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妊娠中に強いかゆみを伴う水疱ができたら?掌蹠膿疱症性骨関節炎とは

妊娠中は、胎児の排出する毒素を胎盤を通して母体が受け取り、処理していかなければならないため、妊婦はその体に二人分の負担を強いられます。

 

それまでアレルギーとは無関係だった人が、いきなりアレルギー症状に悩まされたり、妊娠中毒症に陥ったりするのは、こうした様々な負荷が母体に及ぼす影響だと言われていますが、それ以外にも妊娠中の体質の変化に伴い起きる、辛い皮膚症状が報告されています。

 

妊娠性疱疹とは

妊娠中や出産後の産褥期に生じる、とても痒みの強い表皮下水疱症を「妊娠性疱疹」といいます。この疾患は、妊娠終了とともに軽快、寛解しますが、妊娠終了後も継続したり、妊娠のたびに反復し、妊娠を繰り返すことにより重症化することがあります。

 

出生児は低体重が多いと言われます。最近では妊娠と関連して生じる水疱性類天疱瘡の一亜種とする考えが一般的なようです。

 

妊娠性疱疹の症状

妊娠中期から産褥期に、掻痒(痒み)の強い蕁麻疹(じんましん)様の紅斑(紅い湿疹)としてはじまり、小水疱、緊満性水疱、血疱(血性の水疱)を生じ、痛みを伴います。

 

妊娠性疱疹の原因

この病気の原因としては血中自己抗体が表皮規定膜部蛋白の一つであるBP180抗原に反応し、補体の活性化を生じて水疱形成に至ると考えられています。抗原蛋白は水疱性類天疱瘡と同一のものです。

 

妊娠性疱疹の治療

治療としては、軽傷例ではステロイド(副腎皮質ホルモン)薬の外用薬を使用します。重症例では抗ヒスタミン薬の内服、ステロイド薬の内服を行います。

 

妊娠中は安全性の確立されていない薬剤の使用には注意が必要です。またほとんどの例では出産後自然軽快します。出産後の産熟期に症状が継続する方も中にはいますが、ほんのまれです。妊娠中はかなり不快だとは思いますが、我慢が必要になります。

 

掌蹠膿疱症とはどんな病気?

掌蹠膿疱症という病気をご存じでしょうか?

 

掌蹠膿疱症とは手のひらや足の裏に膿のような膿疱ができる慢性の皮膚疾患です。膿疱は無菌性であり、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特長です。

また、中年男性に発症するケースが多い疾患です。

 

難治性の疾患と言われており、女優の奈美悦子さんが掌蹠膿疱症で長年苦しんだのは有名な話です。

 

・掌蹠膿疱症の原因は?

掌蹠膿疱症の原因は喫煙、金属アレルギーや慢性扁桃腺炎、虫歯、歯肉炎などがあります。

また、掌蹠膿疱症患者の8割が喫煙者であるとのデータもあります。

 

・掌蹠膿疱症性骨関節炎を併発する場合も

掌蹠膿疱症患者のうち1割程度が胸肋骨や鎖骨などに炎症を起こす掌蹠膿疱症性骨関節炎を併発すると言われています。

掌蹠膿疱症性骨関節炎は激しい痛みを伴う厄介な病気です。

 

・掌蹠膿疱症の検査方法は?

掌蹠膿疱症が疑われる場合、血液検査により白血球数やCRPの数値を調べます。

扁桃腺炎が原因とみられる場合は扁桃腺を刺激して症状に変化があるか確認します。

一方、金属アレルギーが原因とみられる場合は金属パッチテストを行います。

また、掌蹠膿疱症性骨関節炎の疑いがある場合は胸部のX線による画像診断を行います。

 

掌蹠膿疱症は難治性疾患と言われていますが、原因を特定して根本治療を行えば完治する可能性の高い疾患でもあります。

 

また、原因が不明でも皮膚科的治療により症状を抑えたり、複数の治療法を試みることで改善する余地がある疾患です。

 

掌蹠膿疱症と間違えやすい病気

手のひらや足の裏などに無菌の膿のような膿疱ができる病気です。症状が改善したり悪化したりを繰り返す難治性の疾患と言われています。また、痒みや痛みを伴う場合もあります。

素人判断では分かり難く、他の皮膚病と間違われて悪化させる危険性もあります。

掌蹠膿疱症と間違えやすい病気をあげてみました。

 

・乾癬(尋常性乾癬)

皮膚が赤くなって盛り上がり、銀白色の「かさぶた」が付着して徐々にふけのように剥がれ落ちる病気です。

痒みを伴う場合もあれば伴わない場合もあります。皮膚の症状のみではなく関節の痛みや変形、発熱や倦怠感などの症状が出る場合もあります。

掌蹠膿疱症と同じく症状が改善したり悪化したりを繰り返します。また、乾癬はまれに全身に広がる場合もあります。

 

・接触皮膚炎

いわゆる「かぶれ」です。皮膚に接触した物質の刺激、またはアレルギーによって生じる皮膚炎です。

掌蹠膿疱症は刺激物との接触がなくても発症する点で異なります。

 

