ガン・悪性腫瘍
女性特有のがん「子宮頸がん」、男性は注意!前立腺がんを知っておこう!喫煙者は2~4倍「膀胱癌」!
女性の病気で子宮頸がんは、20-30代の女性が発症するがんの中では、第一位となっている病気です。子宮の入り口付近である子宮頸部にできることから、子宮頸がんと呼ばれています。
子宮頸がんになった場合には、子宮や子宮の周りの臓器を摘出する必要があることから、妊娠や出産はもとより、仕事やその後の生活に影響する可能性がありますので、ここで基本的な点をしっかり理解しましょう。
子宮頸がんの原因
子宮頸がんの原因としては、性交を通じたヒト乳頭腫ウィルスの感染が誘因ということが明らかになっています。ヒト乳頭腫ウィルスに感染しても、約9割は自然治癒しますし、残りの1割においても多くは子宮頸がんにまで発達せずに消失するといわれています。その中で、高リスクのヒト乳頭腫ウィルスにより高度の異形成がみられ、持続的な感染が見られる場合に、子宮頸がんの可能性が高くなります。
子宮頸がんは性交との関連が強いとされています。また、妊娠・出産回数が多い人、初体験の年齢が若い人、性行為の相手が複数いる人などがリスクが高くなるといわれています。
子宮頸がんの症状
子宮頸がんの症状として、早期のステージでは特に症状がみられないという点があります。がんが進行していくと、性交後の出血、おりものなどの症状がみられますが、他の場合でも同様の症状が見られることもあるので、やはり検診を受けて明らかにするほうが良いでしょう。
最後に
上記で述べたように、子宮頸がんは最初の段階では無症状なことが多く、気付きにくい病気なので検診が不可欠といえるでしょう。検診は痛みもなく短時間ですみますので、できるだけ1年に1回は受診することをおすすめします。
女性特有のがん「子宮頸がん」知っておこう!子宮頸がんとはどのような病気?発症と治療法
がんの中で、女性特有のがんとして、子宮頸がんがあります。子宮頸がんは、遺伝などには関係なく、性交経験がある女性ならば誰でもかかる可能性のある病気です。女性特有のがんの中では、乳がんの次に発症率が高いがんで、全世界では毎年25万人を超える女性が子宮頸がんによって亡くなっています。子宮がんと異なり、20-30代の若い女性が罹患する率が高いことも特徴的です。
子宮頸がんの発症
子宮頸がんは初期時点では無症状の場合が多く、不正出血やおりものの増加が見られるころにはすでにがんが進行している、という場合も少なくはありません。他にも、進行した子宮頸がんの症状には、性交時の出血や下腹部や腰の痛みが生じる場合もあります。
子宮頸がんが進行してしまうと、子宮をすべて摘出しなければならない可能性もあります。その場合は、妊娠・出産に大きな影響を与えることとなります。さらに、がんが周囲の臓器にも転移すると命にかかわる場合があるので、注意が必要です。
子宮頸がんの治療法
子宮頸がんの治療方法には、主に放射線治療、手術による治療、そして抗がん剤による化学療法があります。これらの治療法は患者の状態に応じて、最適の治療方法をお医者さんと話しあいながら決めていくこととなります。
初期の子宮頸がんに対する治療
初期の子宮頸がんに対する治療の場合は、子宮頸部の患部をレーザーや電気メスなどで切り取る手術で、この場合は子宮を摘出することはないため、妊娠・出産は可能です。
最後に
子宮頸がんは発症当初は、症状がなく、なかなか発見することが難しいのですが、初期の子宮頸がんの治療であれば、子宮を摘出することもないため、妊娠・出産は可能です。子宮頸がんに対する早期発見・早期治療は大変重要です。
喫煙者は2~4倍「膀胱癌」になりやすい!血尿が出たら要注意
比較的、性質のよい表在癌がほとんど
膀胱癌は、泌尿器系の癌のなかでは前立腺癌に次いで頻度の高いものですが、癌全体でみればそれほど多くはありません。
