美容・ダイエット
ネイルの除光液「アセトン」は人体に有害?知っておきたい健康被害事例と代替品
近年ではジェルネイルが定着し、自宅でも自分で出来るキットが販売されるようになりました。
しかし一方で、オフする際の薬剤に含有されている「アセトン」が人体に有害であるという側面があるのをご存じでしょうか?
以下では、アセトンの有害性についてまとめました。
「アセトン」は工業でよく用いられる有機溶媒
アセトンとは、主に工業で有機溶媒として良く用いられる物質であり、揮発性が高く、常温で気体となります。
さらに加熱されると分解し、有害なガス(一酸化炭素、二酸化炭素)を発生させます。有機溶媒の中では比較的毒性は低いとされていますが、換気不十分などによりいくつかの健康被害が報告されています。
ネイルサロンで、アセトンの有害性が知らされていない場合も
またネイルサロンなどの専門店では、アセトンの有害性についても熟知されているのでは、と思われがちですが、実際に店舗やネイルスクールで指導が行われない場合も多いようです(ネイリストの方やスクール卒業生のブログの情報による)。
ネイルサロンでのアセトン使用の一場面
■アセトンを含ませたコットンを爪に巻き、上からアルミシートを被せる。
15分程度、アセトンが揮発しないようアルミシートを巻いた状態で放置し、爪からジェルを剥離させる。
(※中には、指先を暖めることでアセトンの浸透を早める例もある⇒揮発性が高まる)
■アセトンを注いだボウルに爪(指)を浸す
店内に数箇所設置されたボウルにアセトンを注ぎ、開店時~閉店時までほぼ開かれた状態で置かれている。ジェルを柔らかくするため15分程度直接指を浸した状態で放置する。
(※換気が必要だが、不十分であったり室温の保持のため全く行われていない例もある)
健康被害の例について
健康被害の例(個人の方の経験)
■全身への影響
・換気不十分にて、従業員が倒れたことがある
・従業員の多くが頭痛や喉の痛みを訴えていた
・気管支炎を発症した従業員がいた
・因果関係は不明だが、就業期間中に数名従業員が流産を経験した
■爪への影響
・爪の再生が遅い
・亀裂が入った
・白っぽく劣化した
・二枚爪になった
(※公式に報告されている症例ではありません)
MSDS(化学物質安全性データシート)による健康被害の例
1)気道と呼吸器への有害性
空気中の高濃度アセトン(9200ppm前後)の吸引で、5分以内に喉に刺激が起こった。
2)目に対する重篤な損傷
高濃度アセトン(1000ppm前後)を吸引すると、1時間未満で目と喉に刺激が起こった。また、角膜上皮が破壊される恐れがある(基質までは至らないものの、角膜上皮の破壊は4~6日で回復するとされる)。
3)生殖能又は胎児への悪影響の恐れ
マウスでは、高濃度暴露(6600ppm)で胎児体重減少が報告されている。
4)中枢神経系、肝臓、腎臓、胃への影響の恐れ
「発癌物質や変異原性化学物質とは見なされておらず、慢性神経毒性作用の懸念もない」とされているが取り扱いには注意が必要。
⇒取り扱い方法としては、「素手では使用せず、保護手袋・保護めがね・保護面をする。皮膚に付着した場合は多量の水と石鹸で洗うこと」とされています。
「アセトン不使用のリムーバー」を使うという方法も
現在では、アセトン不使用の代替品として「ノンアセトンリムーバー(酢酸エチル含有)」が販売されていますが、こちらもある程度の有害性があるという見解があります。
そこでさらに代用として注目されているのが、以下のリムーバーです。
■リモネン(オレンジオイルに含まれる成分)
精油は刺激があるので、キャリアオイルで希釈する。
■レントナーリムーバー
成分:炭酸プロピレン、大豆油メチルエステル、酢酸トコフェロールなど
このように、アセトンは使用方法によっては何らかの健康被害が及ぶ可能性があることが分かりました。
ティッシュに軽く含ませ短時間で済ます場合はそれほど問題になることはないと思われますが、蓋を開けたまま換気なしで長時間放置することは避けたほうがよさそうです。
また、シールタイプのネイルを使うという方法もあり、こちらでも手軽に楽しめそうですね。
原因はジェルネイル?!爪に内出血が起こる仕組みと注意点
指先を彩るジェルネイル。オシャレを楽しむ人には欠かせないアイテムですが、ジェルネイルによる爪の内出血トラブルも多いようです。ジェルネイルで爪に内出血が起こる仕組みと注意点について述べます。
問題は「オフ」にある
ジェルネイルを爪から取り除く「オフ」の際に内出血の主な原因が潜んでいます。オフの仕方はジェルネイルのタイプによって異なります。
◆ソークオフジェル
専用のリムーバーを使ってジェルネイルを溶かしてオフします。手軽で人気がありますが、含まれているアセトンで爪が傷むことも。内出血は起こりにくいタイプです。
◆スカルプチュア(ハードジェル)
リムーバーではなく、ファイル(ヘラ)を使って削り落とすのがオフの方法です。削りすぎると自爪が薄くなるので注意が必要です。薄くなった爪がはがれて内出血を起こすケースもあります。爪が薄いと、ささいな衝撃で容易に内出血に至ります。
ジェルを徹底的にオフしようと、削りすぎるのが内出血の大きな原因です。
ジェルネイルが爪にかける負担
オフはもちろん、ジェルネイルには爪を弱くする要因がいくつか含まれています。まず、装着時のUVライトは肌や爪の乾燥を促進します。
常にジェルネイルを装着していると爪が密閉されている状態になり、新陳代謝が不活発になります。ジェルネイルと自爪の間にカビが生えたケースもあります。このような負担が重なって爪が弱くなり、内出血や爪の剥離につながります。
ジェルネイルによる内出血を防ぐ
爪にかかる負担を少しでも軽くして、内出血を防ぎましょう。オフの際に削りすぎない、ジェルネイルを使い続けず、爪を休める期間を設けるだけでも、内出血予防になります。
健康な爪を保ちつつ、ジェルネイルを楽しみましょう。
ネイルを落とすと爪に悪い!爪を時々休ませた方がいい理由って?
