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日本人の死因第4位!どうして肺炎の死亡率は高いの?高齢者は肺炎に注意!

 肺炎の死亡率は現在日本の死因全体の第4位。どうして肺炎の死亡率はそれほど高いのでしょうか?

 

減ってきた死亡率が再び上昇?

かつて、明治から大正、昭和初期にかけて、肺炎は死因の第一位を占めていました。しかし戦後、昭和30年代に入ると急速に低下、人口10万対100~400だった死亡率は30にまで減少しました。ところが、昭和55年頃から肺炎の死亡率は再び上昇し、平成22年には94.1になりました。

 

ここには年齢的な大きな違いがあります。

 

昭和10年頃では、肺炎による死亡は乳幼児と中高年で高く見られましたが、現在では高齢者で高く、肺炎による死亡者の96.5%が65歳以上と言われています。

 

特に80歳以上の高齢者の肺炎による死亡率は高く、人口10万対1,120となっており、85歳以上では10万人あたり年間2000人以上が肺炎で死亡し、1日当たり200人以上が肺炎で治療されていると推定されています。

 

死亡率の上昇は高齢化によるもの

年齢別に肺炎による死亡率をみると、65歳を境にぐんと死亡率が上昇することがわかります。

 

●肺炎による人口10万対年齢階級別年間死亡率(2003年)

・15~19歳:0.4

・25~29歳:0.5

・35~39歳:0.8

・45~49歳:1.6

・55~59歳:6.1

・65~69歳:21.4 *ぐんと上昇!

・75~79歳:111.3 *さらに一気に上昇!

・85~89歳:593.3 *死因の3位に!

・90歳以上:2913  *死因の2位に!

 

つまり、規則正しい生活や高い基礎体力により、心疾患や脳血管疾患にならなかった健康な高齢者が、加齢の結果として肺炎を患い、それが死因となっていることがうかがえます。

 

抗生物質の登場やワクチンにより、肺炎で命を落とす乳幼児や中高年は少なくなりました。一方で、超高齢化社会となり、長生きする人が増えたことによって、肺炎の死亡率があがっているというわけです。

 

超高齢社会となった日本は、これからも高齢化が進み、平成72年には65歳以上の高齢者が占める割合は39.9%に達すると見込まれています。脳血管疾患が減少し、がんの治療も日進月歩の今日、肺炎の死亡率はさらに高まっていくと考えられます。

 

肺炎の高い死亡率だけをみると、恐ろしい病気が増えているようにも感じますが、実際は、健康に長生きできている人が増えているということでもあるのですね。

 

間質性肺炎や肺線維症に効果!『水素吸入療法』とは?肺の病気の治療法

間質性肺炎とは、肺胞のまわりの壁の部分が何らかの原因で炎症を起こし、硬化と萎縮(線維化)によって肺としての機能が失われ、悪化した場合数週間で死亡する可能性のある病気です。この治療法には、抗生剤や抗炎症剤、酸素吸入、場合によっては抗線維化剤が使用されますが、線維化した状態を回復する手段はなく、悪化する前の早期治療や予防が基本となります。近年、酸素吸入と共に線維化を抑えるとして推奨されている療法に『水素吸入療法』があります。以下では、その詳細について見て行きたいと思います。

 

間質性肺炎とは?

通常の肺炎は、肺胞の内部に細菌や煙などが原因で炎症が起こることで生じますが、間質性肺炎は肺胞と肺胞の間の隔壁の部分(=間質)に浮腫や細胞浸潤をおこし非細菌性の炎症をきたすという疾患です。炎症が進行すると、間質に線維芽細胞が浸潤してきて線維化が起こり、その状態から元に戻ることはほぼ不可能であるとされています。また、労作時の呼吸困難や咳などが出てくるのは、線維化による肺胞隔壁の肥厚・硬化で、肺が伸びにくくなるためです。状態が進行すれば、呼吸困難が悪化し、予後は不良であるとされています。

 

水素吸入療法の詳細について

間質性肺炎は、上記のように間質に炎症と線維化を生じさせる疾患であり、一度損傷した細胞は元に戻ることはないと言われています。一方で、現在この炎症・線維化抑制に効果があると期待されている療法に『水素ガス』があります。水素には活性酸素消去作用があるため、間質性肺炎のほかにも、COPDなど、タバコや有毒ガスや微粒子の長期間の吸入による慢性炎症(活性酸素が生じる)に有効とされています。

 

<水素の効果>

◇水素自体がもつ抗酸化作用や抗炎症作用

◇また、水素により誘導される『ヘムオキシゲナーゼ』という物質による抗酸化・抗炎症作用

 

⇒ヘムオキシゲナーゼは、血液中の赤血球の中にあるヘム(人体に有害)を分解する酵素で、細胞を酸化ストレスによる障害から守る細胞保護の役割を持っている。

 

