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息が苦しくなる肺胞たんぱく症、その原因・症状にはどんなものがある?自覚症状は?

 皆さんは肺胞たんぱく症という病気をご存知でしょうか?

肺胞たんぱく症とは、気管支の末端に連なっているブドウ状の肺胞と呼ばれる箇所に、肺サーファクタント(表面活性物質)というタンパク質が貯留することで、肺のガス交換が阻害されてしまう疾患になります。

 

ですから、動作時や軽い運動の際に生じる息切れや、咳などを自覚してから病院を受診される方が多いです。

しかし、健診などで早期に発見された場合には、上記のような自覚症状が見られない場合もあります。また、肺胞たんぱく症は30~50歳の健康な男女に特発的に発症します。

 

このような肺胞たんぱく症ですが、発症してしまってからどのような予後を迎えるのでしょうか?こちらで簡単にまとめました。

  

◆肺胞たんぱく症の予後とは

肺胞たんぱく症では、治療を受けなくても最大10%の患者さんは自然と快方に向かい、治ってしまいます。また、全肺洗浄という治療を1回受けた場合には、最大40%の患者さんに治療効果が現れます。

 

上記以外の患者さんの場合には、6~12ヶ月ごとの長年に渡る洗浄が必要となります。5年生存率は約80%です。というのも、最も一般的だと言われている死因が呼吸不全とされており、診断から1年以内に生じるのが典型的です。

 

また、マクロファージ機能障害のためにマイコバクテリアやノカルジア等による細菌性ならびにアスペルギルス、クリプトコッカス、および他の日和見真菌等による微生物の続発性肺感染症が発生することがあります。これらの感染症を発症した場合には治療が必要となります。

  

肺胞たんぱく症に伴い感染症を発症してしまうと、命に関わってくることもあります。ですから、今までは感じなかった動作時の息切れや、原因がわからない咳などの症状を自覚したらすぐに病院を受診するようにしてくださいね。

 

 

特別な症状がなくて分かりにくい肺胞タンパク症…一体どんな症状があるの?

呼吸をすることは人間が生命活動をする上で欠かせません。なぜかと言えば、人は呼吸によって酸素を体の中に取り込み、体の中で発生した不要な二酸化炭素を排出しているからです。

これによって命をつないでいる各細胞が正しく動けているのです。

 

 

肺に生じるまれな病気に肺胞タンパク症という病気があります。肺は、肺胞という器官に取り入れた空気を巡らせ、そこで酸素と二酸化炭素の交換をします。

この肺胞は単体では正しく働くことができず、肺胞表面にサーファクタントという物質があることによって正しく働くことができています。

 

このサーファクタントの調整がうまくいかなくなると生じるのが肺胞タンパク症という病気です。

 

特別な症状が見られるわけではないが…

肺胞タンパク症では、特別な症状が見られるわけではありません。もっと言えば様々な病気で見られるような、ごく一般的な症状が多く見られますので、日頃の不調の延長の症状と考えてしまうことも十分にあります。

 

息切れ

…見られる症状で最も多いのは、軽く運動をしたときの息切れです。この息切れは進行性で、病気の進行に伴って、息切れ症状も進行していきます。これは血中の酸素濃度の低下を反映して起こるものです。

 

息切れに付随する症状

…息切れ症状の進行と共に見られるようになってくる症状があります。これは食欲減退や、これに伴う体重減少、疲れやすさ、倦怠感、発熱と言った症状です。息切れと共に咳が見られることもあります。

 

…息切れについて多く見られるのが痰ですが、多く見られると言ってもあまり一般的ではないようです。このときの痰は塊状、あるいは粘着性の痰を出すことがあります。

 

血液疾患に続いて見られる場合には、貧血とあわさることで息切れ症状が特に強く出ることもありますし、感染症に続いて見られる場合には発熱を伴うことが多くなります。

 

 

肺胞や気道は実は正常なまま?!肺胞タンパク症について知ろう!

肺胞タンパク症は呼吸障害を伴い、さらには易感染性によって呼吸器感染症を合併するため、肺胞や気道に大きな損傷を伴っている疾患だというイメージがあります。

しかし、結核などに感染して合併した場合を除いては、肺胞タンパク症自体は、肺胞や気道を損傷させることはありません。肺胞タンパク症で呼吸不全となっても、肺胞と気道は正常なまま維持されているのです。

 

●肺胞タンパク症の肺胞や気道の状態

気管支鏡を肺に挿入して肺の内部を検査すると、肺胞内部に蛋白様物質が充満していることが確認できますが、肺胞や気道の構造には何の異常も見られず、正常であることがほとんどです。

 

●呼吸障害の原因は肺胞の貯留物

肺胞タンパク症による呼吸障害、呼吸不全の原因は、この肺胞に充満している蛋白様物質、肺サーファクタント由来の貯留物質が原因であり、肺胞や気道の炎症や障害によるものではありません。

 

