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塵肺の一種である珪肺(けいはい)の原因はシリカ粉塵の吸入!?

       

シリカとは二酸化ケイ素によって構成される物質のことを言いますが、ケイ酸、酸化シリコンなどとも呼ばれる物質です。


本来シリカはそのままでは毒物ではなく、結晶性、非結晶性として様々な場所に存在しています。石英だったりガラスの原料となったり、シリカゲルとして乾燥剤として使用されているほか、生物の骨格として存在していたり、人体の中では毛髪や爪、血管や関節・細胞壁にも存在しています。ケイ素を含む食品として人体に摂取され、免疫力を向上させたり、肌の保湿やコラーゲンの再生など、美容食品としても重宝されていたりするものです。


しかし、自然界に鉱物として存在しているシリカは、工事などで粉砕することで粉塵となり、これを吸入し肺に入れることで、一転、人体に悪影響を及ぼし、塵肺の一種である珪肺の原因となります。


珪肺が発生し、多数の死者をだした有名な事故として「ホークス・ネストトンネル事故」があります。これは、1930年代、アメリカ合衆国ウェストバージニア州南部のトンネル工事において約476名の鉱夫が急性珪肺によって死亡した有名な労災事故です。

 

トンネル工事中、不幸にも作業員たちがシリカ鉱石を発見するわけですが、本来粉塵化すれば有害物質だと知られていたシリカに対し、その採掘も命じられました。作業員らは掘削作業時に防塵マスクや呼吸用保護具を一切与えられずにシリカ鉱石の採掘を行い、これが原因で高濃度のシリカ粉塵にさらされたために、多くの坑夫が珪肺症を患い、死亡しました

 

中には1年も経たないうちに亡くなるケースもあり、このケースは急性珪肺症の重症例が多発した事故として大きく取り上げられることになります。


シリカ結晶は、国際がん研究機関によりグループ1の「ヒトに対する発癌性が認められる」物質に指定されており、吸入しなければ問題は認められないにも関わらず、微粉末の吸入が問題とされる物質に認定されています。


現在は防塵マスク酸素補助器具なしに作業を行うことは認められていませんし、工事の際、周辺に粉塵が飛散しないように水をまくなどの対策を講じることが必要だとされています。作業に当たる方には十分な注意が必要な物質です。

 

 

(Photo by://www.ashinari.com/2012/06/11-363191.php )

著者: kyouさん

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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