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メンタル

父母のうつ病が原因。お子さんへ与える、家庭の影響 原因となる幼少期の体験

筆者には、離婚からうつ病になり、近所に住む母親の援助を受けながら、お子さん二人を育てている友人がいます。

 

友人は自宅で引きこもり状態。小学生の子供たちはいつも孤独を抱え、あちらの家こちらの家に甘えようとしますが、どこの家も自分の家族に手いっぱいで、十分にしてやることはできず、また放浪。

 

友人が自殺企図で緊急入院していた時は、子供達が自分たちで料理をしようとして、ボヤ騒ぎを起こしたこともありました。

 

このようなうつ病の親をもつ子供達がどんな影響を受けるかまとめてみました。

 

▼父母のうつ病、家庭にでる影響

・主に母親がうつ病の場合は、家事が行き届かない、家事負担を家族が負う。

・主に父親がうつ病の場合は、収入不安。母親が仕事に多く出るなど、子供は孤独が増える。

・収入が激減する場合、子供の進路の選択肢がせまくなる。

・子供は親に甘えられず、孤独と自立をしいられる。

・自殺されないか心配で、子供が親の顔色を見て暮らす。

・子供は家庭で安心できず、ストレスを溜め続ける。

・親のうつっぽさを目の当たりにし、子供の心にも後ろ向きな心が芽生えやすくなる。

 

▼上記に対する対策

うつ病患者の配偶者の方は、同じ苦しみをもつ家族会にぜひ所属しましょう。先輩たちが様々なアイデアをくれますし、自分の心のケアは他の家族を支えるためには必須です。

 

母親がうつ病の場合は、家事負担を有料サービスにたよったり、両親や親せきのサポートをうけ軽減するなど、家事の軽減対策を十分にとりましょう。家事による父親や子供のストレスを減らすことで、母親自体のストレスも減り、早期回復の要となります。

 

父親がうつ病で収入不安がある場合は、福祉センターに相談して、不安を極力少なくする必要があります。病院代の軽減や、様々な福祉支援を最大限にうけましょう。自治体によっては、塾へ行けない子の塾支援をしているところもあります。

 

※筆者は、親との不仲で収入面で頼りたくないという母親を多く知っていますが、収入減少でお子さんにおおきくしわ寄せが行くなら、プライドをわきに置く勇気をぜひ持っていただきたいです。

 

妻または夫がうつで、仕事と家事と配偶者のサポートで、時間にも心にも余裕がないということはよくみられます。または片親でうつ病の場合は特に、放課後の子供の居場所対策をとりましょう。

 

年子の兄弟が多ければ問題ないかもしれませんが、二人または一人っ子であれば、居場所を求め、小学生の子供が地域を寂しそうにうろうろする姿がよく見られます。

 

低学年であれば、うつ病申告で、留守家庭児童支援を受けられますし、高学年であっても、祖父母や、親戚、善意の施設や友人家庭、児童センターや青少年施設など、子供が安心して、宿題や勉強をもっていって長時間すごせる場所を確保することはとても重要です。

 

もう大きいから大丈夫だと思いがちですが、思春期にあたる中高生の心の闇も深いものです。彼らの居場所、心のよりどころになる青少年向けの施設も全国的に増えつつあります。

 

なんでも相談できる温かい大人がいる場所をみつけ、家にいたくない時はそこで過ごせるように打ち合わせしておけると、うつ病家族は安心して回復のための休息をとることができます。(地域の福祉センターに問い合わせてみましょう。)

 

うつ病がつらいのは患者本人だけではありません。家族みんなつらいものです。家族みんなが少しでも負担を減らせるよう工夫し、対策をとり、うつ病の長く暗く感じるトンネルを、出口までなんとかやり過ごしていただけたらと願っています。

 

うつ病を生み出す原因、機能不全家庭

『機能不全家庭』という言葉を知っていますか?

