健康診断・健康管理
採血後の不調…原因となる迷走神経反射とは?採血失敗しないための対処法!
採血をした後に、具合が悪くなりやすい人というのがいます。
採血後に頭が痛くなったり、気分が悪くなったり、めまいや耳鳴りがしたりといった症状が出て、倒れそうになるほどふらふらになったり、実際に倒れてしまったりと言った症状が見られるのです。
多くの場合、少し時間をおけば体調が回復しますので、特に気にしていないという人が多いようです。
迷走神経反射の可能性
採血で体調が優れなくなるというと、貧血や低血圧といった症状を疑うと思います。しかし、実際それらとは関係のないことが多くあります。こうした体調の変化の原因として考えられるのが、迷走神経反射です。
迷走神経反射とは、強い痛みや精神的なショック、ストレスなどが原因となって引き起こされるもので、冷や汗や顔面蒼白、失神などの症状が見られるものです。
採血後の体調の崩れが迷走神経反射によるものだとすると、採血の際に針が刺さったときの痛みや、血液が抜かれることに対する精神的な負担が刺激になって、迷走神経求心枝を介して、脳幹血管運動中枢が刺激されます。
これは、心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などを引き起こす人の体の反応で、脳幹血管運動中枢からの刺激が、末梢各臓器の運動枝を介して伝えられます。運動枝は骨盤内臓気以外の臓器に分岐しますので、気管咽頭や消化器機能に影響が出て、体の不調が生じます。本来は体の防衛反応なのですが、過剰反応をきたした際に身体異常としてみられることになります。
少し難しく書いてしまいましたが、採血時の刺激が原因となって迷走神経という神経が刺激され、自律神経のバランスが崩れてしまい末梢の血管が拡張し、血圧が下がることによって起こるということです。特に自分は精神的な負担に思っていないと思っていても、体は負担に思っているということがあるようです。
「迷走神経反射」という言葉を調べても、採血時に気分が悪化して倒れた際の原因と記されています。
採血のショックで頭痛が起こることがある?
健康診断などの機会があって、採血をすることは大人になってもしばしばあると思います。採血をしてくれる人によっては針を刺す瞬間が痛かったり、針を刺すのが上手で痛みを感じない人もいたり、さらには近年痛くない針というものまで出てくるようになりました。
多くの人は何の問題もなく採血が終わると思いますが、ときどき採血の後に気分が悪くなってしまう人がいます。
特にたくさん血をぬいたわけでもないのに頭がふらふらする感じがして、頭の痛さを感じるといったことや、これに伴って体もものすごくだるく感じ、動くのもしんどくなってしまうということがあります。
原因は貧血?低血圧?
これはたくさんの人に起こるものではないので、自分に原因があるのではないかと考えてしまうと思います。自分が貧血気味だからだろうかとか、血圧が低いからだろうかとか考えるでしょう。
しかし実際、こうした貧血や低血圧と言ったこととはほとんどの場合で関係がないそうです。少し血を抜かれたぐらいのことで、貧血が起きたり低血圧が起きたりするということは考えにくいことのようです。
原因はショック?
原因は一つだとは言い切れませんが、一つの原因として考えられるのがショックです。ショックとは針を刺された感触であったり、採血筒の感触であったりもしますが、体の中の一部分の血管で、局地的に血圧が下がってしまったことに対するショック、という考え方も出来ます。
特に今採血に使用される採血管は真空採血管というもので、注射器で採決をするよりも、血液を抜き取るスピードが速くなります。そのため血圧が一気に変動してしまって、ショック状態になるものと考えられます。
採血の後に毎回頭痛などの症状が起こるのであれば、その旨を事前に伝えておく方が賢明です。
採血失敗...血管が細く採血がうまくいかない人のための対処法!
血管が細い人は、うまく針を採血に使う静脈に刺すことができなくて、採血をするのに何度も針を刺されてしまったという経験があると思います。健康診断などにおいて、採血を避けられない場合、どんな対処方法があるでしょうか。
採血前に自分でできること
血管は拡張したり収縮したりするものです。採血をするにあたって、当然血管は拡張していた方がよいということになります。では血管を拡張させるために、どんなことができるでしょうか。
■体をあたためる
マフラーなどで首の太い血管を温めると、個々から腕の血管につながるので効果的です。また、採血をする腕や手を十分に温める必要もあります。カイロや暖かいタオルなどがあるとよいです。
■水分補給を十分にする
体の中の水分が不足すると血管が収縮してしまいますので、十分に水分補給をしておきましょう。
■リラックスする
変に緊張している状態でも、採血がしづらくなります。これは採血される側の体の問題もありますが、採血をする方にも問題が生じやすくなります。血管が細くてとりづらいということを伝えておくのはよいですが、過度にプレッシャーをかけないようにしましょう。
<場合によっては聞いてみよう>
血管が細くて採血がうまくいかないという人は、細い針に変えてもらうという選択肢もあります。通常検査採血には、21Gという針が使われています。この数字が大きくなるごとに、針は細くなっていくのです。
血管が細い人の場合、通常の太さの針を刺すと最初に一瞬血液が入り、その後血液が出てこなくなります。これは血管が細いために血管内のその空間にある血液が吸われて、しかも針で道をふさいでしまって、その空間がペタンとつぶれてしまうことによって起こります。
採血する側から「細い針に変えます」と言ってきてくれるかもしれませんが、必要であれば最初から自分で「細い針に変えられますか?」と聞いてみましょう。
何度も刺されたり、採血に時間がかかるのは採血される側もする側も負担になりますので、できる限りのことをしておきたいですね。
(Photo by: [http://www.ashinari.com/2012/09/28-370800.php])
著者: カラダノート編集部