妊娠・出産
妊娠初期の下腹部痛の原因~初期の流産と子宮外妊娠の症状は?
妊娠初期に感じる下腹部痛は、子宮が大きくなり筋肉が伸びて痛むものや、それにより子宮を支えている靭帯が引っ張られて痛むものが多く、生理的なものなので心配ないでしょう。
しかし、中には流産や子宮外妊娠の兆候として痛みがでている場合もあります。
流産の兆候としての下腹部痛とは?
妊娠初期の心拍が確認されるまでの間は流産の確率も高く、10人に1人の割合で流産になってしまうというデータがあります。
激しい腹痛があり、出血を伴う場合は流産の兆候である可能性があります。
「まさか自分が」とは思わず、すぐに病院で診察を受けるようにしましょう。
また、胎嚢が確認される前のごく初期のうちにおこる流産を「化学的流産」といいます。
妊娠検査薬では陽性が出ているのに、赤ちゃんの姿が確認されないまま出血がおきます。
妊娠に気づかず、通常通り生理がきたと認識されることも多いです。
通常の生理より量が多かったり下腹部の痛みが強いことがあります。
子宮外妊娠による下腹部痛とは?
受精卵が子宮内膜ではなく、卵巣など他の場所に着床してしまうことを「子宮外妊娠」といいます。
妊娠検査薬では陽性が出ますし、つわりの症状が出ることもあり、初期のうちは気づかないこともあります。
受精卵の成長に卵管などが対応しきれなくなると流産になったり卵管が破裂することがあり、強い下腹部痛や出血を伴うようになります。
違和感のある痛みや出血がみられたら、すぐに病院で診察を受ける必要があります。
正常の範囲内の腹痛なのか心配な腹痛なのか、なかなか見分けがつきにくく、病院へ行くかどうか迷うこともあるでしょう。
早めに対応するためのポイントは、強い下腹部痛や出血があればすぐに医療機関を受診するということでしょう。
子宮外妊娠の場合の出血
妊娠検査薬で陽性が出て、いざ病院へいってみたものの胎嚢が見つからず不安なまま帰ってきた、というのはよくあることです。
生理予定日から計算すると、もう見えてもおかしくない時期であれば、もしかしたら排卵が予測より遅れていたのかもしれません。
そうでなければ子宮外妊娠という可能性もあります。
腹痛の程度や出血の様子などに注意しておきましょう。
性器からの出血
子宮外妊娠の場合、生理予定日頃から少量の出血がみられることが多く、出たり出なかったりと断続的に4~5日以上続く傾向にあります。
腹痛をともなうことがほとんどです。
生理がきたと勘違いすることもありますので、この腹痛の経過に注意することが重要です。
また、多くはありませんが、全く出血がないのに子宮外妊娠だったというケースもあります。
腹腔内の出血
子宮外妊娠では、受精卵が卵管に着床していることがほとんどです。
受精卵が育っていき、大きくなると卵管が破裂してしまいます。
それにより大量の腹腔内出血がおこり、激しい腹痛や重度の貧血がおきます。
重症になるとショック状態になり、命に関わってきます。
一刻も早い手術が必要となります。
子宮外妊娠と流産との区別
出血や腹痛がある場合、ごく初期のうちは流産と症状が似ているので見分けがつきにくいです。
しかし、妊娠してからたくさん分泌される「hCG」というホルモンの値が、順調に上昇し続けているのに胎嚢が見当たらない場合は、子宮外妊娠である可能性が高くなります。
初期のうちは診断が難しい子宮外妊娠ですが、一刻も早い治療が必要です。
診断には、最終月経の出血の様子や日にち、期間なども重要になることがあります。
気になる出血があれば、自分の生理や妊娠に関わるデータはいつでも説明できるよう整理しておくとよいでしょう。
(Photo by: http://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部