<臨床実験について>

米国による肺障害と水素に関する研究では、以下の臨床試験が報告されています。

 

◆米国による臨床実験(American Thoracic Society)

 

実験内容

ラットを2群にわけ、98%の酸素に(高酸素肺障害を生じる)、それぞれ2%の窒素と2%の水素を与えて比較検討した。

 

結果

60時間の酸素投与の後、2%水素を添加した群では、肺の浮腫や肺機能、肺の炎症の有意な低下を示していた。また、ヘムオキシゲナーゼ(HO-1)を測定すると、水素を与えた群において上昇していた。

 

水素ガス発生装置について

現在、一部の医療機関で取り扱われている『水素発生装置』は以下のものになります。

 

◆発泡水素発生材(製造元:株式会社パル・コーポレーション)

 

◇成分:酸化カルシウム粉末+アルミニウム粉末(この2つが水と反応することで、アルミン酸カルシウム+水素ガスとなって発生する。)

 

◇使用方法:25gの発泡水素材を2リットルペットボトルの水に沈め、発生した水素ガスを、エアマスクなどで吸引する。1袋で約1000リットルの水素水が生成できる。

 

<どのような病気の治療に有効か?>

 

◇気管支ぜんそく

◇間質性肺炎、肺線維症

◇膠原病

◇肺がん

◇慢性閉塞性肺障害

 

<水素の取り扱いは危険なのでは?>

上記の水素発生装置は家庭でも気軽に使用できますが、水素自体が着火しやすい物質であることから、取り扱ううえでの危険性が疑問視される場合があります。これに対し、専門家は水素には以下の特性があるため、出来る限り個人で扱わないことが重要としています(病院内で機器による治療を受けることが推奨される)。

 

1)水素の物質特性は、『燃焼範囲が広い(空気中に4~75%混ざると燃える気体となる)』『極めて小さなエネルギーで着火する』というものがある。

 

2)水素の発火点(自然発火温度)は、527℃である。

 

3)例えば、マッチの頭薬が燃えている温度は約1000~1500℃程度である(軸木部分では400℃程度)。

 

4)水素爆発事故の原因は、密閉容器中の水素にマッチで火をつけた場合に起こったものが多い。

 

上記のように、肺障害の改善には期待が持てそうですが、一方で取り扱い方法には細心の注意が必要であり、もし家庭内で扱うことになった場合には以下の点に気をつける必要があります。『1)医師に取扱い方法について十分確認する』『2)使用の際は部屋の換気を行い、発生装置から水素が漏れないようノズルとエアマスクを付ける』『3)子供を近づかせない』『4)着火するものを周囲に置かない(マッチ・ライター・静電気の発生するものなど)』

 

 

男性の高齢者に多い?肺炎にかかりやすい人の原因

肺炎は大きく分けて、市中肺炎と院内肺炎に分けられます。このうち市中肺炎とは、一般社会生活を送っていられる人に見られる肺炎のことをいいます。

 

ここでは市中肺炎について、かかりやすい人はどんなひとか、まとめてみました。

 

高齢者に多い肺炎

肺炎は、健康な人にも多い疾患です。しかし、高齢者や、何らかの基礎疾患を有している人など、それぞれの背景によって原因となる菌や病態に違いがあります。

 

日本では死因の4位を占めていますが、肺炎による死亡の95%以上を65歳以上の高齢者が占めています。

 

男性の高齢者に多い

ある病院で診察した954例の肺炎を年齢別にみたデータでは、女性は60歳代、70歳代が多いものの、すべての年齢に分散して見られます。一方で男性では、60歳代以上の高齢者に多く、70歳代で突出して多くなっています。

 

 

高齢者は、若者に比べて基礎疾患を有していたり、誤嚥する頻度が高いことから、おなじ人が繰り返し肺炎を起こすことが多くなり、患者数も多くなります。

 

男性高齢者の肺炎が多い原因には、男性の喫煙率が女性よりも圧倒的に高いことが関係していると思われます。

 

年齢によって異なる起因菌

肺炎を引き起こす原因となる菌も、年齢によって異なります。

マイコプラズマ肺炎では60歳未満が95%を占めているのに対し、肺炎球菌性肺炎では、60歳以上の高齢者が67%を占めています。

 

肺炎球菌はヒトの鼻や口、のどなどに常在しているといわれている菌。高齢者ではこれが肺に入ることによって肺炎を起こすことがあります。

 

肺炎を併発しやすい背景

一般的に高齢者は、全身的な老化や低栄養、がんなどを背景とする免疫不全、気管支粘膜の繊毛運動の減弱、咳込んで異物を吐き出す反射の減弱など、肺炎を生じやすい要因が多くなります。

 

さらに、70歳以上では、糖尿病患者で肺炎を併発することが多く、脳梗塞などの脳血管障害や、胃切除など上部消化管手術をしたことがある場合など、誤嚥リスクが高い場合に肺炎を併発することが多いことが明らかになっています。

 

「65歳を過ぎたら肺炎予防」といわれています。肺炎が死因となることもあるということ、誰しも加齢によって肺炎を起こしやすくなることを念頭に置いて、肺炎の予防に取り組みたいですね。

 

肺炎を気にした方が良い年齢は何歳から?