▼合併する感染症によっては新たな障害に

ただし、肺胞に貯留物質が充満している状態は、細菌などに感染しやすい状態でもあり、感染症を合併すれば、新たに肺胞や気道に炎症や障害が発生する場合も考えられます。その際には肺胞タンパク症とは別の治療が必要です。

 

 

この肺胞や気道の構造が正常なままである様子は、経気管支肺生検によって確認することができます。呼吸障害や呼吸不全の症状が現れているのに、気管支鏡で肺胞や気道の構造が正常なままであることが確認できたならば、肺胞タンパク症である可能性が高いと言えます。ただし、すでに易感染性によって感染症を合併していた場合は、肺胞や気道にも変化が生じている可能性があります。そのような場合でも、気管支鏡で肺胞内部に溜まった蛋白様物質の有無によって、肺胞タンパク症であることを確認できるでしょう。

 

 

3つの肺胞タンパク症…それぞれの原因とは?

肺胞タンパク症という疾患は、そのだいたいのメカニズムは知られていますが、原因がはっきりとわかっていません。しかしタイプによって3つにわけることができます。

 

自己免疫性(特発性)肺胞タンパク症

成人が生じる肺胞タンパク症の約9割がこのタイプです。とは言っても患者は100万人に6~10人ほどと少なく希少肺疾患と言われます。

肺胞タンパク症は、肺胞の中にサーファクタントという物質が過剰に溜まってしまうことによって起こります。

これは肺胞マクロファージというサーファクタントを調節している細胞の働きが悪くなることによって起こるものです。この肺胞マクロファージは血中の白血球が肺胞で変化して生まれるのですが、その際に必要になるのがGM-CSFという物質です。このGM-CSFは白血球が肺胞マクロファージへ変化することと、マクロファージがサーファクタントを処理することを促す働きを持っています。

しかし、自己免疫性肺胞タンパク症では何らかの理由でGM-CSFに対する抗体ができてしまい、GM-CSFの働きが鈍くなり、結果的にサーファクタントの処理が不十分になるために起こるのです。

 

続発性肺胞タンパク症

続発性は何らかの病気の結果に起こる肺胞タンパク症です。原因となる疾患には血液疾患、感染症、リジン尿性蛋白不耐症、ベーチェット病などで認められます。

これの他にも体の抵抗力が低下したときや、粉じんを大量かつ急速に吸い込んだときに生じる傾向があるもので、上記のGM-CSFに対する抗体とは関係なく生じます。続発性肺胞タンパク症は自己免疫性タンパク症よりもさらにまれなタイプです。

 

先天性肺胞タンパク症

先天的に遺伝子異常を抱えているために生じる肺胞タンパク症です。顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体β鎖とサーファクタント蛋白の一種の欠如が指摘されていますが、なぜ先天的にこうした異常が生じるのかは分かっていません。先天性肺胞タンパク症は新生児に起こることが多く、これも他の肺胞タンパク症と同様に非常にまれな疾患です。

 

タイプごとに治療方法も異なります。まずは肺胞タンパク症のタイプを特定することが重要です。

 

 

肺の肺胞内にタンパク質が溜まる「肺胞たんぱく症」その自覚症状について

肺胞たんぱく症とは、気管支の末端に連なるブドウ状の形をした肺胞内に、タンパク質が溜まることで生じる病気になります。

この病気を発症したとしても、症状がみられない場合も少なくはありませんが、ほとんどの患者さんが自覚症状によって受診されることが多いです。ではその自覚症状とはどんなものなのか、こちらで簡単にまとめました。

  

◆肺胞たんぱく症における自覚症状とは?

・息切れ

最も多く見られる最初の症状としては、軽い運動時の息切れになります。前はなんともなかった坂道や階段歩行、肉体労働を行った際に、すぐに息が苦しくなることで体の不調に気付く患者さんが多いようです。

これらの息切れなどの症状は、血中の酸素濃度の低下を反映していると考えられています。

 

息切れが進行してしまうと食欲をなくしてしまうことから、時には体重が減少してしまうこともあります。

  

・咳

息切れの次に多く見られる症状は咳になります。

 

ただし、以上で挙げたようなこれらの症状は、どのような肺の病気でも多かれ少なかれ見受けられるものになります。ですから、これらの症状だけで肺胞たんぱく症を疑うことは出来ません。

ですが、肺胞たんぱく症では、稀にこれらの症状に加え、発熱(高くても38度ほど)が見られることもあります。

 

血液疾患に続発する場合には、貧血が原因となり息切れが特に強く出ることがあります。また、感染症に続発する場合には、発熱を伴うことが多くなります。

ですが、健診などで早期に病気が発見された場合には、症状を伴っていない場合が約30%ありますからご注意下さい。

 

息切れや咳などは、肺胞たんぱく症だけでなく様々な肺の疾患の初期症状ですから、これらのような異変を感じた際には直ちに病院を受診するようにしてくださいね。

(イラスト by: [http://www.irasutoya.com/2013/08/blog-post_868.html])

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-03-29掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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