気になる病気・症状
飲みすぎた後腹痛が起こるワケ もしかした胃腸の病気の可能性も!?
アルコールは過剰に摂取すると脳の判断能力が低下してしまい、自分の想定している以上にアルコールを飲んでしまうということがあります。そして過剰にアルコールを摂取した後には様々な体の不調があらわれます。
アルコール摂取後の腹痛
アルコールを摂取した後に腹痛症状があらわれることがあります。この腹痛症状はさまざまな理由で起こることがあるのですが、どのようなものが考えられるのでしょうか。
胃が炎症を起こしている
飲酒はほどほどであれば健康に良いとは言いますが、アルコール自体は刺激物です。
特にアルコールを飲む際に、何も食べずにアルコールだけを飲み続けるということになると、刺激物だけをどんどん胃の中に流し込んでしまっているわけですから、胃にダメージが蓄積します。
それによって腹痛が起こることがあるのです。
脂+アルコールのダブルパンチ
飲酒をする席では、おつまみを食べながらアルコールを飲むという場合が多いと思います。
上記では何も食べずにアルコールだけを飲み続けるのは胃にダメージを与えると書きましたが、一緒に食べるものにも注意を払わなければなりません。
というのは、お酒のおつまみというのは得てして脂っこいものが多いということです。
脂が多いものばかりを食べ過ぎて、そこに大量の飲酒が重なると、これもまた胃を荒らす元になり、腹痛がおこることがあります。
病気が隠れている?
飲酒の後に腹痛が訪れるのは胃や腸の病気のせいかもしれません。飲酒後の腹痛で疑われる病気は以下のようなものがあります。
・胃潰瘍
・逆流性食道炎
・慢性胃腸炎
・膵炎
この場合は大量に飲酒をしなくても腹痛があらわれることがあり、特にこの状態で飲みすぎてしまうと体へ大きな負担になります。
先も述べたようにアルコールは刺激物ですから、毎回飲酒の後に腹痛があるならば一度病院できちんと検査した方がよいでしょう。
お酒の飲みすぎは自分の体を痛めつけることになりますから、ほどほどで抑えられるようにしましょう。
胃が痛い!我慢していたら吐血! ストレスが原因の胃潰瘍
本来は胃の内部には胃液中の塩酸やペプシンにより胃を保護している粘膜があります。ストレスなどでその粘膜が弱り、そぎ取られた状態を胃潰瘍と言います。
胃潰瘍の「潰瘍」とはできものの事ではなく、皮膚や粘膜がただれたり、崩れ落ちることを言います。以前は、男性に多い病気でありましたが、最近では更年期の女性や若者にも多くみられるようになりました。これはストレス社会であることが原因です。
胃潰瘍はストレスを上手く発散できずに溜めこんでしまう人や、神経質な人、几帳面な人が患いやすい病気です。
胃潰瘍症状
1、みぞおち周辺の腹痛・・・食後に痛みを感じる
2、吐き気
3、嘔吐
4、食欲不振
5、体重減少
6、吐血
7、下血
8、背部痛・・・膵臓になで炎症が及んで背中が痛んでしまう
9、口臭
10、異常にでるゲップ
11、胸やけ
胃潰瘍の原因
1、精神的ストレス
2、ピロリ菌感染
3、刺激物を長年摂取
4、強い薬を長年服用
5、アルコール摂取、タバコ喫煙
6、不規則な食生活(暴飲暴食、早食いなど)
胃潰瘍は自分で防ぐ事のできる病気です
規則正しい生活やバランスのとれた食事を心がける事。これが大切です。
そしてストレスを溜めない様に発散法を習得していれば胃潰瘍を防ぐ事が出来ます。
ストレス発散法は人によってさまざまですが、一般的な方法として、大声をだせるカラオケに行ったり、旅行へいったり、リラックス効果のあるマッサージをおこなったりがあります。
自分に合った発散法を見つける事が病気を防ぐ一番の特効薬なのです。
胃・十二指腸潰瘍ってどんな病気?
胃・十二指腸潰瘍は消化性潰瘍ともいい、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を食物と同じように消化して傷つけてしまう病気です。
胃潰瘍は、胃角部に、十二指腸潰瘍は十二指腸球部によくできます。
原因は
①ヘリコバクター・ピロリ菌感染
粘膜の傷害を引き起こします
②非ステロイド系抗炎症薬の副作用
粘膜の抵抗性が弱くなります
③ストレス
胃酸などの攻撃因子が増え、防御因子である粘液の分泌が弱まります
放っておくと…
自然に治ることもありますが、再発することも多い病気です。
放置して潰瘍が進行し、胃壁に穴が開けば大出血を起こすこともあります。
潰瘍ができているようなら、早めに適切な治療を受けましょう。
治療の方法は?
潰瘍の原因に対する治療を中心に行います。
・ピロリ菌の感染には除菌を行います。
・薬物による潰瘍なら薬物の中止を試みます。
・ストレスを減らすような生活習慣を心がけます。
・胃・十二指腸潰瘍に負担をかけない食事にします。
胃の弱い方は必見!胃潰瘍は胃憩室の原因になるって本当?
胃には異常を感じていないけれど、レントゲンや内視鏡検査を受けてみたら“胃憩室”が出来ている、なんて言われる人はたくさんいます。
憩室とは、胃壁に袋状のものができる症状です。大きさは1cm~7cm程度で、それ自体は特に異常が無い場合が多いですが、胃の中でも幽門部前庭(腸に近い部分)に出来る胃憩室は、胃潰瘍が原因となって起こることがあります。
胃憩室を作る胃潰瘍って?
胃粘膜からは食物を溶かして消化するための胃酸やペプシン(消化酵素)など、酸性度が強い消化液が出ています。そのため、胃粘膜は消化液に溶かされないための防御物質も同時に出しています。
消化液と防御機構のバランスが崩れると、胃粘膜は消化液にさらされて炎症や潰瘍を形成します。
胃粘膜に影響を与えるケース
防御因子
○粘液(胃粘膜から分泌されます)
○血液
○重炭酸塩
○プロスタグランジン
攻撃因子
○胃液(胃酸、ペプシン)
○ストレス
○鎮痛剤(NSAIDsなどはプロスタグランジンの生成を抑制します)
○ヘリコバクター・ピロリ菌の感染
○アルコールや刺激の強い香辛料
治療法
胃潰瘍は生活習慣やストレスと密接に関わって引き起こされるので、患者の生活への介入が最も有効な治療法だと言われています。
正しい生活習慣と食生活、ストレス解消を上手く行うことで胃潰瘍は予防やコントロールすることが可能になります。ヘリコバクター・ピロリ菌については、病院で除染することができます。
胃の幽門部前庭に胃憩室が形成されていた場合、憩室自体は二次的な症状の結果でしかないことが多々あります。
胃憩室を気にするよりも、まずは胃潰瘍などの原因になっている疾患を治しましょう。
(Photo by:http://www.photo-ac.com/ )
著者: カラダノート編集部