メンタル
乱用した若者が怖がる依存性薬物とは?薬物の種類と依存性のメカニズム
私の身近には海外で大麻やケタミンを経験し、その後、依存薬物乱用がとまらなくなっていった人がいます。またはそういう噂をきき、留学をとりやめさせた母親もいたり…私達には身近ではなくても、海の向こうでは乱用されることのある依存性薬物。
乱用に陥った若者がこわがる薬物とその理由をまとめてみました。
ヘロイン(麻薬)
(合成ヘロインのチャイナホワイト・MPTPも同様症状)
通称:「スマック」
副作用と依存:
食欲減退、嘔吐、便秘。連用にて有効量が激増。禁断症状は風邪の症状に似ており、発熱、悪寒、全身の激痛に苦しむ。一度の使用でも、人間をやめたくなる人続出。
スピードボール・スノーボーリング
副作用と依存:
副作用はコカインやヘロインが混ざったもの。内臓がぼろぼろになる。
モルヒネ
通称:「モルフィン」「モヒ」
副作用と依存:
異常な乾き、吐き気、意識が混濁し、身体の痙攣。禁断症状が強烈。
アヘン
通称:「ジャンク」
副作用と依存:
異常な乾き、吐き気、意識が混濁し、身体の痙攣。禁断症状が強烈。
コカイン(麻薬)
通称:「コーク」「スノウ」「ホワイト」
副作用と依存:
鼻血。効果が消えた後の意気消沈の激しさ。精神分裂のような症状も起こる。効果が短いせいで、何度も反復して使いたくなり、中毒にすぐ陥る。
サルビア(濃度に関係なく)
通称:「猿」「SD」
副作用と依存:
奇妙な幻覚で異常行動を繰り返したあと、気絶したり、思うように体が動かなくなる。異常な頭痛、めまい、全身痛や喉の渇き。
覚せい剤(アンフェタミン・メタンフェタミン)
通称:「エス」「スピード」「シャブ」「アイス」
副作用と依存:
不眠がつづき、効果が切れると脱力感と意気消沈。連用すると猜疑心と攻撃性がまし錯乱する。事件を起こす。
ケタミン
副作用と怖がる理由 悪夢を見たり、あらぬことを口走る。天国を見ることもあるが、ほとんどが地獄を見ることが多い。激しい嘔吐感も多い。
LSD(麻薬)・LSA
通称:「ペーパー」「ドラゴン」「エル」「アシッド」
副作用と依存:
幻覚があったりなかったりするため、ひどい下痢と悪心、嘔吐だけで終わることもある。また幻覚がないと繰り返し使用したくなる。
興味本位でハマりやがて抜けられなくなる
中毒性がないと高をくくることが、次の段階へすすむきっかけになり、逆にひどい中毒へ陥ります。
中毒症状が増してくると、さらに強い作用を欲して、知っていながらも危険薬物にハマっていきます。その他、調子に乗って、ちゃんぽんで使って、突然死や地獄の副作用に悩み続ける・・・いうことも多いそうです。
乱用をやめた人が健康な自分に対し、高揚感を味わえる方法があるということを言っていました。それは『運動』だそうです。
薬物乱用して親を傷つけ、友達もお金も失う前に、運動をぜひしてみて欲しいものです。
コカインやLSD…中枢神経系の働きを抑制する薬物と依存性メカニズムについて
薬物依存症は継続して摂取していた薬をやめることができず、強い渇望感を生じ、精神的・肉体的様々な症状が発生する立派な病気です。依存性薬物がそもそもどのようなメカニズムで、依存を生じさせるのでしょうか。
薬物依存症のメカニズム
一般的な誤解として、薬物依存症は意志が弱いからだと言われることがありますが、それは全くの間違いです。依存性薬物は神経系に作用することでそこで生物学的名メカニズムの変化が起こっていることを理解する必要があるのです。
まず依存性薬物にはどのようなものがあるかを、神経系の作用の仕方で分類してみましょう。中枢神経系の働きを抑制するものと、興奮させるものの両方があります。
中枢神経系の働きを抑制する依存性薬物
アヘン類
アルコール
ベンゾジアゼピン類
大麻
有機溶剤
中枢神経系を興奮させる依存性薬物
コカイン
アンフェタミン類
ニコチン
LSD
これらの薬物は、脳の中では実はそれぞれ異なるところで神経系に作用しているのですが、共通しているところがあり、それがA10神経系と呼ばれる部分です。
A10神経は、腹側被蓋野から側坐核に投射されている部分で1950年代のネズミでの実験において偶然発見されました。
神経伝達物質ドーパミンとの関係
この神経においては様々な情報を伝達するための物質、すなわち神経伝達物質が存在することが明らかになっていますが、このA10神経系で最も主要な役割を果たしている神経伝達物質が、ドーパミンです。