・水虫

水虫も掌蹠膿疱症と良く似た症状が現れますが、掌蹠膿疱症の場合に水虫薬を塗布すると悪化しますから注意が必要です。

また、掌蹠膿疱症は他人にうつる事がない点で水虫とは異なります。

掌蹠膿疱症を知らない場合、上記の疾患と勘違いして誤った治療を行ってしまう可能性があります。実際、水虫だと勘違いした人が何年間も市販の水虫治療薬を塗布し続けた挙句に皮膚科を受診したという話もあります。

 

自己判断は危険です。症状が疑われる場合には早めに皮膚科を受診しましょう。

 

掌蹠膿疱症性骨関節炎とは

非常に難しい漢字ですが、手のひらや足裏に無菌性の水ぶくれができる病気、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)。

この合併症として、1割程度の人に、胸骨、肋骨、胸鎖間接などに炎症を起こし、激しい痛みを患うことがあるそうなのです。

 

それが、掌蹠膿疱症性骨関節炎です。

 

○ 掌蹠膿疱症性骨関節炎

・鎖骨や胸骨周辺がひどく痛む

・背中から脇にかけて痛む

・後頭部から首にかけて痛む

 

このような症状が、手足の水ぶくれ(皮疹)と共に出るようであれば、掌蹠膿疱症性骨関節炎の疑いがあります。

 

激しい痛みのあまり、呼吸が苦しくなったり、起き上がれなかったりすることもあるといいます。

痛みの出る場所から、整形外科や脳神経外科などを受診され、原因不明となることも多いそう。

掌蹠膿疱症であれば、皮膚科を受診することになります。

 

○ 皮膚由来の骨

掌蹠膿疱症性骨関節炎が発症しやすいのは、胸骨、肋骨、鎖骨、脊椎、骨盤など。

これらは、皮膚由来の骨、だそうです。

皮膚にできる皮疹の原因となるものが、同様にこれら「皮膚由来の骨」に悪影響を与え、骨が変形したり、ダメージを受けることになります。

 

○ ビオチン治療法

掌蹠膿疱症の人は、ビタミンの一種、ビオチンが不足しています。

そのため、ビオチン値を上げるために、ビオチン剤などを服用する治療法です。

特に関節炎に効果があるとされています。

 

ただし、ビオチンは過剰摂取による障害がおこる可能性、他の薬と競合・阻害しあったりする可能性もあるため、医師の指導のもと、行うことが進められます。

数年、数十年単位の治療となる掌蹠膿疱症。

喫煙者に多いとされていることからも、これを機会に禁煙するのもよいかもしれませんね。

 

ビオチン欠乏から自己免疫疾患が発症?!『ビオチン療法』とは

ビオチンは、近年『掌蹠膿疱症』を治療できる物質として、実際にクリニックで処方薬として出されることが増えてきたと言いますが、掌蹠膿疱症以外のアレルギー疾患・自己免疫疾患の治癒にも適用があるという報告があります。また、ビオチン投与によって症状を改善させる『ビオチン療法』は、ビオチン単剤投与するだけでなく、同時に腸内細菌叢を改善させる薬も併用して治療を行うことが必須とされています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

ビオチンとは?

ビオチンは、『ビタミンH』とも言われることから生体内のエネルギー産生において重要な物質であることが知られていますが、通常腸内細菌によって産生されるため、欠乏症は起こりにくいと考えられています。役割の詳細としては、脂肪酸の合成経路に見られるような、炭酸固定反応を行う酵素・カルボキシラーゼの補酵素に関与する物質として知られています。ビオチンは昔から皮膚炎の治療に重要と言うことは知られていましたが、近年ではさらに『アレルギー疾患・自己免疫疾患・糖尿病』などの様々な疾患の発症にも関連していることが多くの研究により明らかになっています。

 

<なぜビオチンは欠乏する?>

ビオチンは、腸内細菌が合成するため、通常では欠乏しないと言われていますが、以下の場合欠乏する可能性があると言われています。

 

1)卵白の大量摂取:卵白に含まれているアビジンが消化管内でビオチンと特異的に結合し、腸管からのビオチン吸収を阻害する。

2)経口摂取による吸収率の低さ:ビオチンは、食物に含まれているものの、遊離しにくいタンパク質と結合しているため、吸収率が低い。

3)母親由来の腸内細菌叢(悪玉菌優勢)の引継ぎ

4)老化による腸内細菌叢の悪化

5)抗生物質投与による腸内細菌叢の悪化

 

<ビオチン欠乏に関する研究内容とは?>

主にヒトを対象とした試験では、ビオチン欠乏による皮膚炎症状と、充足による症状の改善例が多く報告されています。 

 

◆ビオチン欠乏の原因とその治癒についての実験(Boas:1927年)

【実験内容】多量の生卵白飼料を与えたラット(脱毛を伴った湿疹性の皮膚炎・口周囲に赤色鱗状斑・眼瞼の炎症・けいれんなどの症状)に、ビオチン飼料を添加する。

【結果】ビオチンの飼料への添加・皮下注射により、症状は速やかに消失した。

 

