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健康診断・健康管理

抗癌剤の代替療法『フコイダン』の効果と臨床試験結果について

 

抗癌剤の代替療法として期待された『フコイダン』、しかし臨床試験はあまり行われていない

 

『フコイダン』と言えば、抗癌剤を用いなくても、癌細胞の自滅(アポトーシス)を招き、癌を治療できるとして一時期、書籍やインターネットなどで盛んに取り上げられ、現在でも代替療法として多くの人に認知されている健康食品だと思います。

フコイダンとは、昆布やワカメなどの褐藻類に含まれる『ネバネバの成分』のことを指し、このエキスを抽出した『いわゆる健康食品』に属するサプリメントが様々なメーカーから販売されています。しかし、過去に行われた臨床実験の例を見てみると、人を対称に行われたものは非常に少なく、代替医療として用いるには信憑性にかけるところがあります。以下では、フコイダンについての基本的な知識と、その有効性について考えて行きたいと思います。

 

フコイダンの構造と、その効能とは?

 

フコイダンとは、上記のように昆布、ワカメ、モズクなどの褐藻類の粘質物(ぬめり、ネバネバ成分)に含まれる食物繊維で、L-フコースという多糖類がα-1-2、1-4結合で数十万個繋がった化合物の事を指します。他の多糖類の成分と異なるのは、フコースに硫酸基が付いた『硫酸多糖』であるという点です。フコイダンの本来の役割は、海藻に傷が付いたときに修復する力、もしくは海洋の微生物から身を守るためのガードの役割であると言われています。

 

良く取り上げられる効果としては、

 

『癌のアポトーシス誘導』『血圧上昇抑制』『抗菌・抗ウイルス作用』『アレルギー抑制』『胃潰瘍治癒促進作用』

 

などがありますが、特に抗癌に関する人を対象とした臨床試験が十分に行われていないのが問題のようです

 

臨床試験結果について

 

以下では、フコイダンの効能について報告のあった、『抗癌作用』『抗菌作用』『消化機能改善作用』についてご紹介したいと思います。

 

<抗癌作用について>
1)抗腫瘍作用は不明であるが、免疫賦活作用は確認されている。


2)腫瘍細胞にアポトーシスを誘導するには、フコイダンでなく『フコキサンチン』が有効。
アポトーシスを誘導するには、『カスパーゼ-3』と言う細胞内の他のタンパク質を分解してアポトーシスを起こさせる酵素の活性化が必要不可欠であるが、この活性化作用は、フコイダンではなく低分子成分である『フコキサンチン』に多く見られるという報告がある。


3)腫瘍細胞のアポトーシス誘導が報告されたのは、フコイダンによるものではなく『ヨード』によるものの可能性。
フコイダンと同じく褐藻類から抽出される『ヨード』にも、アポトーシス誘導による抗腫瘍作用が報告されており、これがフコイダン抽出時に混入し、抗腫瘍作用を呈した可能性がある。

 

4)担癌マウスでは、フコイダン投与により生存日数が2倍延長した。
担がんマウスにフコイダンを5%添加した飼料を継続給餌し、生存日数を検討したところ、経口投与群の生存日数は、添加しない通常飼料群よりも約2倍延長した。

 

<胃潰瘍治癒促進作用>
1)胃潰瘍患者6名のうち2名で改善効果が認定。
胃潰瘍の患者6名にフコイダン薬(0.5g/包)1日2回、食間に3ヶ月飲用してもらったところ、2例で潰瘍病変の改善が認められ、4例で症状の改善が認められた。


2)ラットにおいては、潰瘍の縮小効果が見られた。
ラットにフコイダンを10日間飲用させたところ、対照群に比べて、潰瘍の大きさが約半分に縮小することが明らかとなった。

 

<抗菌、抗ウイルス作用>
1)免疫細胞である、『NK細胞』や『T細胞』の活性化に関する報告がある。
マウスに、フコイダンを経口投与したところ、ナチュラルキラー細胞やT細胞の活性化が確認されたという報告がある。

 

2)フコイダン飲料を摂取したところ、ピロリ菌の数が半分まで減少した。
ピロリ菌陽性者11名にフコイダン入りの茶飲料(100mg/日)を10日間飲用してもらったところ、ピロリ菌数が約半分まで減少した。

 

<消化機能改善作用>
1)機能性胃腸障害患者の消化機能改善の報告がある。
上記疾患の患者10名を対象とした試験では、モズク由来のフコイダンを500mg/日、2週間摂取させたところ、摂取後3時間で胃内容物の容量が減少したとの報告がある。 

 

 2)フコイダン飲料を摂取したところ、不定愁訴改善作用があった。
不定愁訴の患者10名にフコイダン入りの茶飲料を14日間飲用してもらったところ、飲用後胃運動機能促進作用により、胃の不定愁訴の症状が改善された。

 

最後に

 

上記の結果のように、最も効果のあると言われていた、『抗癌作用』に関する人への試験が行われていないというのが問題であると思いました。フコイダンを始め、『いわゆる健康食品』の中には一時の爆発的なブームで認知度が広まり、代替医療としての認識と期待を持たれている場合が多いようですが、実際臨床試験の結果などを調べてみると、意外にも根拠となる試験報告がないといった例も数多くあります。

気になっている健康食品があった場合、厚生労働省から出されている信頼できる情報などを元に、購入の前にその有効性について考えてみる必要がありそうです。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E6%B0%B4-%E6%B5%B7%E8%97%BB-%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8F-140966/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-02掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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