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生活習慣病

糖尿病の治療~しびれ改善の薬紹介~。新たな糖尿病治療薬『SGLT2阻害薬』、治療薬ジャヌビアに『動脈硬化予防』はある?

 

糖尿病による身体症状のうち、もっとも多いのが手足のしびれです。病院では血糖値を下げるための薬のほか、しびれを改善するための薬も処方されます。処方された薬の効用を知っておきましょう。

 

【しびれの治療】

血糖値を下げるための治療として、糖分を控えた厳しい食事制限が始まります。またインスリンの分泌や、糖分の処理を促す薬が処方されます。糖尿病治療を開始してすぐは、神経の働きが戻ってしびれを強く感じることがありますが、治療の継続によって軽減されることもあります。経過を観察し、必要に応じてしびれの治療薬が処方されます。

 

①キネダック

効用:血液中のブドウ糖がソルビトールに変換する働きを阻止します。ソルビトールは末梢神経障害の元となるので、その量をある程度抑えられます。

備考:日本で使用されている代表的な薬です。副作用のリスクが少なく、糖尿病治療薬として一般的に処方されています。尿の色がオレンジ色に変わりますが、薬の色なので心配いりません。

 

②デュロキセチン(抗うつ薬)

効用:神経伝達物質ノルアドレナリンとセロトニンの濃度が高くなることで、自律神経の伝達を活発にします。

気分が落ち込んだ時、やる気が出ないときに処方されます。緊張や不安をほぐします。

備考:気分を高める作用があるため、気持ちにムラがある・かえって緊張やイライラを感じるなど副作用が出る可能性もあります。服用には抗うつ薬であることの認識が必要です。異常があればすぐ医師へ報告して下さい。

 

※なぜ抗うつ薬なのか

糖尿病性神経障害で自律神経の伝達が遅れることも、しびれや痛みの原因です。そこで神経伝達物質の量を増やすよう脳に働きかけるために、抗うつ薬が有効と言われています。 

 

③メチコバール(神経痛の薬)

効用:ビタミンB12の部類であるメコバラミンが入っています。ビタミンB12は血液を作る作用があり、不足すると末梢神経の働きが悪くなるため、これを増やして神経障害を改善します。糖尿病だけでなく整形外科の治療や神経痛などに広く使われています。

備考:強い薬ではないため、効果が出ないこともあります。またこの薬に限らず、食事からもビタミンB12を摂取するようにしましょう(レバー・魚介類・乳製品・卵など)。

 

 

~糖尿病のしびれは頑固~

糖尿病によるしびれは、薬を飲んでもなかなか症状が改善されない人が多く、特効薬がないのも事実です。血糖値が下がってすぐに楽になる人もいれば、治療を続けても治まらない人もいます。不整脈の薬や神経痛の薬などがしびれにも効く場合があり、個々において効く薬も違うので、医師の判断によって適切な薬を処方してもらいましょう。

 

 

新たな糖尿病治療薬『SGLT2阻害薬』☆処方に適しているケースと副作用について

2014年に新しいコンセプトの2型糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)が発売されました。この薬は、「尿糖を出さないように血糖値を下げる」という従来の糖尿病治療薬と異なり、「尿糖をどんどん出すことで、血糖値を下げる」という逆転の発想による、従来にはなかったタイプの薬です。血糖降下のメカニズムとしては、部分的に糖輸送体・SGLTを阻害し(SGLT1と2のうち、2のみを阻害)、糖の再吸収を5割程度に留める作用を持つという薬で、低血糖のリスクが低いことが利点であり、また体重減少作用もあることから肥満傾向のある糖尿病患者さんの第一選択薬として用いられることが期待されています。しかし、一方で発売後数ヶ月で脱水や脳梗塞を発症した例が増加していることから、より慎重に処方することが必要と言う意見も出されています。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

処方医の4割近くが『SGLT2阻害薬』を第一選択とすることに慎重

医療情報専門サイト(ケアネット)の調査によると、同サイト登録会員でスーグラ処方の経験がある医師458人を対象に「第一選択薬にするか」という質問をしたところ、「現時点では判断できない」が54%、「第一選択薬としては処方しないと思う」が38%という結果になりました。この理由として多かったものが「症例を選ぶため」というもので、前述のようにSGLT2阻害薬は脱水傾向や体重減少効果があることから、「痩せ傾向の患者」「高齢者」には投与すべきでないという見解が広まっています。

 

SGLT2阻害薬の処方に適しているのは『肥満傾向のある壮年期の人』

SGLT2阻害薬を使用することの利点は、ほぼすべての糖尿病治療薬と併用できること、HbA1c低下に加え、内臓脂肪を含めた体重減少効果に高い評価があること、低血糖のリスクが低いことなどです。しかし、前述のようにある条件においては尿糖増加や体重減少がデメリットとなる可能性もあることから、処方の対象は以下が奨められています。

 

<SGLT2阻害薬に適した人とは?>

 

1)肥満傾向の人

尿糖排泄によるエネルギー漏出の代償として内臓脂肪が燃焼されて体重が減少します。それに伴い全般的な健康改善が期待できます(インスリン抵抗性・脂肪肝・血清脂質・血圧・尿酸などの改善)。痩せている患者さんでは低栄養や蛋白の異化亢進による筋肉の減少が生じるため奨められません。

 

2)若い世代の人

尿糖が増加して浸透圧利尿が起こり、脱水傾向を招くことから、血栓が形成されやすくなります。特に高齢者では、喉の渇きを感じにくく脱水になりやすいことから特に注意が必要です。

 

