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介護・認知症

アルツハイマー病の治療薬として期待される最新研究3例とは?

 

アルツハイマー病の治療研究は進歩している

 

1907年に、アルツハイマー病が発見されて以来、その発症の原因として脳神経細胞の変性(リン酸化タウ蛋白やアミロイドβ蛋白の沈着)や死滅、また活性酸素や糖尿病との関連性など様々な要因が報告されてきましたが、現在においても未だアルツハイマー病の治療薬は、『ドネペジル』などに代表されるようにアセチルコリン(神経伝達物質)の分解を防ぐ薬が主流で、長期的に病状の進行を抑えるような根本治療薬は存在していません。しかし一方で新たな治療法に繋がる可能性があるとして期待される以下の3つの物質が、現在動物実験などの試験を経て、人への臨床試験が行われる段階まで進んでいるものもあります。

以下では、その注目される3つの物質についてご紹介したいと思います。
 

アルツハイマー病治療の最新研究報告3例とは?

 

◆同志社大学の舟本聡准教授らの研究チーム
『アミロイドβを生成させる酵素(γセクレターゼ)の抑制物質を開発』

 

<以前の問題点>
脳内アミロイドβの生成には、酵素γセクレターゼによるタンパク質分解作用が関係していることが以前から分かっていたが、今回同志社大学の研究チームによると、この酵素が体内の他の場所においても重要な役割を担っており、働きを阻害すると『皮膚がん』などの重大な副作用が発症する可能性が分かった。

⇒<今回の改善点>酵素の必要な働きは損なわず、アミロイドβ発生に関わるタンパク質(C99)のみの結合を阻害する物質の開発に成功。

 

<試験の結果>
マウスに、開発した物質を投与すると、脳内アミロイドβの生成が2割減少した、という報告がある。
今後は、『低分子化』により脳血流関門を通過しやすく設計し、高い効果を表せるよう研究が行われている。


◆東京工科大、応用生物学部の鈴木郁郎助教らの研究チーム
『アミロイドβから神経細胞を保護する成分(チモキノン)を発見』

 

◇『チモキノン』とは?
チモキノンとは、エジプトが原産国の植物『ニゲラサチバ(ブラッククミン)』の種子油に含まれる成分で、以前からアメリカの研究論文においてその抗酸化力に注目が集まっています。

 

<以前の問題>
1)実験において、アミロイドβのみが投与された場合、海馬や大脳皮質(アルツハイマー病の最重要領域である)において神経細胞の死滅が確認されていた。
チモキノンを同時に投与した結果、細胞死の抑制と活性酸素発生量の軽減、ミトコンドリア膜電位の減少などの細胞毒性を抑制する効果が確認された。

 

2)実験において、アミロイドβのみが投与された場合、脳内で情報伝達を行う『シナプス』の機能が50%程度まで半減した。
⇒チモキノンを同時に投与した結果、シナプスの機能は90%程度まで留まることを確認。

 
◆東京大学薬学部によって30年前に開発されたアルツハイマー治療薬に新たな段階
『レチノイド(タミバロテン)が臨床研究に入っている』

 

◇『タミバロテン』とは?
タミバロテンは、元々『急性前骨髄球性白血病(APL)』の治療薬として開発されたが、アルツハイマー病のアミロイドβの抑制にも効果的であることが分かった。

 

<動物実験の結果>
1)アルツハイマー病のモデルマウスにおいてアミロイドβの蓄積を抑える効果を示した。
2)自己免疫性の脳神経炎症モデルのマウス及びラットにおいて脳内の炎症を抑える効果を示した。
⇒現在は、小規模であるが臨床検査が行われており、今後は試験施設の増加と症例の集積、また新たな構造のレチノイド合成を継続する。


最後に


アミロイドβの蓄積からアルツハイマー病の発症までには20年ほどのタイムラグがある(健康な状態でも、すでに脳の中で病気の進行が始まっている可能性がある)と言われています。発症後にアミロイドβを除去するような治療を行っても、神経細胞の死滅は抑制できなかったという報告もあり、早期からの対策が必須とされています。今後も継続して、新たな研究の動きに注目していきたいと思います。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E3%83%8B%E3%82%B2%E3%83%A9-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%AF%E3%83%9F%E3%83%B3-%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB-%E5%9B%BA%E5%AE%9A%E6%B2%B9-216510/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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