関節痛・腰痛
五十肩の代表的な症状~結髪障害と結帯障害~ その原因や日常生活の送り方など
いわゆる五十肩の症状として有名なものとしては結髪障害と結帯障害があります。
両方が出ることもありますが、どちらか片方の症状だけが出る場合もあります。
結髪障害
髪を結ぶ動作、つまり肩を上に挙げて外に広げる(外旋)動作をすると痛みが出ます。
髪を結ぶだけでなく頭を洗ったりドライヤーをかけるのが不便になります。
柄のついたブラシを使うなど身の回りの道具に工夫をするといいでしょう。
結髪障害の出やすいタイプとしては、デスクワークのPC作業などで肩が前に巻き込むような姿勢となって手を下に向けて作業をしている人です。
普段から腕と胸を大きく広げるような体操(ラジオ体操の深呼吸など)を心がけましょう。
結帯動作
帯を結ぶ動作、つまり方を下に下げて内に捻りこむ(内旋)動作をすると痛みが出ます。
女性ですとブラジャーを着ける時や、服の袖に腕を通す時に痛みます。
服を着る時は肩が痛いほうの腕から袖に通して、無理な負担がかからないようにしましょう。
結帯障害の出やすいタイプは、細かい作業で腕をたくさん使う人、野球やテニスで腕をよく使う人です。
使った後はしっかりと手や指のストレッチをして負担はできるだけ抜くようにしましょう。
予後
どちらの障害も時間の経過と共に自然と治ります。
しかし、鍼灸治療や体操を行う事によって治癒するまでの期間が短くなります。少しでも早く痛みがあって不便な生活を終わらせるために頑張りましょう。
まとめ
結帯障害と結髪障害はどちらも出る可能性があります。
どちらも生活には欠かせない動きになるので、日常の動きに工夫をしたり、使う道具に工夫を入れて乗り切りましょう!
肩腱板断裂治療はリハビリが重要
肩腱板断裂を初め、腱板すなわち関節の筋などの損傷を治療するには、治療のための手術も大事ですが、それ以上に手術後のリハビリが重要となります。
損傷が軽度で、手術が必要の無い肩腱板断裂でも、治療のためのリハビリは必須です。その際のリハビリも、肩を痛めない程度に軽く動かしていくというだけのものですが、やるとやらないとでは格段に治癒の速度が異なります。
筋や骨は、動かさなければそれだけ衰えるものです。損傷しているからと全く動かさなければ、それだけ衰え、治癒速度も衰えてしまいます。
■肩腱板断裂の治療とリハビリ
1.治療
●部分断裂
腱板が完全に断裂していない軽度の状態ならば手術の必要も無く、薬物療法と安静にする保存療法、そしてリハビリで治療することができます。
●完全断裂
肩腱板が完全に断裂しているような状態では、自然治癒は難しく、手術による肩腱板断端を上腕骨に縫合する手術が行われ、その後必要なリハビリを行いことになります。
2.リハビリ
●肩外転装具
腱板が断裂した肩の負担を軽減する為に装着する装具で、一定の期間、一日中装着することとなります。
●アイシング
患部の炎症や腫れは、治癒進行を遅らせる要因となるので、リハビリ中は積極的に患部を冷やすアイシングを行うことで、リハビリの効果を高めることに繋がります。
●ポジショニング
肩は、不自然な動作や姿勢によって負担の掛かる関節であり、リハビリ中は肩に余分な負担をかけないため、肩にストレスのかからないポジショニングを常に気をつけなければなりません。
※以上のことを踏まえて、肩を痛みを感じない程度に軽く動かすことがリハビリの主な内容となります。
リハビリで大事なことは、炎症や腫れを抑えるためにアイシングを怠らないこと、リハビリで患部にかかる負担は慎重に調整し、リハビリ以外での負担は極力減らすことが必要で、非常に高度な計画性が求められます。
便利グッズを使って五十肩を乗り切ろう!
