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健康診断・健康管理

がん治療に用いられる『アミグダリン』の危険性とは?

青梅に含まれる『アミグダリン』の危険性

『アガリクス』や『フコイダン』などのように、抗がん作用があると謳われている健康食品は数多くありますが、その中には昏睡や場合によっては死亡など重篤な副作用を引き起こすもの、あるいは民間療法なども存在します。

 

青梅などに含まれる『アミグダリン』という物質もその一種で、体内で代謝されると『シアン化水素(青酸)』を生じます。

 

主に種の部分に含まれている物質で、通常の食事による摂取量では目立った症状は現れないとされています。しかし、アミグダリン抽出製剤によって体内投与されると、上記のように昏睡や死亡などの危険性が指摘されています。

 

がん治療の民間療法や、健康食品としてアミグダリンが販売されている場合があり、注意が必要です。

 

以下では、アミグダリンについての詳細を見て行きたいと思います。

 

アミグダリンとは?

アミグダリン(レートリル)とは、バラ科に属する【アンズ、ウメ、モモ、スモモ、アーモンド、ビワ】などが未熟状態のときに、種子の中心にある『仁』に含まれる青酸配糖体です。種子だけでなく、微量であれば果肉や葉にも含まれています。子供の頃に梅干しの種を割って食べたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

別名『』ビタミンB17』と呼ばれることもありますが、アミグダリンは体内で必須の栄養素ではなく、現在ではビタミンの一種として認められていません。

 

<作用機構>

アミグダリンそのものに毒性はありませんが、果実が傷ついた際に含有酵素の『エルムシン』や人の体内酵素の『β-グルコシターゼ』により分解され、『シアン化水素』が発生します。ミトコンドリアに存在するチトクロムCオキシダーゼという酵素に結合することで、細胞の呼吸を阻害し下記のような有害性を呈します。

 

<摂取による症状>

悪心、嘔吐、頭痛、目まい、血中酸素の低下による皮膚の青白、肝障害、異常な低血圧、眼瞼下垂、神経障害による歩行困難、発熱、意識混濁、昏睡、死亡。

 

<用途>

生薬の材料(杏仁、桃仁など。去痰・鎮咳などの効果がある)、皮膚に塗布で局所麻酔(かゆみ止めなど) 。

 

<副作用を呈する摂取量>

致死量は遊離した青酸の状態でおよそ60mgとされており、この量を満たすためには多くのアミグダリン(未成熟なウメで100〜300個ほど)が必要とされている。少量であれば死に至るほどの効果は表れない。

 

アミグダリンを使用したがん治療法と健康被害例について

アミグダリンの抗がん作用については、現在までいくつか臨床検査が行われ、長期間にわたりその有効性について議論が続けられてきました。

 

結果、アメリカ国立がん研究所ではアミグダリンの効果について、『がんの治療や改善、また関連症状の改善や延命にいずれも効果がなく、むしろ青酸中毒をおこす危険性がある』という結論を出しています。

 

また健康食品に対しても、FDA(米国食品医薬品局)は米国内でのアミグダリン販売を禁止しています。しかし、未だインターネットなどの販売は続けられている例が多く見られます。

 

<アミグダリンによる健康被害とは?>

国立健康・栄養研究所の情報によると、アミグダリン摂取によって以下の症例が報告されています。

 

◆65歳の女性が昏睡症状

65歳の肝硬変を併発した肝臓がんの女性患者が、3gのアミグダリンの摂取によって【深い昏睡、低血圧、アシドーシス】を呈した。一旦は意識が回復したものの、重篤な肝障害により死亡。アミグダリンの毒性が肝細胞壊死に関与することが示唆されている 。

 

◆68歳の女性が昏睡症状

68歳の女性がん患者が、3gのアミグダリンを摂取した直後に【昏睡、痙攣、重度の乳酸アシドーシス】を呈し、気管挿管と人工呼吸器の処置を受けた。女性は日常的に1日4800mgのビタミンCを摂取しており、ビタミンCはアミグダリンから青酸への転換を促進するとともに、解毒作用に関わるシステインの体内貯留量を低下させる働きがある。

 

◆32歳の女性がショック症状

32歳の女性乳がん患者が【無反応、ショック状態、固定散瞳】を呈し、6時間にわたる人工呼吸と強心薬の増量によって8時間後に回復。合併症として尿崩症を発現した。女性はがんの転移の治療目的で『ビタミンサプリメント』という名称のアミグダリン含有製品を摂取していた。

 

<抗がん治療法の例>

がんの治療に効果的として、アミグダリンを使用した療法がいくつかのクリニックにおいて見られました。また、アミグダリン含有のサプリメントを個人で使用されている例もあり、注意が必要です。

 

◇IPT療法(アミグダリン抽出液点滴療法)

がん細胞が正常細胞よりも、約16倍も糖を取り込む特性を利用してインシュリン投与で一時的に低血糖状態にし、飢餓状態となったがん細胞にアミグダリンを点滴するという療法。

 

⇒過去にメキシコの病院などで使用されていた療法であるとされているが、現在は米国でその危険性が指摘されており、米国食品医薬品局は関連商品の販売禁止を行っている。

 

◇甜杏仁(アミグダリン含有茶)

インターネットなどで市販されており、副作用による危険性が指摘されている。

 

上記の民間療法や健康食品の紹介文には、アミグダリンの副作用について触れられていない場合がほとんどであるようです。

 

その他の抗がん作用のがあると言われる健康食品(フコイダンやアガリクスなど)に関しても、有効性については確証がない場合や、副作用の症例が見られることもあり、出来る限り公の機関から出ている情報をまずは探してみることが重要です。

(photoby://pixabay.com/

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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