覚せい剤などを摂取してしまうと、このドーパミンが過剰となるため、シナプスと呼ばれるドーパミンを授受する部分の間での信号が増強され、結果として、脳が強制的に興奮する原因となります。
薬物依存症と聞くと、精神的な弱さなどばかりが強調され、止める止めないの議論が精神論に近くなっているケースもありますが、こうした医学的なメカニズムをしっかり理解した上で、対応するのが望ましいといえます。
乱用されている依存性薬物の種類まとめ
近年、有名人や学生による薬物犯罪が目立ってきました。周囲で気軽に依存性薬物を扱っている話をきいたり、お子さんが心配という方もいらっしゃるでしょう。ここでは、依存性薬物の種類と通称、見た目など特徴をまとめました。
依存性薬物と検挙人数
警視庁サイトによると、H24年度の都内の依存性薬物の押収率1位は覚せい剤、2位は大麻、3位は麻薬(コカイン)です。犯罪で検挙された人数は1862人。30代が全体の35%を占め、未成年が27人(1.5%)いたそうです。
最近は通称で呼ばれたりしますので、何か危ない行為をしているらしいが、はっきりなんのことだかわからない、ということもあります。
こんなにある!乱用される依存性薬物
【 覚せい剤(アンフェタミン・メタンフェタミン) 】
通称:「エス」「スピード」「シャブ」「アイス」
見た目:写真上段左端。砕いた氷砂糖様、錠剤
服用法:静脈注射、加熱ガス吸入、ジュースに溶かす
服用後の特徴:幻覚・妄想が起こる。精神依存性が高い。不眠 やめた後もフラッシュバックが起こる。
【 大麻 】
通称:「マリファナ」「ハッパ」「チョコ」「ハッシシ」
見た目:写真上段右端。刻んだものや、樹脂を固めたもの
服用法:燃やして煙を吸う
服用後の特徴:気分が高揚し、暴力的・挑発的になる。妄想。
【 コカイン(麻薬) 】
通称:「コーク」「スノウ」「ホワイト」
見た目:写真二段目左端 無色の結晶または白色の粉末、無臭で苦味がある。
服用法:鼻から吸い込む 静脈注射
服用後の特徴:効果が30分程度 興奮・幻覚 鼻血 数回で精神分裂が起こる
【幻覚性きのこ(麻薬)】
通称:「マジックマッシュルーム」
見た目:写真二段目左から二つ目 きのこ 粉末
服用法:食べる
服用後の特徴:幻覚
【ヘロイン(麻薬)】
通称:「スマック」
見た目:写真二段目左から三つ目 錠剤、結晶
服用法:鼻や口から吸う 静脈注射
服用後の特徴:依存性が最も強い。強烈な多幸感と強烈な禁断症状(全身痛) 突然の心肺停止
【あへん】
通称:「ジャンク」
見た目:写真二段目右端
服用法:吸煙
服用後の特徴:幻覚 精神的・肉体的に依存性が高く、中毒になりやすい
【 LSD(麻薬) または LSA 】
通称:「ペーパー」「ドラゴン」「エル」「アシッド」
見た目:写真三段目左端 錠剤 ゼラチン 染みこませた紙 液状
服用法:経口
服用後の特徴:長い作用 高揚感または地獄のような苦しい幻覚 不眠
【 MDMA および MDA(麻薬)】
通称:「エクスタシー・ラブドラッグ X、E」
見た目:写真三段目左から二つ目 錠剤
服用法:経口摂取
服用後の特徴:多幸感 吐き気 嚥下困難
※ほぼ副作用がないと売られ、安易に乱用されるが、押尾学の事件では死亡者がでている。
【 ケタミン 】
見た目:写真三段目左から三つ目 粉末
服用法:経口・喫煙・煙を吸う
服用後の特徴:幻覚 不整脈 血圧降下 心不全
【 シンナー・トルエン 】
通称:「アンパン」
見た目:写真三段目右端 液体
服用法:吸入
服用後の特徴:多幸感 凶暴化 吐き気 嚥下困難
乱用で問題がある処方箋
【向精神薬】
ペンタジン、ハルシオン、リタリン 元気になった気になり、異常行動がみられる場合も。
【鎮咳去痰剤】
塩酸エフェドリンを含む製品等 通常量以上に使用すると、多幸感。依存性がある。
その他
ブタンガス(ライター、カセットコンロ用ガス)(ガスパン) 吸入で酸素欠乏による酩酊感。
もしも身近な人が、依存性薬物に関わっていたら、(家族ならなおさら)警察へ通報、または病院で相談しましょう。苦しい薬物奴隷から、その人を解放する第一歩は、周囲がその人に関心を向けることにあります。彼らが乱用する理由は「孤独や焦り」にあります。
処方薬を依存性薬物にしてしまう離脱症状問題
うつや不眠などの精神疾患から回復してきた人が次に考えることは、「薬を絶ちたい」「薬に頼らない自分になりたい」という気持ちです。薬を飲んでいる間は楽になりますが、そのあと辛い時期がくることもありますので、自分だけでコントロールできる自分になりたいと思うのです。