ネイルを頻繁にしていると爪を休ませた方がよいと言われた経験を持っている方もいるでしょう。
爪を時々休ませた方がよいというのは本当ですが、なぜ爪を休ませるべきなのかを簡単に解説します。
実は爪は呼吸をしていない
爪を休ませた方がよい理由のうち世間でよく知られているものは『爪の呼吸を妨げてしまうから』というものです。
ですが、実は爪は呼吸していないので、爪の呼吸が妨げられてしまうということもありません。
ネイルなどをしていると爪に圧迫感があるので呼吸できていないと誤解してしまう方もいるようです。
リムーバーが爪を傷つける
爪は呼吸をしていませんが、それでも爪を休ませた方が良いというのはネイルを落とすときに使うリムーバーが爪を傷つけてしまうからです。
リムーバーを使うと爪が元々持っていた水分・油分が失われるため普段以上に爪が薄くなったり乾燥したりします。
この『リムーバーによる爪の損傷』こそが爪を休ませた方がよい理由です。
爪を休ませるときの鉄則
最近何度もリムーバーを使って爪が薄くなってきている、リムーバーを使う時に痛みがあると感じるのなら爪の休ませ時です。
まずはジェルネイルなど爪に対する負荷の高いネイルを避けるようにしてください。
そして爪を放っておくのではなく専用のケアをするのがおすすめの方法です。
爪専用のクリームを塗ったり、オイルなどで爪の油分を底上げしてあげるのも効果的です。
ただ休ませるのではなく爪をしっかり回復させる商品などの使用をおすすめします。
ネイルを落とすときに使うリムーバーは爪の水分と油分を同時に奪って、爪の薄くする・傷つきやすくするというデメリットがあります。
このことから爪は時々休ませた方がよいのですが、休ませるときにはオイル・クリームなどで爪のケアをすることが大切です。
ご用心!よくある!?ジェルネイルのトラブルとは?トラブル4つ
ネイルの持ちが良く、爪の形を問わずネイルアートを楽しめるジェルネイルが人気です。しかし、ジェルネイルによる爪のトラブルも増えています。気を付けたいジェルネイルのトラブルには、次のようなものがあります。
爪が薄くなる
ジェルネイルを装着する際には、しっかり密着するように自分の爪にやすりをかけます。繰り返しやすりをかけると、自分の爪が薄くなってしまいます。
さらにジェルネイルをオフする際、引っ張るように剥がすとジェルネイルと一緒に自分の爪の表面も剥がれてしまいます。
爪が薄くなると、爪がはがれたり、物に触れるだけで指先が痛む場合もあります。
リムーバーによる肌荒れ
ジェルネイルを無理なくオフするため、リムーバー(薬剤)で溶かす方法があります。リムーバーはとても刺激が強いため、爪や周辺の皮膚が荒れてしまうことがあります。
指先をしばらくリムーバーにつけてオフする方法は特に負担が大きいので、避けてください。
緑膿菌
自分の爪とジェルの隙間にたまった水分が原因で、緑膿菌という細菌が繁殖する危険があります。
緑膿菌は感染する恐れがあり、完治には皮膚科で長期間の治療が必要です。爪が緑色に変色するため、「グリーンネイル」とも呼ばれます。
紫外線
ジェルネイルを素早く硬化させるため、ライトを照射します。このライトは紫外線を利用しています。
繰り返しの照射は、爪周辺の皮膚にシミやシワなど紫外線によるダメージをもたらします。
ジェルネイルによるトラブルは、爪を休ませずにジェルネイルを繰り返す、オフの方法が不適切な場合に起こりやすくなります。適切な方法でジェルネイルを楽しみ、異変に気づいたら皮膚科を受診してください。
(photo by:著者)
著者: カラダノート編集部