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状態によっては救急へ!職業性喘息の原因~治療法、職業性肺疾患の良性塵肺症とは

        

職業性喘息とは、職業に関連した粒子や気体などを吸い込んだために、それらが刺激となってアレルギー反応を引き起こしたり、気道が狭くなることを言います。

 

喘息を引き起こす可能性がある物質を扱っている工場もしくは職場では、防塵対策や蒸気抑制措置、換気設備の充実を行う必要があります。

 

しかし、状況によっては粉塵や蒸気の除去が不可能な場合もあり、喘息の症状を自覚し、それが職業性喘息と判明した場合、可能であれば職種を変えるべきでしょう。そのまま原因物質に暴露され続けると、喘息がさらに重症化し持続型喘息になる可能性があります。

 

治療は、通常の喘息治療と同じです。

喘息の治療では気道閉塞と気道炎症の両方を指標として意識して行うことが大切で、適切な長期管理を行うことで急性増悪を減らし、喘息氏の回避を図ることが可能となります。

 

治療

1. 吸入ステロイド薬(低容量)

2. テオフィリン徐放製剤の使用

3. ロイコトリエン受容拮抗薬の使用

4. DSCG(クロモグリク酸ナトリウム:インタール)の使用

5. 抗アレルギー薬の使用

6. 長時間作用性β2刺激薬(吸入/貼付/経口)の使用

7. Th2サイトカイン阻害薬の併用

8. 経口ステロイド薬の追加

 

上記1~8を喘息の症状や発作の発生頻度に合わせて使用していきます。

現行の治療でコントロールできない場合は、ステップをあげて使用薬を変更または追加などを考慮していきます。

 

喘息の発作とそれに応じた段階的な治療を原則としますが、いずれの場合も患者の状況に応じて手早く問診・診察を行い、症状が出現してからの治療内容を確認しつつ対応を考えていかなければなりません。

 

喘息の発作の強度

1. 軽度:安静時に横になることができる状態

2. 中等度:安静時の呼吸困難で横になれない(座位呼吸)状態

3. 高度:呼吸困難のために動けず、会話も困難な状態

 

中等度以上の場合は早期の治療が必要とされるため、救急の受診をお勧めします。

 

 

仕事が原因で喘息(気管支喘息)に!職業性喘息の原因や症状

職業性喘息とは、職業に関連した粒子や気体などを吸い込んだために、それらが刺激となってアレルギー反応を引き起こしたり、気道が狭くなることを言います。

 

喘息(気管支喘息)は、可逆性の気道閉塞と気道過敏性の亢進に加え、慢性の気道炎症が特徴的な閉塞性呼吸疾患です。

喘息による気道の炎症が続くと、気道の損傷を引き起こし、身体がそれを再構築しようとすることで(リモデリング)、喘息が難治化することも最近の研究で明らかになっています。

 

喘息の患者数は年々増加傾向にあり、成人患者では人口の約4%前後とされ、国内に400万人から500万人はいるとされています。そのうちの何割かは職業性の喘息だと言われていますが、意外にその事実に気付かず、漫然と経過したり、職業性のものと気付かず治療を行っている方も多いようです。

 

喘息の症状

1. 喘鳴

2. 咳嗽

3. 呼吸困難(息切れ)

4. 胸苦しさ

5. 喀痰

6. 努力性呼吸

 

症状が見られない場合も、努力性呼吸時に背部で高音の持続性ラ音である喘鳴が聴診器で聴取可能なため、単なる風邪が長引いているだけ、もしくは喫煙のせいだと思っていて受診すると、実は喘息だったということもあるようです。

 

職場にある物質の多くが、気道の狭窄を引き起こし、呼吸を困難にさせる可能性がある場合は、問診時にその経緯を話し、アレルゲンと思われる物質のアレルギー検査を行うことで、その方の喘息が職業性喘息かどうかわかります。

 

空気中に浮遊するアレルゲンに感受性が高くて発症する人、アレルギーがなくても空気中に浮遊する刺激物がきわめて多いために発症する人、ビル関連疾患を発症する人が多くいると言われています。

 

時にビル関連疾患は、現代的な密閉されたビル内にある物質に曝されることで、体の他の部分と同様に、肺にも損傷を与えるものです。

 

その他、アレルゲンにさらされているために職業性喘息が起きやすい職業としては、パン職人や動物園での飼育などが挙げられています。

 

本来はアレルゲンに暴露されることを避けるのが一番ですが、職業上どうしてもそうできないという方は、アレルゲンを減らすための対策や、喘息が起きにくくする対策などを専門家に相談することが望まれます。

 

 

抗原抗体価検査など…職業性喘息の診断は喘息の状態をチェック

職業性喘息の診断は公式には確立されていませんが、アレルゲンと思われる物質のパッチテストやアレルゲンに対する抗原抗体価検査などを行うことで診断の目安とします。その他にも、成人喘息の場合は、以下の項目に該当するかどうかで治療の必要性を判断します。

 

診断の目安

1. 発作性の呼吸困難、喘鳴、咳

2. 可逆性気流制限

自然にあるいは治療により寛解する。ピークフロー値の日内変動20%以上、β2刺激薬吸入により1秒量が12%以上増加し、かつ絶対量で200ml以上増加。

3. 気道過敏性の亢進

アセチルコリン、ヒスタミン、メサコリンに対する気道収縮反応の亢進

4. アトピー素因

環境アレルゲンに対するIgE抗体の存在

5. 気道炎症の存在

喀痰・末梢血中の好酸球数の増加、ECP高値、クレオラ体の照明、こ機中NO濃度上昇

6. 鑑別診断疾患の除外

症状が他の心配疾患によるものではない

  

