女性のカラダの悩み
生理前の腹痛と妊娠した場合の腹痛は見分けづらいのが特徴!PMS症状が起こりやすい人とは?
生理前に、下腹部の違和感と同時に鈍い痛みを感じる方がいます。
それは、生理前の黄体期に肥厚した子宮壁が剥がれ落ちる前に、子宮が元の大きさにもどるための準備をはじめるためだと言われています。
要するに、子宮を小さくしようとするためにおこる痛みが殆どです。
しかし、万が一妊娠していた場合は、その逆の働きが子宮内に発生します。子宮壁を厚くし、胎児に十分な栄養を供給できるような丈夫な胎盤を作るため、子宮を大きくしようとします。
生理前の腹痛よりも、妊娠初期の痛みのほうがやや軽いという方もいるようですが、どちらも同じ子宮で発生する痛みであるため、自分でどちらかを判断するのは難しいといえます。
その外に、生理前に腹痛を感じる疾患には、次のような物があります。
1.月経前症候群
2.子宮内膜症
3.子宮筋腫
4.骨盤内感染症
月経前症候群(PMS)は、排卵後から月経までの高温期にあたる黄体期に起こる精神的、身体的、社会的症状のことを言います。黄体期に優位であった黄体ホルモン(プロゲステロン)の値が急激に減少することにより体内のホルモンバランスが崩れるため、頭痛や全身倦怠感、吐き気や眩暈(めまい)、中には風邪の前駆症状のような状態を訴える方もいます。その症状は実に様々です。
月経前症候群を強く訴える方は、生理痛も酷いという報告が多くありますが、下腹部痛に加えて出血が酷い場合は、子宮内膜症や子宮筋腫の場合がありますので、注意が必要です。早めに婦人科を受診して治療を行う必要性があります。
基礎体温を日頃からチェックしている方で、高温期が続いている状況での下腹部痛は、妊娠に伴う腹痛と思っていいようです。ただし、普段感じる鈍痛とは違う激痛だったり、キリキリと一か所を刺激されるような痛みの場合はそれとは別と思ってください。
激痛を伴う場合は子宮外妊娠だったり、急性腹症の可能性もあります。また高温期が1か月以上続いた状況での出血は、早期流産その他の疾患の可能性がありますので、自己判断せずにすぐに婦人科を受診しましょう。
寝汗や動悸、イライラなどのPMS(月経前症候群)症状が起こりやすい人とは?
毎月きまった周期で来る生理。しかし、何らかの原因で女性ホルモンのバランスが乱れると、生理の乱れ、寝汗やホットフラッシュ、生理前の動悸を感じる場合があります。生理前の不調、PMS、更年期の可能性など、ホルモンバランスによる生理前、生理中の不調をまとめました。
◆正常な月経とは
正常な月経とは以下のすべてにあてはまる月経をいいます。
・月経周期が25日~38日
・月経が3~7日続く
・月経量が正常(レバーのような塊が入っている場合は多いと考えられます)
・月経痛などがない(日常生活に支障がない多少の腹痛などは正常範囲です)
女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)は、月経周期の中で量を変化させながら卵巣から分泌されますが、何らかの要因でそのバランスに異常がおこると、生理周期が乱れたり、月経困難症やPMSといった症状が現れると言われています。
◆寝汗やホットフラッシュ~更年期?PMS?
女性が更年期に近づくと、ホルモンの量が減少し、さまざまな心身の不良が現れることが知られています。ホットフラッシュや寝汗、動悸などといった異常も更年期障害の一種だと考えられています。
しかし、生理のある若い女性の間でも、生理前になるとこのような症状がみられることがあり、PMSの症状の一種とされています。
PMSは月経のはじまる3~10日前から現れ、この頃から分泌量が多くなる黄体ホルモンが影響していると考えられています。PMSの症状は月経が始まるとすぐにおさまります。
PMSの原因は多岐にわたり、ホルモンバランスの乱れ、脳内神経伝達物質の乱れ、ストレスによる栄養障害、自律神経の乱れ、副腎疲労などさまざまで、PMSの症状自体も個人差があることから、これらの原因が組み合わさって発生しているのではないかと言われています。
◆PMSになりやすいタイプはどんな人?
PMSや、PMSよりもさらにひどいPMDD(月経前不快気分障害)に悩む人がいる一方で、ほとんどこのような症状がない人がいるのも事実です。PMSになりやすい人は以下のような女性だと考えられています。
・20代後半~40代の人
・母親がPMSの人
・過去や現在、鬱や不安障害があり、産後鬱やアルコール依存症の既往歴がある人
・食生活が乱れている、栄養不足の人
PMSは、時に日常生活に支障がでるほどの症状が現れることもあり、生理がくると、多かれ少なかれ、憂うつな気分になる女性は多いと思います。症状があまりにひどい場合は薬に頼ることも大切ですが、一度自分の生活習慣を見直してみましょう。
精神症状が重いPMDD…あなたは当てはまる?PMDD症状リストでチェック!
月経前になにかの症状が出る女性は多いようです。その割合は約80%と言われていますが、そのうち5%がとても深刻な症状を発症するのだそうです。
症状が重いPMDD
月経前に腹痛やイライラなどの症状が出るのがPMS(月経前症候群)です。これを発症する人の5%が、冒頭の重とくな症状になります。これはPMDD(月経前不機嫌性障害)と言って、基本的にはPMSと同じような症状ですが、特に精神症状が強く出ます。その症状はうつ病などと変わらないくらいの症状で、実際にアメリカの精神医学の分類では、PMDDはうつ病と同じ分類になっています。
PMDDってどんな症状?
強い精神症状と書きましたが、どんな症状が見られるのでしょうか?また、あなたにあらわれている症状はPMDDの症状でしょうか?以下のチェックリストで確認してみましょう。
☐激しいうつ状態になる(自己否定や絶望感)
☐無気力になる
☐激しいイライラ感がある
☐激しく緊張する
☐社会生活が不可能になるほど情緒不安定
☐理由もなく悲しくなり、号泣することがある
☐怒りっぽく攻撃的になる
☐ふだん興味のあることにも興味を持てなくなる
☐引きこもる
☐激しい疲労感がある
☐判断力や集中力が低下する
☐過眠症状、または眠れなくなる
☐食欲が抑えられない、または食欲が減退する
☐性欲を抑制できない、または性欲が減退する
☐人間関係でひどく傷つきやすくなる
☐自殺願望や自殺衝動におそわれる
☐体がふくらんでいるように感じる
こうした症状が月経前の約2週間に見られるようであれば、PMDDの可能性があります。項目にもよりますが、2つでも当てはまれば、PMDDが疑われ、数が多いほど重症と考えてよいでしょう。
早めに医療機関へ
あてはまるものがあれば、一度、医療機関に相談しに行くとよいでしょう。PMDDとなると精神科や心療内科が専門になりますが、行きづらければ、最初は産婦人科に相談してもよいと思います。
いずれにしても早期に専門の病院を受診し、治療を始めることで治療の選択肢も多くなりますし、改善するまでの時間も短くてすみます。自分、あるいは周りの人の症状からPMDDが疑われたら、早めの受診を考えてみて下さい。
(Photo by:http://www.photo-ac.com/ )
著者: カラダノート編集部