 

家庭内に、もめごとや、不法行為、身体的、または性的、または心理的虐待が存在する、または育児放棄が見られる家庭をさします。

 

筆者はアルコール依存症の父から虐待をうけ、その言いなりになり、常にイライラしている母のもと、一人っ子で育ちました。摂食障害とうつ病の病床歴を持ちます。このように、機能不全家庭で育った子供、特に一人っ子であると、大人になるにつれ、うつ病やその他精神疾患がでやすいと言われています。

 

▼機能不全家庭の例

・父親、または母親が絶対的で誰も逆らえない。子供の意見が否定され続ける。

・カルト信仰、または歪んだ信念により、社会から逸脱したルールで暮らし、子供は強制される。

・父親、または母親が精神的病にあり、通常のコミュニケーションがとれない。

・なんらかの虐待が日常化している。

・両親の不和が日常化している。

・両親が子どもへ無関心である。

・完全主義の親により、子供が監視され続ける。

・子供を利用して、生活している。

 

▼機能不全家庭で育った子供達の特徴

◎親が望むものに合わせ、極端な役を演じるため、臨機応変に生きる、気をぬいて生活する、ということができない。

完全主義の親であれば優等生、虐待がひどければ自分の存在を消す、常に不和があれば嬉しくなくてもひょうきんなキャラを演じ続ける、お姫様を求められるので、お姫様のキャラクターを続ける、問題児であることで両親の離婚を防いでいると思えば、問題児をつづける、等。

大人になった時に、職場でも、完璧な何かの役を演じれなければ自分に価値がないと思いやすいため、うつ病やその他精神疾患が発症しやすい。

 

◎自分らしさがわからない。

周囲に振り回され続けたり、自分の意見をねじ伏せられたり、自分らしさを持つことが許されず、自分は何が好きで、何が苦手で、どんな生き方がしたくて、どんな生き方がしたくないのか、など、「自分らしさ」を喪失している。極端な場合、自分が嬉しいか、嬉しくないかもわからい人もいる。「自分らしさ」を喪失していると、生きる意味もわからず、うつ病やその他精神疾患になりやすい。

 

◎機能不全家庭を再現する。

幸せな家庭で過ごしたことがなく、どうすれば穏やかに暮らせるかがわからない。自分は不幸になる運命だと思い込む、または親に与えられた機能不全家庭の環境を当たり前だと思い再現する。家を出てからも人の言いなりになって、不幸な暮らしを改善しようとしないなどが見られます。

 

筆者は父からの暴力が日常的であったため、20歳ぐらいまで、子供は殴って育てるものだと信じていました。会社に入ってからは、上司のいいなりになり続け、うつ病へとつながりました。

 

◎他者の気持ちが分からない。

親にねぎらわれたり、優しくされて、救われた経験がないために、他人を思いやる気持ちがもてず、毒舌をはきがちで、周囲から孤立しやすい。

 

など

 

▼一人っ子のつらさ

機能不全家庭で育った場合でも、子供がたくさんいれば、子供同士の間で、機能不全部分を補い合い、なんとか自分らしさを見失わず暮らせることがあります。しかし、一人っ子の場合はひとりで機能不全の余波を請け負い、心を壊したまま大人になることが顕著です。うつ病の発症率も当然高くなります。

 

▼対策

機能不全家庭を作り出す背景は、両親の生い立ちにも機能不全家庭が見受けられます。そうして遡っていくと、戦争や差別、社会制度など人類が作り出した歴史的社会的問題にまで行きつくものです。

 

現在、機能不全家庭に育っている、または育った方は、自分の人生の不備を機能不全のせいにして両親を恨み、前を向かず生きるのではなく、歴史や社会のゆがみが原因でおきている、機能不全家庭の連鎖をどこかで立つ必要がある・・・そういう観点にたち、自らがその末端であり、連鎖を止める役目にいると意識することが大切です。

 

そういった意識で、うつ病や様々な精神的病を、ご自分のペースでよいので克服し、連鎖のない新しい家庭や人生を作って行って欲しいと願います。筆者自身、また筆者の周囲でも、機能不全家庭で育ったからこそ、本当に大切なことを見失わず、充実した家庭生活を送っている方もたくさんいます。

 

うつ病の原因となる幼少期体験の研究結果

生まれながらうつ気質があると、うつ病になりやすいと言われていますが、生まれてからの環境もうつ病発症に、影響しているのかどうかについてまとめてみました。すべての実験はアメリカのものです。

 

▼動物実験

・次のような影響を加えて育ったねずみには、大人になってうつ病の発生が多くみられました。「拘束する」 「触りまくられる」 「親が一切かまわない」

・自然の中で育った犬 VS 檻で育った犬 両方に電気ショックを与え続けると、檻で育った犬により多くのうつ病が発生しました。

 

▼虐待体験

「虐待(身体的なもの、性的なもの、育児放棄をさし、心理的なものは省く)されて育った子供」と「虐待されてない子供」を追跡、うつ病発生件数を調べました。結果、虐待されて育った子供が、されてない子供よりも少し多くうつ病の発生がみられました。