◆ヒトを対象とした、ビオチン欠乏の影響に関する研究

【試験内容】成人・青少年、先天性ビオチン代謝異常の小児を対象に、慢性的に生卵白を摂取してもらう。また、マウスにも同様の試験を行う。

【結果】以下の症状が出現した。

 

◇成人・青少年⇒毛髪の退色を伴う脱毛・落屑性の脂漏性湿疹・紅斑性湿疹・うつ・嗜眠・幻覚・四肢の感覚異常・細胞性と体液性の免疫機能において影響が現れる。

◇先天性ビオチン代謝異常の小児⇒カンジダ皮膚炎が見られた。また皮内テストで反応が遅く、IgA欠乏・T細胞の割合が低かった。

◇ラット⇒抗体産生が低下した。

◇マウス⇒ビオチン依存性カルボキシラーゼ活性の低下・脾臓B細胞数の減少・T細胞の割合の増加が見られた。

 

手のひらにできる水ぶくれ 原因は掌蹠膿疱症?

水泡(水ぶくれ)とは、皮膚表層に血漿やリンパ液などの組織液が貯留し隆起した(盛り上がった)状態です。表皮内に水溶性の内容物ではなく、膿状のものが貯留したものを膿疱といいます。

 

掌(てのひら)や蹠(あしのうら)に水疱・膿疱・紅斑(紅い点状のシミ)・皮膚の落屑を生じる疾患を掌蹠膿疱症といい、白癬(みずむし)や手湿疹と間違えられやすい疾患です。皮膚のみでなく、しばしば爪への病変も認めることがあります。

 

掌蹠に繰り返し出現する米粒大までの小膿疱と乾癬ににた紅斑局面(紅い点状のぽつぽつとした湿疹)を認めます。

 

この疾患は乾癬類似疾患に分類され、中年~高齢者に比較的よく認められます。何らかの好中球遊走活性亢進機序により、掌蹠に無菌性の膿疱を生じるものです。

 

慢性扁桃炎や副鼻腔炎、歯槽膿漏や薬剤、歯科金属アレルギーなどの発症や、その病状悪化の誘因となる場合が多く、それらの病巣感染の存在との関係性も指摘されています。

 

自己判断での治療(ハンドクリームや白癬薬の塗布)は悪化を招くことがありますので注意が必要です。

 

すぐに皮膚科を受診し、KOH真菌検鏡で白癬菌の感染を否定してもらいます。血液検査では、末梢白血球、CRP、ASO値などの炎症所見の上昇が認められ、適応があれば扁桃誘発試験や金属パッチテストなども実施してもらいます。

 

その上で掌蹠膿疱症と判断されれば、乾癬に対する治療(ステロイド薬、活性型ビタミンD3、PUVA療法)を行い、感染病巣の治療とアレルゲン(アレルギーの原因となるもの)の除去を行うことが必要となります。

 

また、この掌蹠膿疱症を発症する方には喫煙者が多いとされていますが、その因果関係はまだはっきりとしていません。

 

靴擦れ、やけど、日焼け…水ぶくれの原因と「中の液体」の正体

水泡(水ぶくれ)とは、皮膚表層に血漿やリンパ液などの組織液が貯留し隆起した(盛り上がった)状態です。被膜を通して内容が透けて見える場合が殆どです。表皮内水疱は被膜が薄く、弛緩性なため、すぐに表皮が破け内容物が外に出てしまうため、びらん(ただれ)になりやすいです。

 

膿疱とは

反面、表皮化水疱は被膜が厚く、大型で緊満性(ぱんぱんに張りつめている)です。また表皮内に水溶性の内容物ではなく、膿状のものが貯留したものを膿疱といいます。

 

水疱や膿疱をきたす疾患には、次のようなものがあります。

1. 物理的皮膚障害

 1) 熱傷(やけど)

 2) 日光皮膚炎

2. 感染症

 1) 細菌感染によるもの

 2) 真菌によるもの

 3) ウイルス感染によるもの

3. 薬疹

 1) 固定薬疹

 2) スティーブンス・ジョンソン症候群

4. 接触性皮膚炎

5. 挫創(にきび)

6. 原因不明の水疱症、または膿疱症

 

自己免疫性水疱症と先天性水疱症

水疱症は後天性の自己免疫性水疱症と遺伝異常に伴う先天性水疱症に大きく分けられ、それぞれまれにしかみられない疾患です。自己免疫性水疱症は皮膚内水疱を来す天疱瘡群と皮膚下水疱を来す類天疱瘡群、後天性表皮水疱症などに分けられます。

 

水疱の表皮の内側に存在している液体の正体は、血漿やリンパ液などの組織液が貯留したものですが、熱傷や日光皮膚炎などの物理的皮膚障害とは別に、感染症による場合は、膵液の中にウイルスや原因菌が介在している可能性が高いので、安易に水疱を破り、液体に触れると、周囲に感染を広げる原因となりますので注意が必要です。

 

また、それ以外の場合でも、無理に水疱を破ることはお勧めしません。水疱ができた原因やその症状に応じた適切な処置を行うことが、皮膚の回復のためにはとても大切です。

 

(Photo by:http://www.ashinari.com/2013/01/25-375606.php)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-18掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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