肺炎は日本人の死因の第4位。しかし4位となるのは65歳からで、80歳以上の高齢者では死因の第3位になります。肺炎を気にした方が良いのは、何歳頃からでしょうか。

 

65歳から一気にあがる受療率

肺炎と年齢に大きな関係性があることは、年齢別にどのような疾患で病院を受診したかをまとめた統計データ「傷病分類別・性・年齢階級別受療率(人口10万人対)」をみると一目瞭然です。

 

それによれば、0~4歳は21とやや高めなものの、5歳から54歳は5~12程度と低く、55歳から64歳は少し上昇して18~20、そして65~69歳で35、70~74歳で68 、75~79歳では99、80歳以上では297と、65歳をすぎると年齢を重ねるごとに、肺炎の受療率が上がっていくことがわかります。

 

死因でみても、85歳以上の男性に限っては死因の第2位、90歳以上の男性では死因第1位となり、年齢と肺炎に関連があることが明らかです。

 

平均寿命の延びが肺炎の増加に

日本は世界屈指の長寿国で、平成21年(2009年)の平均寿命は男性79.59歳、女性86.44歳となっています。しかし、60年前の昭和30年(1955年)の平均寿命は男性 63.6歳、女性67.75歳でした。ほんの30年前の昭和50年(1975年)でさえも、男性71.73歳、女性76.89歳でした。

 

定年が65歳になり、まだまだ第二の人生を謳歌している時期ですが、からだの免疫力や体力は、実は気づかないうちに低下してきています。そのことを示すように、肺炎による死亡者の96.5%を65歳以上が占めています。

 

65歳を過ぎたら肺炎予防を

呼吸器の機能や、粘膜のバリア機能、免疫力などは年齢とともに低下していきます。肺炎の多くは病原微生物の感染がきっかけとなって起こるため、日ごろから感染予防を心がけることが大切です。

 

手洗いうがいをこまめに行い、免疫力を高める食べ物を摂る、冷えを予防し、早めに就寝するなど、風邪予防に努めましょう。

 

まだまだ元気いっぱいの65歳。でも肺炎のリスクが高くなってきていることも頭の片隅に置いて、日ごろの生活を見直してみたいですね。

 

高齢者の死因上位~肺炎の基礎知識

各年代の死因のうち、65歳以上で増えてくるのが肺炎です。65歳から79歳までは肺炎が死因の第4位、80歳から90歳までは第3位、90歳以上では第2位です。

時に高齢者の命を奪う、怖い肺炎の特徴をまとめました。

 

症状

発熱・悪寒・全身の倦怠感・痰を伴う咳が肺炎の主な症状です。

しかし、これらは普通の風邪と見分けがつきにくく、特に高齢者は典型的な肺炎の症状が出にくいので、肺炎に気づくのが遅れがちです。

そのため、気付いたときには重症化していて、手遅れになってしまうケースも少なくありません。

風邪との見分け方は、38度以上の高熱、呼吸時の痛み、息切れ、激しい咳、痰の色が濃いなど微妙な症状の差です。

風邪のような症状が出たら、肺炎ではないか疑って様子を観察してください。 

 

肺炎のリスクが高い人

免疫力や体力が衰えている高齢者は、肺炎に感染しやすくなっています。さらに、次の項目に当てはまる高齢者は、肺炎リスクがより高くなります。

 ・持病がある(糖尿病・慢性閉塞性肺疾患・心不全・慢性腎不全・肝硬変など)

・喫煙者

・飲酒量が多い

・免疫抑制剤やステロイド薬など薬で免疫を押さえている

 

原因菌

一般的な肺炎の3割は、肺炎球菌が原因で起こります。

ほかにはマイコプラズマ・クラミジア・緑膿菌・黄色ブドウ球菌も原因菌です。インフルエンザや風邪から肺炎を発症しやすいのは、のどや気道の粘膜が傷み、これらの菌が侵入しやすい状態になるからです。

高齢者に特徴的な肺炎は、食べたものが気管に入ってしまうことで起きる誤嚥性肺炎です。

 

高齢者は肺炎リスクが高いという点に留意し、疑わしい症状が出たらすぐに受診することが重症化を防ぎます。

 

Photo by:http://www.ashinari.com/2009/02/04-013378.php

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-05-16掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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