 

筆者の扱ったケースでは、虐待からの影響は「うつ病」よりも、「解離性障害」「摂食障害」「不安障害」を発症することが圧倒的に多いです。

 

▼喪失体験

うつ病になった患者さんに、幼少期(11歳まで)に母親を死別・別離でなくした体験、父親を死別・別離でなくした体験のいずれが多いかを調べました。圧倒的に多いのは、『母親との別離』ついで『母親との死別』『父親との別離』も高い傾向にありました。

 

筆者の扱った喪失体験が原因だと思ううつ病のケースでは「母親の自殺」「母親の不倫」が多くみられます。ですから『母親との死別』と一口に言っても、病気や事故と言った理由がはっきりしている場合よりも、母親に自殺され、未だにその理由を理解できていない方が圧倒的に多いと思われます。そういった心の傷をもって大人になった方は、自らもうつ病から自殺するケースを多数知っています。「父親の自殺」体験については特に自殺者の息子(男性)に自殺願望者を多く作っていると感じています。

 

▼まとめ

筆者は以上の実験結果と経験から、幼少期の体験の影響に限って言えば、本人にとって「なぜ起こったかわからない出来事」がうつ病の素地を作るように思います。

 

たとえば、母親が不倫に夢中になりネグレクトを受けた子供は、大人になってうつ病を発症、みずからも不倫をし育児放棄に近い精神状態を経験し、そこから這い上がることで、やがてうつ病からぬけでるケース。教育熱心な父親の言う通りに育った男の子は、その父親がうつ病で自殺。大人になってから、自らもうつ病と自殺企図を経験し、そこから「父親は生きにくい間違った考え方をもっていた」と受け入れられるようになり、劇的に回復したケースなどがあげられます。

 

同時に、日本の多くのうつ病患者については、ショッキングな幼少期体験が原因であるよりも、平和でまじめな家庭で箱の中にいれられて育ち、「社会に出た時におこるギャップ」が多くの原因をしめているとも感じています。

 

会社へ入ると成績がいい子よりも、愛想がいい子がほめられる・・・勉強はできるのに、仕事がうまくできない・・・上司や同僚は遊んでいて自分ばかり仕事をさせられる・・・と訴え、うつ病になるケースは本当に多いのです。

 

うつ病の原因である、幼少期からの考え方をはずす

うつ病の患者さんのカウンセリング治療は、現実に今ぶつかっている問題を課題にして、幼少期からもつ否定的考えをはがしていく作業となることが主です。

実際のその変化の実例を紹介します。

 

▼ 34歳うつ病女性

ご主人とは家庭内別居状態。軽度発達遅延の男児8歳と両親と同居中

 

◎「小さい時から自分とまともに会話できる人がいない。できてもすぐ人が離れていく。それは自分が馬鹿で、劣っているからだ。」という考えから抜け出せない。

 

ご主人と家庭内別居状態であることも、お子さんの軽度発達遅延も自分が馬鹿だからと訴え、死にたがる。自分に優しくしてくれる人を求め、家族には内緒で複数の男性と同時進行で不倫をしている。

 

とある不倫相手が最も心の支えであると打ち明ける。彼はもっとも根気よく話を聞いてくれて自分を理解してくれているように感じる。しばらくその関係は続いたが、その男性に別の不倫相手の影が見えると大きく動揺し、追いかける行動にでたところ、連絡がとれなくなり、またもひどいうつ病が悪化する。

 

「彼が離れていったのは本当にあなたが馬鹿だからでしょうか?」

 

それについて話合いを重ねた結果、「彼は最初から自分を愛していなかった。」「自分と体の関係を結ぶことだけが目的だった」「話を聞いているふりをしていただけで理解などしていてなかった。」と気づき、他の不倫相手との関係もどんどん興味が失せていく。「自分を理解してくれる人はどこにいるのか?」と患者さんは強く訴え、さらに話し合いを続けました。

 

「自分は人に理解されることばかりにこだわって、誰のことも理解しようとしなかった。それが人が離れていく原因では?」とある時気づき始める。

 

それに気づいてからも紆余曲折を繰り返し、一年近く経過しやっとみつかったとあるパート先で、とても小うるさい女性を上司に持ちます。いつもならすぐ辞めていた彼女ですが、なぜ小うるさいのか理解しようとつとめる行動にでました。すると気に入られるようになり、プライベートでも遊びに誘われるようになりました。