年間約1万8000人が膀胱癌になり、6500人近くが亡くなっていますが、比較的予後の良い癌です。
3:1で男性に多く、40歳くらいから発生率が高くなります。
膀胱内部は移行上皮と呼ばれる粘膜におおわれ、この粘膜に発生する移行上皮癌がほとんどです。
移行上皮癌は表在癌(乳頭癌)、浸潤癌(非乳頭癌)、上皮内癌の三つに大別されます。
悪性度とは関係ありませんが、膀胱癌は膀胱内に二個以上多発する傾向があります。
さらに、膀胱癌を発症した場合、同じ移行上皮でおおわれている尿管や腎盂にも癌ができているおそれがあります。
喫煙者は2~4倍膀胱癌になりやすい
膀胱癌を発生させることで知られている染料などの発がん物質は、現在ではほとんど製造中止になっています。
危険因子の筆頭はたばこで、喫煙者の膀胱癌の発生率は非喫煙者の2~4倍にもなっています。
精神安定剤のクロルプマジン、抗ガン薬のシクロホスファミド、解熱鎮痛薬のフェナセチンなどによって、膀胱癌が誘発されると言われています。
また、長期に膀胱結石をもっていると、その慢性的な刺激によって、まれに膀胱癌が発生することがあります。
無痛の血尿を繰り返しながら癌が進行していく
ごく初期は無症状で、そのうち痛みのない血尿が出ます。
血尿が止まったりあらわれたりを数ヶ月~数年繰り返しながら、徐々に癌が進行していきます。
悪性度の高い上皮内癌や浸潤癌では、初期症状として排尿病や下腹部痛がみられることもあります。
病気が進むと、排尿障害(尿が出にくい、残尿感、頻尿など)が起こります。
放置すると、血尿がおさまりにくくなり、水腎症(腎臓に尿がたまってはれる)や腎盂炎を併発することもあります。
さらに骨盤のリンパ節や両側の尿管、後腹膜リンパ節に転移すると、下肢病や尿管閉塞による尿毒症をまねき、腰痛や頭痛、嘔吐などの症状があらわれます。
治療
治療の中心は手術で、表在癌には内視鏡による手術、浸潤癌には開腹手術(外科療法)が行われます。
●内視鏡的療法
表在癌では、尿道から膀胱鏡を挿入して高周波電流で病巣部を切除する経尿道的腫瘍切除術に、結核ワクチンのBCGを膀胱内に注入するBCG膀胱内注入療法を併用するのが標準治療となっています。
身体的な負担が少ない根治療法です。
●外科療法
浸潤癌の場合は膀胱全摘除術が最善です。
開腹して膀胱の全部、前立腺と精嚢(女性の場合は子宮)、骨盤内のリンパ節を摘出します。また、尿道を摘出することがあります。
かつては、膀胱の一部を摘出する膀胱部分切除術が行われていましたが、術後の再発や転移が多い為、最近ではほとんど行われません。
膀胱を全部摘出したときは新たな尿路として腹部に排尿口(尿路系ストーマ)をつくる尿路変更(変向)術が施されます。
代表的な方法は、回腸導管造設術・導尿型新膀胱造設術(代用膀胱形成術)・自排尿型新膀胱造設術(代用膀胱形成術)です。
他に、切断された尿管を腹部の皮膚に直接吻合する尿管皮膚造瘻術、尿管をS状結腸につなぐ尿管S状結腸吻合術があります。
尿路変更術を受けた場合は、退院までにストーマのケアについて病院から指導があります。
自分で処理できるよう、慣れておきましょう。
前立腺がんの腫瘍マーカー『PSA』、異常値でも60%はがんではない?
前立腺がんの腫瘍マーカーとして『PSA』があります。PSAは前立腺がんが生じると通常の約2倍に増加し反応性が高いことから、腫瘍マーカーの中では早期発見に非常に有用と言われています。
しかし一方で、前立腺の肥大面積にも応じて値が増加するため、前立腺肥大症などの疾患にも同様に反応し、受診者への精神的負担を増加させることやリスクの高い不要な追加検査を受けさせることが問題として指摘されています。PSA異常値の約60%は以上無しである可能性があるそうです。これらのことを総合すると、PSAは受けるべきといえるのでしょうか?
