育児
寒いからと子供に厚着をさせ過ぎてはダメ!厚着の“弊害”
「子どもは薄着がいい」とよく言われていますが、子どもに厚着をさせすぎてしまうと、どのようなことが起こるのでしょうか。ここでは厚着の弊害についてまとめてみました。
基礎代謝量が上がらない
標準的な服装をしている健康な人は、冬になると基礎代謝量が増加します。基礎代謝量とは、何もしていない安静時に、生命を維持するだけに消費するカロリーのことです。日本人の場合、基礎代謝量は夏に低く抑えられ、秋、冬と寒くなるにしたがって高くなります。
厚着を習慣としている人と標準的な服装の人とで、季節による基礎代謝量の変化を調べた研究があり、厚着を習慣としている人には冬になっても基礎代謝量の増加が認められないという結果が出ています。
基礎代謝量が大きいということは、体内で熱を多く産生するということです。熱を産生するためにからだの中の組織は活発に活動し、その分免疫力も高まります。厚着により基礎代謝があがらないということは、寒くなってくると風邪を引きやすいということにつながります。
活動しずらい
厚着のもっともわかりやすい弊害は、動きにくいという点です。なかには子どもに下着を2~3枚重ね着させたうえに、トレーナー、ジャンパーと重ね着させている例もあります。たくさん着ればその分動きにくくなりますし、動いて体温が上がると熱がこもり、不快感につながります。
自律神経のバランスが低下
皮膚は寒さや暑さを感じ取って、脳に伝える受容器の役割をしています。厚着によって皮膚が温度の変化を感じ取って伝えることが十分にできないと、からだがもともと持っている体温調節機能が鈍くなっていきます。体温調節は、無意識のうちに脳からの指令を臓器に伝える自律神経が担っており、体温調節機能の低下は自律神経のバランスの低下にもつながるといわれています。
では、子どもの服装はどのようなものが良いのでしょうか。
調節しやすい「重ね着」を基本に
1.綿の肌着
まずは肌着が重要です。生地に厚みがありしっかりとした綿素材の、半そでの肌着を1枚来ます。おなかが出ないように、おしりまで長さのあるものを選びます。
保温効果の高い生地や発熱効果のある素材が用いられた肌着が、近年子ども向けにも販売されていますが、こうした素材は放熱を妨げ、体温調節がしずらくなることもあるようです。放熱や発汗が多い就寝時にはとくに、機能性肌着は着せないほうが賢明です。
2.長袖のTシャツ
肌着の上に長袖のTシャツを重ねます。裏起毛のトレーナーなどは暖かいように感じますが、首元やおなか周りからの通気性があり、保温効果が低いこともあります。その場合はTシャツよりも寒く感じることもあります。
3.必要に応じて重ね着
長袖のTシャツの上に、ベスト(チョッキ)や半そでTシャツを重ね着するのがおすすめです。腕周りは動きやすく、体幹部分はしっかりと保温できます。ぴったりしたサイズのほうが温かいようにも見えますが、空気の層があるほうが保温効果は高くなります。
重ね着する半そでTシャツは、長袖Tシャツよりもワンサイズ大きなものにすると動きやすく、保温性も高いといえそうです。
厚くなったら脱ぐこともでき、調節したすい重ね着といえます。
4.上着
気温の低い屋外で過ごす際などは、ダウンや綿などの保温効果の高い上着を用います。また、服装は三つの「首」を温めると良いといわれています。三つの首とは首、手首、足首のこと。上着を着ていなくても、首元と足元がしっかり暖かければ、動いている間は上着は不要になることもあります。
こどもの厚着には弊害があることも念頭に置きつつ、暑いと感じたら脱ぎ、寒いと感じたら着られるような重ね着を心がけることが、健康的な冬場の服装といえそうです。
著者: カラダノート編集部