 

むしろ外科的な処置を行うほど、痛みが悪化したり、またその症状がみられる部位が拡大したりするので、この疾患では外科処置は避けたほうが良いといえるでしょう。

 

◆治療法

原因はよく分かっていないですが、治療法は分かっています。

 

セロトニン神経を調節する抗うつ薬をある程度の量服用することで、7~9割でほぼ痛みがなくなります。鬱病ではありませんが、抗うつ剤はセロトニン神経を調整する薬ですから、非定型歯痛・非定型顔面痛に転用するとよく効くのです。

 

しかし、他の要因が関わっている場合には、痛みは難治になりますのでお気を付け下さい。

 

 

動脈による神経圧迫が原因で起こる「舌咽神経痛」について

舌咽神経痛という病気をご存知でしょうか?この病気は脳神経である「舌咽神経」が動脈に圧迫されることによって痛みを生じる病気です。この他の原因として1割に脳腫瘍が出来ることで舌咽神経痛が起こることがあるようですが、多くは前者によるものであるようです。この病気の症状としては、ものを飲み込んだり、あくびや発声をした際に、「舌の奥」や「喉の粘膜」や「鼓膜」などに瞬間的な激痛が走り、酷くなると食事や会話さえも痛みで行うことが困難になります。

 

このような状態になる前に、何らかの措置を摂る必要がありますが、最初に行われる治療方法は「テグレトール」という内服薬による痛みの抑制です。しかし痛みの度合いが酷くなると薬が効かなくなり、外科治療である「血管神経減圧術」が適応になります。この手術は開頭手術であり、稀に行われる治療法のため(舌咽神経痛の場合)予後などの情報が不足していると感じました。以下では、この病気と減圧術に関してご説明していきたいと思います。

 

舌咽神経とはどの位置に存在するか?

舌咽神経とは、脳神経系の第9神経にあたるもので、上記でも述べましたが主に喉や舌の後ろ3分の1から耳にかけての感覚を担っています。具体的な神経の経路としては、脳幹という、脳の中心部から周囲の脳槽という部位を通過し、頚静脈孔という頭蓋骨に開いた500円玉大ほどの穴を通り、頭蓋外に出て、「舌枝」と「咽頭枝」という2枝に分かれています。

 

舌枝は舌の後部に分布され、咽頭枝は鼻の奥から食道までのエリアである咽頭壁に分布しています。痛みが起こっているのは、脳槽から出たところにある神経で、この脳幹を出た直後の神経と言うのは、髄鞘という神経のカバーのようなものを纏っておらず丸裸状態であるため、周囲の血管によって圧迫が起こると、歪みが生じて異常興奮を起こしてしまうそうです。

 

舌咽神経の血管減圧手術について

舌咽神経痛の治療には、「微小血管神経減圧術」という手術法を用います。この手術法は、顔面痙攣や三叉神経痛と同じ治療法ですが、神経を圧迫している血管を見つけて神経から剥がし、場所を移動させて圧迫を解除させ、痛みの原因を取ります。 根本的な治療になるので、効果としては非常に有効であるとされています。

 

実際の手術では、 MRI検査で舌咽神経を圧迫している動脈を正確に捉え、その後手術を始めます。この原因動脈の多くは、「後下小脳動脈」という動脈による圧迫が原因であることが多いようです。

 

<手術の順序>

1)まず耳の後方に約6cmの皮膚切開を加え、後頭骨に約3cmの小孔をあけ、後頭蓋窩という小脳があるスペースに入ります。

 

2)小脳を傷つけないように避けながら脳槽に入り、そこを走る脳神経を確認し、周囲の血管と神経の関係を観察した後、舌咽神経を圧迫している血管を周囲組織から丁寧に剥がし血管が神経に当たらないように、場所を移動させます。テフロンという素材を使い細い紐のような物を作り、血管を巻いてテフロンを他の部分に付ける(フィブリンのりという特殊なのりを使ってのり付けしてきます)という方法を行います。

血管の減圧処置が終了したら、皮膚の切開部分を丁寧に縫合し、手術を終了します。

 

最後に

上記でも述べましたが、この手術は開頭手術であるため、手術を受けることをためらわれる方も多いと思います。ある大学病院においては、舌咽神経痛の手術を過去に13例行われた実績があると書かれておられましたが、三叉神経痛と比べると非常に症例が少なく手術を受けると決断するにはあまりに情報が不足していると感じました。飲み込み時毎に痛みが生じるというのは、非常に大きなストレスになり日常生活に支障を来たします。症例数が少ない中でも受けるかどうかはいずれにしても医師とよく話し合いを行うことが重要だと思います。

(photoby:http://www.photo-ac.com/

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-03-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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