育児
子どもは薄着がいいのはどうして?
保育園や幼稚園では、「子どもは薄着にしましょう」というけれど、おばあちゃんには「こんな薄着をしたら風邪をひくと言われてしまう…。子どもの服装は薄着と厚着、どちらがいいのでしょう?
「寒いから風邪をひく」わけではありません
「冷えたから風邪をひいた」「寒くて風邪をひいちゃう」…当たり前のように口にするフレーズです。しかし、風邪をひくのは寒い格好をしていたからでしょうか?答えはNO。もしも、「寒いと風邪をひいてしまう」としたら、寒い地域や北国のひとたちは、冬中鼻を垂らしていなければなりません。
風邪をひくのはウイルスのせい
風邪の原因の80~90%程度は、ウイルスによるものと言われています。風邪を引き起こすウイルスはとても種類が多く、200種類くらいといわれており、ライノウイルスなどが中心的なウイルスです。
冬場の乾燥した低温の環境は、ウイルスにとっては活発に行動しやすい環境。さらに、日が短くなったり寒くなったりするため、屋内で過ごす時間が長くなります。屋内に人が多くなるということは、それだけ人から人へウイルスが感染しやすいということ。これが主に、冬に風邪が流行する原因です。
丈夫な体は薄着でつくる
もともとひとのからだは、暑さや寒さに対する防御力を持っています。薄着にすることで、皮膚は「暑い」「寒い」などの刺激を受けることになり、それによって本来持っている防御反応が発揮され、より高まっていきます。
●体温調節機能を養う
皮膚は感覚器と呼ばれ、外界の温度を脳に知らせる役割を担っています。
皮膚から送られた温度感覚を受けて、体温調節中枢は体内の温度を一定に保とうとはたらきます。暑ければ皮膚の下を流れる末梢血管を広げて血液の流れを多くして放熱し、それでも不十分なら、汗をかいて体温を下げようとします。
寒いときには反対に、末梢血管を収縮させて熱を逃がさないようにしたり、筋肉を震わせて熱を産生します。
●自律神経を鍛え、免疫力を高める
皮膚が感じた「寒い」「暑い」といった刺激を受けて血管を拡張・収縮させるはたらきは、繰り返されることによって鍛えられ、より素早く行われるようになります。
また、これらの働きを担っている自律神経のバランスが発達していきます。自律神経のバランスが良いということは、免疫力が高いことにつながります。
そして、免疫力が高くなることによって「風邪や病気になりにくい丈夫なからだ」になっていくというわけです。
普段から厚着に慣れていると、皮膚の感覚器が鈍くなり、自律神経のはたらきも鈍り、免疫力が高まりません。また、厚着で暖かくしすぎると、からだの放熱作用によって逆に体が冷えてしまい、冷たい風や乾燥で風邪を引きやすいからだになるとも言われています。薄着でも大丈夫なからだを育てていきたいですね。
著者: カラダノート編集部