女性のカラダの悩み
外陰部が癒着する前に!萎縮性膣炎の治療~
閉経後に、おりものの異常や陰部のかゆみと言った症状が出た場合、もう妊娠することがないからと言って、それをそのまま放っておいてはいけません。
この状態を放っておくと外陰部が癒着してしまうような重大な症状になってしまうかもしれません。
まずは診察・検査で
女性ホルモンは高齢になれば分泌量が減っていくものですから、それでも何の症状も見られないのであれば問題ありません。
しかし、おりもの異常や陰部の違和感などの症状が見られるのであれば、治療をする必要があります。
まずは診察で萎縮性膣炎の症状である膣粘膜の萎縮を確認し、点状出血の有無を確認します。萎縮性膣炎の場合特に点状出血が特徴になります。
そして検査でがん細胞の有無を確認します。萎縮性膣炎では黄色のおりものが症状として出ますが、この症状は子宮体がんの症状としても見られる症状だからです。
女性ホルモンを補充する
萎縮性膣炎は女性ホルモンが減少することによって、膣の防衛本能が低下し、細菌や微生物が繁殖してしまうことによって炎症が起こります。女性ホルモンの減少に伴って膣自体も萎縮してしまいまい、様々な症状が見られます。
そのため女性ホルモンであるエストロゲンを経口剤や貼付剤などによって女性ホルモンを補充します。これが萎縮性膣炎の治療の中心的な治療法になります。
漢方薬でもこの効果が期待できるものがあるようです。
陰部の灼熱感やかゆみ、おりものがあるとき、炎症を鎮めてくれるのが瀉火利湿顆粒と言う漢方薬です。これは清熱解毒作用があり、身体に生じている炎症を改善してくれます。
粘膜に潤いを与えて保護してくれる効果があり、損傷した細胞を修復してくれる効果もありますので、あらわれている症状と同時に根本的な原因にも働きかけることができます。
膣坐薬
エストロゲンを局所投与するときに一般的に選択されるのがこの薬です。この薬を処方して数日から2週間程度で症状が軽くなるのですが、外陰部の癒着などといった重症な症状が見られているケースでは1ヶ月以上治療に時間がかかることがあります。また、外陰部が癒着している場合は薬の挿入が困難になりますので、人によっては挿入時に痛みや違和感を生じることもあります。
市販薬であるバストミンやヒメロスといった女性ホルモンの塗り薬が使用されることもあります。
バストミンの場合、膣内にぬらなくても外陰部にぬることで効果を得ることができますし、外陰部が癒着してしまっているケースでも使用することができます。
クリーム剤なので違和感なく使用できるのも特徴です。指定第二類医薬品ですが、医師も臨床の場で使用することがありますし、安全性も高いようです。臨床研究の結果では使用開始から約1ヶ月で軽快していくようです。
ヒメロスの場合、膣内に直接塗って使用します。そのためより直接的な作用が期待できます。使用する際、塗布部には独特の熱感がありますが、重篤な副作用の報告はないようです。
かゆみ症状などに
萎縮性膣炎で生じる症状として、かゆみなどがあります。かゆみはそのままにしておくと、かきこわしてしまって他の疾患を併発することにもなりかねませんので、かゆみ止めなどの薬を使用します。
使用する薬は状態によって他にもありますが、萎縮性膣炎の基本的な治療と考えると女性ホルモンを増やすことと、あらわれている症状を抑えることの2つが大筋としてあり、この大筋に沿って治療が進められます。
性交痛には潤滑ゼリー
萎縮性膣炎では膣が炎症を起こすことによって、性交時に痛みが生じることがあります。その場合には潤滑ゼリーを利用して痛みを和らげます。
膣内を殺菌するためには
萎縮性膣炎を生じている膣内は細菌や微生物が繁殖して炎症を起こしています。そのため、膣内の細菌を殺すために抗生物質の入った膣剤を使用したり、膣洗浄をして悪玉菌を洗い流す方法があります。
女性特有の病歴がある人などはまた別の治療法を選択する必要も出てきますので、乳がんや子宮体がんなどの病気にかかったことがある人は医師に必ず伝えましょう。
(Photo by: [http://www.ashinari.com/2011/08/29-349548.php?category=393])
著者: カラダノート編集部