 

小うるさかった女性は人をとりまとめて、飲み会やお茶会を開くことが好きで、気がつくと心を割って話せるグループの一員となることができ、生まれて初めて、理解される友達に囲まれているという実感を体験します。

 

「自分は馬鹿だけれど、馬鹿だからこそ人の話をしっかり聞こうとすることができる。」

 

筆者と出会って2年後、彼女は不倫をやめ、友達を持てたことで、否定的考えを徐々に溶かしていき、少しは自分に自信をもつようになりました。夫との関係も彼の話を聞いてこなかったのに、今でもお給料を入れ続けてくれることに感謝し、現状維持で進んでいく決意をしました。

 

ちなみに両親は、夕食の食卓を囲むおり、小言を必ず彼女に言う癖があります。それが彼女が自分は馬鹿で、理解されない人間だというレッテルを形成したことにも気づきました。

 

▼まとめ

上記はほんの一例ですが、幼少期からの根深いレッテルにまずは気づき、苦しさから剥がしてみたいと患者さんが動き出すことで、良い変化が現実にも起こるものです。しかしその変化も永遠に続くものではありません。また新たな問題が出てくるたびに、どんなレッテルが邪魔してうまくいかなくなったのか、うまくいってないように感じるのかを、考察することが必要でしょう。

 

不倫も転職も、家庭内別居も、一般的には悪くとられますが、患者さんが自分の悪いパターンに気づくためにはすべて必要でした。今おかれている環境や選択を後悔することに固執せず、利用して学ぶことが大切です。

 

うつ病の原因? 幼少期に得た考え方

うつ病になる患者さんには同じような共通した考え方がみられます。それは子供の頃のどんな出来事を通じて培われたのでしょうか? 研究をまとめてみました。

 

▼うつ病患者さんによく見られる口癖

「私にはいいところがなくて、どうしようもない」

「いいように考えると必ず損をする。」

「白か黒かはっきりしないと嫌」

「自分は常に嫌われている」

「常に物事は悪い方向へ向かう」

「すべて自分が悪い」

「努力や工夫は自分にはできない、忍耐するしかない」

 

▼うつ病三大特徴

上記の口癖などから、認知心理学では次のようにうつ病患者の特徴を三つにまとめています。

「否定的な未来予測」

「否定的な世界観」

「否定的な自分への認知」

 

▼セリグマンの「楽観性と悲観性」の研究

マーティン・セリグマンは、7歳までの母親の言動、教師の言動が大きく作用して、楽観性や悲観性をおびた人生を説くスタイルが完成し、40歳まで変化があまり見られないという研究結果を出しました。

 

◎セリグマンが発表した悲観性をつくりやすい母親と教師が与えた言葉かけ例

「何をしてもお前はダメね」

「また失敗。いつも失敗ばかり」

「誰にも愛されないよ」

「お前はかわいくないね」

 

▼アリエティのうつ病患者に多い養育歴の研究

精神病をたくさん研究したシルバーノ・アリエティは、うつ病患者に多い幼少期の変化を次のように掲げました。

 

幼児期に、「よく自分の世話をしてくれる家庭に生まれる。」「母親は義務感が強く、できるだけ多くの子供の要求に答える。」ことで、子供は外交的で従順な性格になる。

ある程度育つと、親からの要求が極度に増す。すると子供は幼児期の心地よさを求め、親の要求を聞き続け、従順であるために無理を重ね、できない自分を責め続けるような内向的な性格に変わる。

 

▼ まとめ

うつ病患者さんは、よく知られるように「否定からすべてをみる」という性質があることは明らかです。それは「否定的に考える」ことで、幼少期(10歳まで)、何らかの利点があったのです。利点があったため固定した性質。これがあまりにも理不尽なことが多い社会では、自分への否定を何度も強化し、最後には何もできなくなってしまう、それがうつ病なのかもしれません。

 

しかしうつ病はたとえば、母親がひどかったからとか、教師がいじめたから、先天的障害により積極性を失ったなど、幼少期の一つの原因だけを病気の理由にしても解決しないものです。そういったことがきっかけで固定してしまった性質から培ったレッテルは無数に存在し、それらを一つ一つ丁寧にはがしていき、新しい生きやすいレッテルに張り替えたり、様々なアプローチを重ねることで、うつ病から抜け出していくものです。

(Photo by:http://pixabay.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-12掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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