3)既存の経口血糖降下薬で効果不十分である人

既存の経口血糖降下薬とは違う作用機序であることから上乗せ効果を期待できます。

 

4)罹患期間が比較的短い人

糖尿病の罹患期間が長いとインスリン分泌能が低下している可能性が高く、糖代謝できないことから脂肪分解によりケトン体が蓄積し、ケトアシドーシスを発症しやすい場合があります。そのため、インスリン分泌能の保たれている人が適しているといわれています。

 

5)腎機能障害が進行していない人

腎糸球体濾過量(eGFRが45mL/分/1.73m²未満あるいは30mL/分/1.73m²未満)が目安。この基準を超えた場合、尿糖の排出が悪く、薬剤も尿細管まで到達しにくくなり、効果が期待できない。

 

副作用への対策について 

このようにSGLT2阻害薬の副作用は、尿糖排泄による『低栄養』『脱水』『血栓症』や、脂肪燃焼による『ケトアシドーシス』などが挙げらています。では、これらの副作用を予防するための対策とはどのようなものでしょうか?

 

■尿路感染・・・尿糖が増えることで、尿路感染症や性器感染症にかかりやすくなります。

【対策】「尿意をがまんしない」「陰部を清潔に保つ」「排尿痛や尿の濁りなどがあればすぐに受診する」ことが必要です。

 

■脱水や血栓症・・・特に高齢者は体内の水分が少なく、口渇を感じにくくなっていることがあるので脱水には要注意です。

【対策】夏場などは喉が渇く前にこまめに水分をとることが必要です。

 

■ケトーシス・・・糖利用の減少に糖質摂取制限が加わるとケトーシスになりやすくなります。

【対策】個人判断による糖質摂取制限を行わないように注意します。

 

■風邪による脱水・・・風邪を引くと発熱や食欲低下により脱水が助長され、ケトーシスも亢進しやすくなります。

【対策】風邪を引いたら一度休薬し、早めに受診するようにします。

 

 

最後に

SGLT2阻害薬は新薬であるため臨床データが少なく、安全性や使い方のついてまだ模索している状態であることから「DPP-4阻害薬やビグアナイド薬(BG薬)をベースに、第二・第三選択薬としてSGLT2阻害薬を併用する」という使い方が望ましいとされています。

 

 

糖尿病治療薬ジャヌビアに『動脈硬化予防』はある?~DPP-4阻害薬の副次効果

新しいタイプの糖尿病治療薬である「DPP-4阻害薬」は、従来の糖尿病治療薬と比べて様々なメリット(低血糖になりにくい・効果が穏やかなど)があり、中でも心臓病(=虚血性心疾患:動脈硬化から虚血を起こし心筋梗塞となる)や脳卒中を予防する効果には大きな期待があるとされています。

 

日本糖尿病学会によれば、ジャヌビア使用により血管内皮機能が改善された(=動脈硬化予防の可能性がある)という報告がありましたが、さらに英医学誌でも3年間の長期投与でどの程度予防効果があるのか、ということが示されています。

では、その効果とはどれほどのものだったのでしょうか?

 

DPP-4阻害薬発売の先駆け『ジャヌビア』の特徴

DPP-4阻害薬の中でも、使いやすいタイプは「半減期が長い(効果が長時間持続する)」、「結合親和性が高い(効果が強い)」、「副作用が少ない(DPP-8・DPP-9を阻害しない)」というものです。

代表薬には主に5種類があり、効果の比較は以下となります。

 

<単剤における効果の比較>

 

■半減期

トラゼンタ>テネリア>ネシーナ>ジャヌビア>エクア

 

■効果の強さ

エクア>テネリア>ネシーナ・ジャヌビア>トラゼンタ

 

■DPPの選択性(DPP-8やDPP-9を阻害しない:中枢症状・皮膚症状の抑制)

トラゼンタ>ネシーナ>ジャヌビア>テネリア>エクア

 

(※但し、ジャヌビア・ネシーナは腎排出によるため、腎疾患のある場合は禁忌。エクアは肝代謝であるため、肝臓疾患のある場合は禁忌となっています。)

 

ジャヌビアは心血管疾患を、「改善も悪化もさせない」? 

■ジャヌビアの上乗せ治療の効果は、心血管疾患への改善・悪化どちらの影響も見られない(the New England Journal of Medicine誌より)

【対象】50歳以上の心血管疾患を持つ2型糖尿病患者14671名(通常治療によりHbA1c6.5~8.0%)

 

【試験内容】対象者を2群にわけ、一方はジャヌビアを100㎎の上乗せ、もう一方は偽薬を使用し、3年間の経過観察を行った。

 

【結果】心血管疾患リスク(死亡・心筋梗塞・脳卒中)は、ジャヌビア使用群で11.4%、未使用群で11.6%に発症していて、殆ど差はなかった。

⇒偽薬に対して、心血管疾患には何も影響を与えない(非劣性も優越性も認められなかった)。

 

最後に

このように、上記の臨床試験において、DPP-4阻害薬と比べて心血管疾患に関する副作用が無く、安全に使用できるという点は証明されました。

現在は少量のSU薬の補助薬として使用されることが多くなっていますが、一方で反対の意見として「大きな血糖降下作用も無く、特別な動脈硬化予防効果も見られない、また膵がんのリスクも拭えないのであれば使用する理由が見つからない」とする声もあります。

今後さらに安全性の高さが確立されることが期待されています。

 

(引用・参考ウェブサイト:日経メディカル、六号通り診療所所長のブログ、薬剤師の脳みそ)

 

(photo byhttp://www.ashinari.com/2013/02/28-376735.php

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-10掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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