しかし、いざやめようとすると、離脱の苦しみに襲われ、病は治ってきたのに、薬とたたかうはめになることが多々見受けられるのです。
▼ 日本の精神科医療の問題点
日本の精神科医の勉強は現在は変わってきていますが、昔は薬による知識で埋め尽くされていました。患者さんの話をきくトレーニングが十分ではなかったのです。
そのため、10年以上前の話になりますが、私が直接知っている話では、うつの患者さんに「あなたが不幸なのもポストが赤いのもあなたのせい」、レイプ被害で精神疾患をきたしている人に「レイプ被害はあなたに隙があったから」など、患者さんの話を聞く姿勢に欠ける精神科医の話を何度か耳にしました。(最近は改善されつつあります)
▼ 薬に頼りすぎる、日本の精神科医療
上記のような背景をもとに、心理カウンセリングでは上向きになったのに、薬の処方が患者に沿ったものでないという事が起こり、本人の意思に反して、薬漬けになってしまう患者がいます。
実際に、国連の国際麻薬統制委員会の2010年の報告では、日本は精神科からの投薬量、特に抗不安薬や睡眠薬の処方が多すぎると指摘されています。
欧米では処方期間を4週間以内にするなど、対策が講じられて、英国ではベンゾ系薬剤をやめるための専門施設がありますが、日本の精神科医療もぜひそこへ追いついて欲しいものです。
▼ 薬による離脱症状とは?
薬を長期間飲んでいると、薬の成分が定期的に入ってくることを前提に体がバランスをとるようになっています。そこで一定以上量を減らすと、バランスが崩れて、もともと持っていた症状が悪化するという事が起こります。
▼ 離脱症状からの脱出マニュアル
離脱症状とうまくつきあいながら、段階的に薬をへらすための手引書がインターネットで公開され、世界で人気を博しています。日本語版も2012年8月に整えられました。
「アシュトンマニュアル」で検索すると、上位に出てきます。これはダウンロードすることができます。
抗不安薬や睡眠薬を減らしたい時に読んで、その上で、医師に相談すると良い方向性が見えることもあるでしょう。また、どんなに相談しても自分も、医者も理解しあえない場合は、違う医師に相談し、意見をきいてみることも大切です。
良い精神科医は短い時間とはいえ、話をちゃんと聞こうとしてくれますが、日ごろの疲れによる等、流れ作業になり気味の精神科医は顔も見なかったり、十分な説明もせず、自分のいう事を聞かないと薬は出せないし、治らないと脅しのような文句を使う方もいます。
患者さんとよりよい協力関係を築き、安心させる薬の説明ができないのなら、いい精神科医であるとは言い難いのです。そういった精神科医とは決別して、新たな病院を探す勇気を持つことも大事です。
麻薬ヘロインにもなる?強い鎮痛作用を持つ「モルヒネ」について
薬物依存症は、摂取した薬物が体からなくなるときに起こる離脱症状と呼ばれる不快感やイライラから、また薬物を必要とする欲求が高まる病気です。これは脳に影響する薬物で多く起こる現象です。強い鎮痛作用を持つモルヒネも、依存性のある薬物として知られています。
芥子からとれるモルヒネ
モルヒネは特殊な芥子の未熟な実から抽出されるアヘンに含まれているアルカロイドです。このモルヒネから、依存性の極めて強い麻薬ヘロインがつくられます。
鎮痛薬として効果の高いモルヒネ
モルヒネは鎮痛剤としての効果が非常に高いもので、最近ではがんの終末期治療における疼痛(とうつう)コントロールに大きな力を発揮しています。とくに錠剤や座薬、注射剤、外用薬(モルヒネゲル)などさまざまな剤形の開発で、痛みの持続や強さに応じて疼痛を抑えることができるようになりました。疼痛コントロールには WHOで決められた基準があり、これを守れば依存性が起こらず安全に使用できます。
モルヒネの作用
モルヒネは、神経に作用して興奮させ、痛みを感じる受容体で発生した興奮の伝達を遮断することで中枢鎮痛作用を起こします。副作用として、悪心嘔吐、血圧低下、便秘、眠気、呼吸抑制があり、悪心嘔吐は約半数に見られます。眠気はモルヒネ使用後1週間程度持続することがあります。小児には毒性が高く、少量で死に至ることがあるため、取り扱いに注意が必要です。
戦争中には、負傷による痛みを抑えるためにモルヒネが用いられました。こうした依存性薬物は、内因性の脳内物質と競合して本来の物質以上に強く長時間作用するため、麻薬として快楽のために用いられます。よい使い方をすれば高い効果を持つモルヒネが、麻薬として使用されるのはとても残念なことです。
(Photo by:http://pixabay.com/)
著者: カラダノート編集部