カラダノートみんなの役立つ予防法や対処法
  1. カラダノートTOP >
  2. 介護・認知症 >
  3. 認知症 >
  4. アルツハイマー >
  5. 原因 >
  6. 『認知症とアルミニウムの摂取には関係がある』の真偽は?

介護・認知症

『認知症とアルミニウムの摂取には関係がある』の真偽は?

 

現在では、『認知症とアルミニウム』の関連性は否定されている

 

1970年代に、薬剤中にアルミニウムが含有されていた透析患者に認知症が発症したことから、『アルミニウムと認知症』の関連性が示唆されるようになり、また、飲料水中のアルミニウム濃度が高い地域においてアルツハイマー病の発症率が高い、との疫学調査結果が出たことで、さらにこの説が強調されるようになりました。一方で、現在では国内の国立健康・栄養研究所やその他各国の公的機関からもこれらの関連性は否定されています

 

さて、どちらの説が正しいのでしょうか?

以下では、過去の事例と、現在の主張されている論についてご紹介していきたいと思います。

 

アルミニウムは体内でどのように代謝される?

アルミニウムは、食品や医薬品、飲料水などにも微量に含まれていますが、通常これらは99%以上が排出され、残りの0.1%程度が体内吸収されると考えられています。体内吸収されたアルミニウムは、トランスフェリン受容体を介して細胞内に取り込まれ、脳内にも同様に移行すると考えられます。しかし、この吸収率は体内pHなどにも影響され、例としては、レモンなどに含まれる『クエン酸』が存在すると、体内吸収率は最大1%にまで上昇するといわれています。

 

<許容摂取量は?>
2mg/kg体重/週とされており、体重50kgの人で14mg/日となります。

(※但し、腎機能障害がある場合や乳児などは、体内蓄積しやすい)

 

過去と現在の見解の比較

 冒頭に述べたように、過去にはアルミニウムと認知症発症に関連性があるという指摘がありました。

<過去の見解>
アルツハイマー病で死亡した患者の脳病変部位にアルミニウムが蓄積
◆疫学調査において、アルミニウム濃度が高い飲料水の地域でアルツハイマー病の発症リスクが高い 
長期間の血液透析を行っていた患者において致命的なアルミニウム中毒が発症
アルツハイマー病患者の摂取物含アルミニウムのベーキングパウダーを使用した料理が多い

 

上記の説を否定する見解としては、
『新たな調査による関連性の否定、過去の調査の不備の指摘』があります。


<現在の見解>
現在では以下の事が分かっています。
◆一般的な食品によるアルミニウム摂取量は12~14mg程度である
5年間の追跡調査により制酸薬(含アルミニウム)とアルツハイマーのリスクは無関係であったという報告
◆人で見られるアルツハイマー病とアルミニウムの関連性を明らかにした科学的根拠は見当らない 
関連性を指示する疫学データの多くが、関連因子や人体の総アルミニウム摂取量の考慮が行われていない研究である

 

 

アルミニウム調理器具からの溶出量は、食品からよりも少ない 

『アルミ製の調理器具を使用しているとアルツハイマー病になりやすい』といった噂を聞かれたことがあるかもしれませんが、こちらも以下の理由によって否定されています。

 

【アルミニウム器具からの食物への溶出はわずかである】
ドイツ連邦リスク評価研究所によると、市販アルミニウム製品からのアルミニウム摂取量は、食品や制酸剤から摂取するアルミニウム量よりも明らかに少ないと示されています。


◆加熱調理をすべてアルミ製鍋でおこなった場合の溶出量
調理器具から1.68mg、アルミ箔製品から0.01mg、飲料缶0.02mg
◆酸や食塩濃度が高い場合の溶出量(全ての容器がアルミの場合)
6mg/日程度(許容摂取量は、上記参照)

 

(※但し、アルミニウムは酸性条件下で溶解性が高くなるため、酸や塩濃度の高い食品(トマトピューレなど)にはアルミ製の容器、ホイルを使用しないことが勧められています。)

 

<まとめ>

アルミ製調理器具から溶け出すアルミニウム量は食品に比べるとわずかである。
ドイツ連邦リスク評価研究所によると、『食品や水、医薬品、化粧品などからアルミニウム摂取が増えることと、アルツハイマー病に因果関係はない』としている。
アルツハイマー病患者の脳にアルミ沈着は見られるが、日常的に大量摂取している者(制酸剤投与患者、アルミ関係作業者等)に多発しているわけではない。


⇒日常生活において過度に心配する必要はないと言える。

 

最後に

 

国立健康・栄養研究所のサイトなどでは、「アルミニウムとの関連を現時点で完全に否定することはできませんが…」という言い回しが使われていることから、メディアなどではやはり危険性が指摘される場合もあります。

しかし、専門家の話によれば、これまで他の疫学データなどの傾向から、関連性の割合を算出することは可能であり、また人体の代謝に関連する膨大な物質や因子を含めて関連性がないと実証するのは不可能であり、言い切ることは出来ないが、可能性はきわめて低いと締められてました。これらによっても、やはり不安が残る場合は、上記のように酸や塩分濃度の高い調理にはアルミを使用しないなどの対策が必要であるようです。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3-%E9%9B%A2%E4%B9%B3%E9%A3%9F-%E8%AA%BF%E7%90%86%E9%8D%8B-%E8%AA%BF%E7%90%86%E3%81%99%E3%82%8B-124441/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-04掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

原因に関する記事

10代でもアルツハイマーになる!?若年性アルツハイマー病

      老人に多いとされてきた『アルツハイマー病』ですが、近年では18歳から...

認知症は遺伝なの?

家族が認知症となると、それ自体の心配に加えて遺伝の可能性を不安に訴える人が多くい...


認知症患者の心に寄り添う~徘徊の種類と原因

  認知症の高齢者のうち、20%の人に起こるという徘徊は、近所を歩き回る、...

実はあった!アルツハイマー型認知症になりやすい病気!

   アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも最も多く、軽度の記憶障害から...

カラダノートひろば

原因の関連カテゴリ

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る