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生活習慣病

高血圧の薬物治療~降圧剤使用の変遷

 

高血圧症の研究ととともに、治療に際して使用される薬の使用方法などは変化してきています。

 

 

単剤から多剤へ

元々高血圧の薬の処方の方法は、単剤で降圧薬治療をはじめ、降圧が目標値に達しない場合は、最初の薬を増量、あるいは他の降圧剤との併用をするという流れが勧められていました。しかし、作用の異なる降圧剤の併用は降圧効果が増強するだけでなく降圧剤による副作用の軽減が認められたことによって、初期治療に受け入れられ、1997年のアメリカのガイドラインではいくつかの降圧剤を併用することが初期治療の補助的な選択肢になりました。というのも複数の降圧剤を服用するということは、それぞれの降圧剤が低用量になり、依存性の副作用が低頻度になりながら有効性が増すといった効果が実証されたためです。

 

WHOが出した2003年のガイドラインでは利尿薬を初期治療薬とし、さらに全てのクラスの降圧剤の効果を増強する作用を持つことから、利尿薬を多剤併用の構成薬剤として多用することが望ましいとしていました。しかしその後、2007年のガイドラインでは初期治療薬をACE阻害薬、Ca拮抗薬、少量の利尿薬と拡大し、必要に応じて増量をし、二次的に薬を追加する場合は異なる種類の降圧薬を用いると変更されています。

 

また、欧州で2003年に発表されたガイドラインでは、降圧薬は利尿薬に限らず単剤での低用量、あるいは低用量での2種類の降圧剤の併用で開始し、2007年でもこの考えが引き継がれています。ただし、β遮断薬と、サイアザイド系利尿薬の組み合わせ、β遮断薬とα遮断薬の組み合わせが推奨から外されました。特にβ遮断薬とアサイアザイド系利尿薬の併用は異常代謝を引き起こす可能性がある為、患者の発症疾患によっては避けることが望ましいとされています。

 

2009年の日本のガイドラインでは、合併症のない高血圧では少量で一種類の降圧剤から、通常量の単剤あるいは少量の併用と段階を決めて初期治療を開始するとしています。また日本における高血圧の合併症では脳卒中が高頻度であり、脳卒中の抑制効果にはCa拮抗薬が従来の降圧薬より効果が大きいとされていますので、Ca拮抗薬とRA系阻害薬との併用は高く評価されています。

 

 

高血圧の薬物治療は日々研究され、変わっていきます。特に日本の治療の流れには注目していたいですね。

 

 

 

 

(Photo by: [//www.ashinari.com/2013/02/28-376734.php])

 

著者: Roddyさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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