PSA異常値、前立腺がんではない確率は60~70%
PSAは、その漏出量が増えるにつれ前立腺がんであるリスクが高くなるといえます。基準値については4.0ng/ml以下は正常とされています。
■4.1~10ng/ml
「グレーゾーン」で、がんの危険性は20~30%
■10.1ng/ml以上
がんの可能性が強く、危険性は50%
⇒マーカーの上昇は、がん以外の「前立腺肥大症や前立腺炎」でも起こることがあるため、異常値が出ても、前立腺がんではない確率は60~70%とされています(逆に、PSA値が上昇しない前立腺がんも2~3%程度存在するとされている)。
■異常値(高値)である場合に疑われる疾患
【前立腺がん・前立腺肥大症・急性前立腺炎】の3つ
PSAの後の検査に伴うリスクとは?
PSA値が高い場合に必要となる確定診断(前立腺に針を刺す生検)で出血や炎症などの副作用が生じる可能性があります。また仮に前立腺がんを発見できたとしても、治療が不要ながん(転移せず、自然消滅する可能性が高い)である場合があり、これを積極的に治療した場合、後遺症として尿失禁や性機能障害などが生じる可能性もあるとされています。
PSAの後の追加検査を受けるか、検討しておくことが重要
PSAに増加が見られたからと言って前立腺がん発見に必ずしも結びつくわけではなく、また、前立腺がんの多くは悪性度が低いことから、検査による合併症のリスクの方が危険であると述べる医師もいます。しかし、現時点ではPSA以外に前立腺がんの兆候を手軽に把握できる検査が無く、正しい使い方としてはこれらのデメリットを知った上で受診することであると述べられています。
前立腺がんの検査『前立腺生検』合併症のリスクとは?
『前立腺生検』は前立腺がんの確定検査です。複数の針を前立腺に刺して組織採取し、がん細胞の有無とその悪性度、大きさを調べるというものですが、これによって感染症・前立腺炎が生じるというリスクがあります。
では、そのリスクとは約何%程度で発生するものなのでしょうか?以下では、生検の全体的な流れと共に見て行きたいと思います。
前立腺生検によって入院が必要になる合併症は1%以下の確率で発生
前立腺に複数の針を刺す検査であるため、出血やそれに伴う軽度の合併症はしばしば起こる可能性があります。ただ、入院が必要な合併症は1%以下の確率で起こることも報告されています。
■生検による軽度の合併症(治療は不要)
・直腸出血(便に血が混じる)
・血精液症(精液に血が混じる)
・血尿など
■中度の合併症(約0.6%)
・前立腺炎
・熱発
■重度の合併症(極稀)
・脳卒中
・心筋梗塞
・肺塞栓症など
前立腺生検の流れ
1)準備
検査着に着替えて、台に仰向けに寝る(心電図計などの装着)。その後、抗菌剤の点滴を行い、両足を広げた体位を取ります。陰嚢をテープで拳上し固定します。
2)前立腺の体積の測定(超音波検査)
肛門から直径2㎝の超音波プローブという管を挿入し、前立腺の様子の観察・体積の測定を行います。
3)局所麻酔
会陰部を十分に消毒し、穿刺する場所(陰嚢と肛門の間の皮膚)と前立腺先端周囲に麻酔を行います。
5)経会陰式前立腺生検
局所麻酔が十分効いたことを確認し、会陰部におおよそ8か所~14か所程度に針を刺し、組織の採取を行います。
6)経直腸生検
また、生検を2種類実施しているクリニックの場合は、この後続いて直腸生検に移ります。超音波のプローブを入れかえて6か所に穿刺して組織を採取します。
7)出血の確認
尿道・肛門から出血していないか確認した後、ひどい出血がなければ検査は終了になります。
最後に
生検は、PSAで異常値・直腸診で問題が見られれば実施することなるのですが、「異常値が出ても60%程度の確率で前立腺がんでない場合がある」と言われており、不要な生検実施とその合併症リスクを問題として指摘する医師もいます。ただ全く腫瘍マーカーを受けなければ問題となることから、これらのデメリットを知った上で使うことが必要といえそうです。
(引用・参考ウェブサイト:きつかわクリニック、東京医科歯科大学大学院)
(Photo by:http://www.ashinari.com/2013/01/15-375107.php?category=20)
著者: カラダノート編集部