五十肩になると肩が上がらないために日常生活の様々な場面で不便を感じることになります。
時間が経てば必ず良くなるとはいえ、その期間は6ヵ月から2年ほどと言われており決して短くはありません。
そんな辛い五十肩の時にはちょっとした工夫がされたグッズを揃えておけば快適に生活することができます。
サポーター
肩関節を安定させて痛みの軽減を図ります。五十肩では関節腔が狭くなるために自由な運動がしにくくなります。サポーターが衰えた筋肉の代わりとなって関節を支えて動かしやすくなります。
保温効果のあるものを選べば冷えから肩を守る事もできます。
チムジルパック
電子レンジで温めて何度も使える温パックです。肩に乗せやすい形状のものが売っています。
温める事によって痛みの緩和と、血行の促進によって回復を早めることができます。
何度も使えるのでカイロよりも経済的です。ただし温め過ぎによる火傷に注意しましょう。
柄付きブラシ
五十肩になると腕が上がらないので頭や背中を洗いにくくなります。
柄付きのブラシがあれば頭や背中も痛みを出さずに洗う事ができます。
抱き枕
腹筋の固くなった人は仰向きに寝ることができません。
すると横向きに寝るしかないのですが、下になる方の肩が体重がかかって痛い、あるいは上になる方の腕の位置によっては肩が痛い、と言う事になります。
抱き枕があれば体重を分散することが出来て楽に寝ることができます。
特に体の固い人にはお勧めです。
まとめ
五十肩は必ず良くなる病気です。
半年~2年もの間苦しんで暮らすのか、少しでも痛みを減らして快適に暮らすのかでは大きな違いがあります。
また痛みが減ればリハビリにも積極的に取り組んで行けるので改善までの期間を短縮することができます。
五十肩なら痛い時は無理をしない!
いわゆる五十肩と言えば、誰しもがなる可能性のあるありふれた疾患です。五十肩は、加齢によって肩周りの組織が衰えて、炎症を起こすことによって発症します。
炎症が酷い時は動かさない
炎症が起きていると言う事は、捻挫や打撲と似たようなものです。
特に急性期といって、五十肩の初期には炎症が強く出るために、動かさなくても痛みが出ます。個人差はありますが、この期間は約2~3カ月だと言われています。
この時に無理に運動や仕事をしてしまうと、炎症が悪化してしまいます。肩周りに負担がかかるような運動やスポーツは控えて、仕事量も調節するといいでしょう。
また、五十肩の人でも身体を洗いやすいように柄が工夫されたブラシや、シャンプーをしやすくするグッズなどが売っています。これらを活用して肩への負担を減らしましょう。
固まった肩を動かす
2~3カ月すると急性期も終わり、慢性期に入ります。炎症の痛みの為に動かせなかった肩周りの筋肉や組織は固まってしまっています。骨折などでもそうですが、ずっとギブスを着けるなどして関節を動かさないでいると、関節は固まってしまいます。
この時期には炎症は治まっていて、炎症の後遺症である“固まった肩関節”が残ります。固まっているので十分に動きませんし、固くなっている範囲以上に動かそうとすると痛みが出ます。
固まった関節を柔らかくするには動かすしかありません。固まった組織が引き延ばされるのは痛みを伴いますが、我慢しましょう。
五十肩は時間が経てば良くなります。その時々の状態に合わせた暮らし方をすることにより、早く改善できるようにしましょう。
五十肩になったら気を付けたい日常生活の送り方
五十肩は誰でもなる可能性のある非常にありふれた疾患です。
急性期に起こる激しい痛みが通り過ぎると、慢性期の方の動かしづらさと運動時痛が残ります。
そんな時には以下のようなことに注意して暮らしましょう。
冷やさない
五十肩は英語ではフローズン・ショルダーといいます。
凍って動かなくなっていると考えるといいでしょう。
凍っているので冷やさないようにしなければいけません。
冬場の冷えだけでなく、夏場のクーラーも直接当たると肩を冷やしてしまうので、何か羽織るものを持ち歩くようにしましょう。
また、下着のシャツを分厚いものにしたり、肩を温めるためのサポーターを使うのもいいでしょう。
負担をかけない
五十肩は肩関節が加齢による変性を起こして発症します。
腕や荷物の負担を減らしてあげることが大切です。
○荷物
鞄や荷物を痛い方の肩にかけないようしましょう。
スーパーでもカートを利用しましょう。
○電車
電車や階段では痛い方の手で手すりを持たないようにしましょう。
バランスを崩して肩に力が入ると激痛が走ります。
○家の中
腕が肩より上に上がらないようにしましょう。
