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肺胞に溜まる肺サーファクタントによる呼吸障害、自然治癒することも?治療方法について

 肺胞タンパク症とは、肺胞の中に液状の蛋白様物質が溜まり、肺胞が呼吸による酸素を取り込むことを障害して、呼吸障害を引き起してしまう疾患です。なぜこのように肺胞を沈めてしまうほど、液体が溜まってしまうのでしょうか。この液体には本来、肺胞を保護するための肺サーファクタントというものがあり、本来なら過剰に分泌されたとしても分解されます。ですが、その分解機能がおかしくなると、肺胞に際限なく蓄積されるようになってしまいます。

 

●肺胞口内に溜まる蛋白質

肺胞タンパク症とは、呼吸によって体内に酸素を取り込むはずの肺胞内部に、リポ蛋白様物質が蓄積し、呼吸を阻害して呼吸困難にしてしまう疾患です。

 

●肺サーファクタント由来の貯留物質

肺胞に溜まるリポ蛋白様物質は、生体界面活性剤である肺サーファクタント由来のものであり、本来なら肺胞マクロファージによって分解除去される物質です。

 

●肺胞マクロファージの機能障害

肺胞タンパク症とは、この肺サーファクタント由来の貯留物質を分解するはずの、肺胞マクロファージが機能障害を起こすことによって、引き起されると考えられています。

 

●先天性と後天性

先天的に、この肺胞マクロファージの機能を損なっている先天性の疾患である場合と、後天的な要因で、肺胞マクロファージの機能障害が起こる場合があります。

 

▼特発性と続発性

後天的な肺胞タンパク症も特発性と続発性に分けられ、特発性は原因不明ですが、続発性は免疫異常をもたらす様々な疾患が原因となります。

 

この肺胞サーファクタントを分解するのが、肺胞マクロファージの役割であり、その機能が傷害する原因は先天性と後天性、特発性と続発性があり、原因がはっきりしているのは続発性の肺胞タンパク症のみです。免疫系の疾患から続発する可能性があるということを考慮し、疾患の予防に努めることが予防対策となるでしょう。

 

 

肺胞が徐々に埋め尽くされてしまう疾患!肺胞タンパク症によって進行していく呼吸障害

肺胞タンパク症とは、呼吸の際に酸素を取り込む肺胞が、肺サーファクタント由来の蛋白様物質に、徐々に埋め尽くされてしまう疾患です。

肺胞内部に蛋白様物質が溜まっていくほどに、肺胞が酸素を取り込めなくなり、呼吸障害は徐々に進行していきます。

さらにそれだけではなく、周囲の大気を取り込む肺胞に、液状の物質が溜まっている状況は、大気の細菌が感染しやすい易感染性をも引き起すのです。

 

●徐々に低下する呼吸機能

肺胞タンパク症の症状は、肺胞にリポ蛋白様物質が蓄積し、肺胞内部を満たすことで呼吸機能を低下させる呼吸障害です。

 

1.肺胞に溜まる肺サーファクタント蛋白

肺胞に溜まる貯留物質は、肺サーファクタント蛋白というものであり、この物質が貯留し満たされた肺胞は拘束性の呼吸障害を伴います。

 

2.肺胞内の液体貯留による感染リスク

肺胞内に溜まる貯留物質は液状であり、液体で満たされた肺胞は通常よりも細菌に感染しやすくなり、感染症を引き起しやすい状態となります。

 

3.感染症を合併し呼吸障害悪化

肺胞という肺の内部の器官が細菌に感染してしまえば、当然呼吸障害はさらに悪化することになるでしょう。

 

4.呼吸不全

肺胞タンパク症自体の呼吸障害に加えて、感染症による肺機能等へのダメージも加わることで、完全な呼吸不全となる可能性も考えられます。

 

 

肺胞タンパク症自体の呼吸障害も深刻なものですが、よほど重傷でなければ肺胞タンパク症となっている肺胞は、数ある肺の肺胞の一部分にとどまっています。それよりも深刻なのが、易感染性による肺感染症のリスク上昇です。

肺炎など肺に直接細菌が感染する疾患の危険性は、時には命に関わるでしょう。

肺胞タンパク症に感染した場合は、さらなる細菌感染症になることに注意しなければなりません。

 

 

肺胞タンパク症治療には肺洗浄!サーファクタント除去が治療の根本!

最近、少し体を動かしただけで息切れがするようになった、咳や痰が出るようになったというのは、ただの体力の低下ではなく、もしかしたら肺の疾患が原因かもしれません。

  

肺胞タンパク症という疾患

上記のような症状は様々な疾患で見られるものですが、その疾患の一つに肺胞タンパク症という疾患があります。この疾患は肺の中の肺胞という器官にトラブルが生じるもので、働き盛りの年代に多く見られるようです。

  

どんな治療をするの?