気道過敏性の亢進

気道過敏性の評価には、アセチルコリンやその誘導体のメサコリン、あるいはヒスタミンといった気道収縮薬による気道過敏性試験を行います。方法には気道収縮薬を吸入することによってFEV1(スパイロメトリーによる肺活量と1秒率の検査)の低下を指標にする標準法と、呼吸抵抗の上昇を指標とするアストグラフ法があります。

 

いずれの検査も病診連携による検査体制のできている施設で行うことをお勧めします。特に咳のみを訴える場合の咳喘息の診断には気道過敏性試験が大切となります。

 

気道炎症を起こしている場合は、血液検査による好中球の増多を認めるケースが多く、喀痰は通常漿液性(見た目さらさらのもの)で、好酸球の増多や剥離した気道上皮からなるクレオラ体を認めます。また、呼吸器一酸化炭素(eNO)濃度は上昇します。

 

これらの状況を複合的にみて、喘息の状態と、職業関連性などを診断していきます。

 

 

職業性肺疾患~鉄塵肺症は良性塵肺症のひとつ!どんな病気なの?

特定の物質の粉じんなどを吸入することで、肺のX線画像に異常所見を認める場合があります。しかしこれらの物質の場合、肺の内部で大きな反応を起こすわけではなく、じん肺特有の呼吸器症状や肺機能の低下を起こすことはありません。

 

酸化鉄を吸いこむと鉄塵肺症を、バリウムを吸いこむとバリウム症を、スズの粒子を吸いこむとスズ症を発症します。

 

鉄塵肺症とは

金属鉄・酸化鉄などの微粉粉塵の吸入により肺組織が茶褐色となるもの。鉄工・鍛冶工(かじこう)に多く認められます。

 

最も多く認められるのは、一般的なアーク溶接機を使用する溶接工などで、海外では別名をアーク溶接機病などとも呼ばれています。アーク溶接は鉄粉の微粒子や鉄を含有した煙が多く発生するため、マスクなどを使用していても肺内に吸入してしまう確率が高いと言われています。

 

吸入された鉄粒子は肺に蓄積され、肺に蓄積された粒子の所見が微笑の陰影としてX線写真で認められる場合があります。しかしこれは呼吸困難やその他の症状を引き起こさないため治療を必要としないことがほとんどです。まれに呼吸音に雑音が聴取される程度とされています。

 

検査にて肺容量、ガス拡散、及び分布を評価するために肺機能検査(PFT)を行うことがありますが、通常は正常所見のみで異常は認めません。喀痰検体の分析は、非ヘモグロビン鉄を含む肺胞マクロファージ(免疫細胞の種類)が検出されることがあります。

 

動脈血液ガス(ABG)は、血液中の酸素含有量が十分であることを確認しながら、酸素と肺や血液へのガス吸収効率の二酸化炭素交換(ガス交換)の効率を評価するために行われます。

 

症状はほとんどありませんので、治療の必要性はありませんが、鉄粉塵への曝露を防ぐことで、肺への鉄粒子の蓄積を防ぐことが可能です。合併症は一般的には発生しません。

 

ただし、喫煙者の場合は、喫煙に伴う何らかの呼吸器障害が出現した際、その症状が悪化する速度が通常よりも早いと言われていますので、注意が必要です。

 

 

バリウム症は良性塵肺症のひとつ!長期間暴露されるとどんな影響が起きるの?

特定の物質の粉じんなどを吸入することで、肺のX線画像に異常所見を認める場合があります。しかしこれらの物質の場合、肺の内部で大きな反応を起こすわけではなく、じん肺特有の呼吸器症状や肺機能の低下を起こすことはありません。酸化鉄を吸いこむと鉄塵肺症を、バリウムを吸いこむと、バリウム症を、スズの粒子を吸いこむと、スズ症を発症します。

  

バリウム症

バリウム ( barium) は、アルカリ土類金属のひとつで、単体では銀白色の軟らかい金属です。硫酸バリウム以外の可溶性バリウム塩には毒性があり、多量のバリウムを摂取すると神経系への影響が生じるとされているためバリウムは毒物及び劇物取締法などにおいて規制の対象となっています。

 

バリウムを含む晶石等の粉塵を吸入することにより、バリウムが肺組織に沈着し、異常所見を認めるケースがありますが、多くの場合は特異な呼吸症状を引き起こすことがないため、良性の塵肺症とされています。そのため、治療の必要もないとされています。

 

しかし、バリウム塵肺症を認める方は、長期に渡りバリウムの粉じんに暴露されている状況であると判断され、体内に蓄積されたバリウムが何らかの原因で人体に悪影響を及ぼす可能性があることは指摘されています。

 

例えば、作業者間の高血圧症の発生率が、非暴露作業員よりも暴露者のほうが高いこと、また筋肉骨格症状、胃腸の外科手術、皮膚障害、呼吸器症状の発生率の増加が報告されています。この場合の呼吸器症状とは、喫煙者に関するもので、喫煙に伴う何らかの呼吸器症状が出現した際、その症状が悪化する確率が高いとされています。

 

バリウムが発がん性であるとの証拠は存在していないため、がんとの関連性は否定されています。

 

どちらにしても、バリウムを含む粉塵に長期間暴露されている環境は人体に良くないとされていますので、可能であれば、暴露環境からの回避をお勧めいたします。

   

(Photo by:http://www.ashinari.com/2011/05/14-347559.php)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-03-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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