高いところにある物を取る時は台を用意するか、家族に頼みしょう。
就寝時の工夫
寝るときも姿勢によっては肩に負担がかかります。
横向きに寝るときは痛い方の肩を下にしないようにしましょう。
○腕枕を使う
仰向けに寝るときは腕枕を使います。バスタオルや座布団を腕の下に入れることによって、腕の重みが肩にかからないようにします。
まとめ
普段の生活で痛みを出さないようにして暮らすのは、生活の質が向上するだけでなくリハビリへのモチベーションアップにもなります。
五十肩は必ず治るので、ちょっとした工夫をして乗り切りましょう。
五十肩は冷やすよりも温めることから五十肩の初期の症状は痛みが強く、その痛みがけいれんを起こし痛みが増します。進行すると、肩の痛みはなくなりますが、肩関節周辺は硬くなり肩を動かせる範囲が制限されるのです。回復状態となると、硬さは少しずつ摂れますが、肩を冷やしたり無理に動かそうとするとさらに硬くなってしまうので注意が必要です。
【冷やすよりも温めて】
五十肩を起こすと筋肉が硬直しているので血液循環も悪くなります。そのため、もし五十肩になった場合には冷やさずに温めるようにしましょう。自宅でできる方法では、40℃程度のお風呂にゆっくりと10分ほど浸かるのも効果的です。また、簡易カイロなどで肩を温めるのも良いでしょう。日常生活ではあまり肩を上げ下げするようなことはありませんが、棚の上の荷物を取ったり、電車やバスのつり革につかまるなどは、急激に筋肉を酷使してしまうこともあり危険ですので注意が必要です。
【五十肩の痛みはリハビリを中心に行う】
五十肩の治療法として、痛みがこらえきれない時にはヒアルロン酸やステロイド剤の注射を行う治療もあります。また、例えば週2回リハビリを行っても、治癒までに最低でも三ヶ月はかかると考えられています。その際に超音波機器などを使用して肩のこわばりをほぐします。回復状態となってきた時には関節の炎症もとれているので、自宅でのリハビリ方法として、水などの入った1リットルのペットボトルを手に持って腕を伸ばしたまま前後に激しすぎないように振ってみましょう。五十肩は自然に治るともいわれていますが、そのまま放置してしまうと筋肉が硬直したまま動作が制限されてしまうような状態になる可能性があるので、意識的に動かすことも必要です。
【痛みがなくなったからといって勝手に通院を止めないこと】
どうしても若くありたいという思いから五十肩の症状を起こしているにも関わらず、無理をしてしまい症状を余計に悪化させてしまうということもあると思います。しかし、五十肩は誰にでも起こる可能性がありますが、個人差もあります。人によっては早く起こることもあり、遅い人もいるのです。五十肩といわれると何となく年老いたという気分になりますが、気落ちせずに地道にリハビリを行うことが大切です。よく、少し痛みがなくなったからといって医師の許可なくリハビリや通院を止めてしまう人もいますが、痛みが例えなくなってもそれは表面上の解決であって、体の中ではまだ疾患が残っているのです。自分の判断で通院を止めることなく、正しい治療を受けるようにしましょう。
肩関節周囲炎の分類
いわゆる五十肩とは、50代を中心として発症する肩関節の痛みと運動障害を主な症状とする症候群の通俗的な名前です。
医学的な名前は肩関節周囲炎と言い、いわゆる五十肩以外にも様々な疾患があります。
烏口突起炎
肩甲骨の烏口突起に起きる炎症です。
烏口突起には、小胸筋、上腕二頭筋、烏口腕筋がついています。
肩甲骨を前方に固定したり、腕を上に挙げる筋肉です。
長頭腱鞘炎
肩甲骨の下関節突起に付く上腕三頭筋長頭の腱鞘炎です。
腱鞘は腱と他の組織との摩擦を少なくするためにあります。
肩峰下滑液包炎
肩甲骨と上腕骨との間でクッションの役割をしてくれている肩峰下滑液包の炎症です。
腱板炎
上腕骨と肩甲骨を繋ぎとめる役割を持つ腱板の変性性炎症です。
石灰沈着性腱板炎
カルシウムが腱板に沈着して炎症を起こします。炎症部位にはカルシウムが沈着しやすい性質があるからです。
肩結合識炎
肩周りの結合識(筋、筋膜、腱など) に痛みが出ます。
二次性肩関節拘縮
病気や怪我などの原因があって、その結果として肩関節の動きが悪くなります。
いわゆる五十肩
外傷などの明らかな原因が無いにも関わらず、肩周りの痛みと肩関節の運動制限がある場合を五十肩と言います。
まとめ
五十肩といっても広く言えばこれだけの種類がありますし、狭義で言えば最後のいわゆる五十肩になります。
どれも治療の方法などが違いますので、まずは病院での診察を受けてみましょう。
著者: カラダノート編集部