肺胞タンパク症を生じていても、約3割の人は症状が出ませんし、症状が出ても軽いものである人が多くいます。このような場合で、日常生活に支障がなければ定期的に経過観察をするにとどまり治療は必要としません。

しかし、息切れやそれに伴う症状で日常生活に支障が出てくるのならば治療をする必要があります。

  

サーファクタント除去

肺胞タンパク症は肺の中の肺胞という器官に、本来呼吸を助けるはずのサーファクタントという物質が過剰に溜まってしまうことによって起こるものです。

そのためこのサーファクタントを除去することが治療の根本になり、その方法には以下の2通りがあります。

 

全肺洗浄

…肺を生理食塩水で満たし、食塩水と充満しているサーファクタントを混ぜ、その液を回収することでサーファクタントを減らす方法です。

 

反復区域洗浄

…片方の肺の一部を気管支内視鏡を使って、数回に分けて洗浄する方法です。

洗浄の効果としては全肺洗浄には劣る為、基本的には全肺洗浄の方法を選択し、その方法がとれない場合に反射区域洗浄を行うという具合のようです。

 

見られる症状はよくあるものですが、放っておくと感染症にかかりやすい状態になる傾向もありますので、積極的に治療することが望まれます。

 

 

呼吸不全や感染症になりやすくなる肺胞タンパク症!自然治癒することも?治療方法について

肺胞タンパク症は、肺胞の機能障害による呼吸不全だけでなく、感染症になりやすい易感染性を引き起す難病ですが、実は自然治癒することもできる疾患なのです。

二、三割ですが、たとえ放置していても自然治癒する患者は存在することもありますが、早期に発見して早期に肺胞を洗浄し、完璧に治療することが望ましい疾患です。

 

●二、三割が自然治癒する

肺胞タンパク症は発症したとしても、二割から三割が自然治癒する疾患です。

そもそも、肺胞内に液状の貯留物質が溜まること自体、その物質を分解する機能が低下した一時的なものであり、分解機能が取り戻されれば自然に治癒することになります。

 

▼自然治癒せず重症化

しかし、肺胞タンパク症が重症化し、肺胞が完全に貯留物質に占拠される様では、分解機能を取り戻せる可能性は低くなり、治療による機能回復が必要となります。

 

●肺胞を洗浄する治療

肺胞を洗浄し、その機能を覆い尽くしている貯留物質を取り除く、ことが肺胞タンパク症の治療法となります。

肺の内部を外から洗浄するのですから、患者にも大きな負担が掛かるため全身麻酔もしくは局所麻酔が必須の治療法です。

 

現在確定している肺胞タンパク症の治療法である肺胞洗浄は、患者への身体の負担も少なくないことからも敬遠されがちですが、肺胞タンパク症の易感染性のことを考えと、身体の負担を覚悟してでも早期に治療すべき疾患だと考えられます。

もちろん自然治癒の可能性があるならば、身体に負担の掛かる治療を早期に勧めることは難しいのですが、易感染性のリスクも含めて、きちんと医師と話し合うことが大切です。

 

 

現在治験中!肺胞タンパク症の新しい治療法「GM-CMF投与」とは何?

現在、肺胞タンパク症の治療として、肺胞を洗浄し肺胞内部の蛋白様物質を除去する肺胞洗浄療法があります。

しかし、肺胞洗浄療法は全身麻酔か肺の局所麻酔といった、患者の身体への負担が大きい治療法であることも事実です。

現在治験中ではありますが、肺胞タンパク症の原因を解消する、GM-CMF投与という新たな治療法が研究開発されています。

 

■GM-CSF投与

「「●類粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF)

多能性造血幹細胞の分化を促すサイトカインの一種であり、肺胞マクロファージの成熟に大きく関わる因子です。

肺胞タンパク症は、このGM-CSFの欠乏もしくはGM-CSFの自己抗体ができることが原因だと考えられています。

 

1.GM-CSFの欠乏、自己抗体の発生

GM-CSFが欠乏するか、自己抗体が発生することで十分に機能が発揮されず、肺胞マクロファージの成熟に深刻な障害が発生します。

 

2.肺胞マクロファージの機能障害

肺胞マクロファージは、肺胞内から余分な肺サーファクタントを除去する役割を持っており、その機能障害により未分解の肺サーファクタントが増加することになるのです。

 

3.肺胞タンパク症に

除去されず肺胞を満たした肺サーファクタントによって、肺胞の呼吸機能を傷害します。

 

●不足するGM-CSFを投与

つまり、その不足するGM-CSFを外部から投与することで、肺胞タンパク症の症状を緩和、治療できることが期待できます。

 

※治験進行中の治療法

ただし、このGM-CSF投与の治療法は、現在治験が進行中の未確立の治療法です。

確立した治療法である肺胞洗浄療法が現在使用されています。

 

このGM-CMF投与が治験をクリアし、実用化されることになれば、麻酔も必要なくなり、患者に負担をかけずに肺胞タンパク症を治すことが可能となるでしょう。

(Photo by: http://www.photo-ac.com/main/detail/698)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-03-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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