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ガン・悪性腫瘍

『深夜業やシフト勤務』『昼夜逆転生活』が発癌リスクを高める!

 

概日リズムが破綻すると、発がん率が大きく上昇する?

 

近年、京都大学と米テキサス大学との共同研究により、『概日リズムの破綻と発がんの関係性』が明らかになったと言う報告がありました。(がん修復遺伝子:p53の変異と、生体リズム調整遺伝子:Period2の関係性について)。概日リズムの破綻は、性腺に関わるがんの発症(乳がん、子宮頚がん、前立腺がん)に深く関わっていると言われており、『シフト勤務』など不規則な生活リズムとなっている人の発がんの可能性が指摘されています。以下ではその詳細について見て行きたいと思います。

 

概日リズムを形成するメカニズムとは?

 

人には『概日リズム』という24時間より少し長い体内時計が備わっており、外界の24時間との調整は、網膜からの光刺激によって行われるとされています。朝に強い光を浴びれば体内時計を早め、夜の強い光は体内時計を遅らせると言われています。脳内の松果体では『メラトニン』という物質が分泌されており、これが睡眠作用を示します。

 

<メラトニンとは?> 
メラトニンは、脳内の松果体において生合成されるホルモンで、松果体に存在する酵素によって体内セロトニンがメラトニンに生合成されます。メラトニンは、色素細胞や女性生殖腺に抑制的に働くホルモンであり、暗環境で増加し、明環境で減少します。

(※性ホルモン(エストロゲン、テストステロン)の分泌増加は発がん率を上昇させる。)

 

窓のない密室内などの昼夜の区別のない環境でも、体内時計からの神経出力によって夜間は高く、昼間低いという日内変動は続きます。逆に、強い照明(1000ルクス、コンビニの店内など)を浴びれば、夜間であってもメラトニン分泌量は低下します。

 

交替勤務制、深夜勤務による発がんの確率は?

 

2007年12月に、発癌リスクを評価する世界保健機関(WHO)所属組織である国際がん研究所(IARC)の報告では、『深夜業』を『発癌性がおそらくある因子』のグループ2Aに正式にリストに加えることを発表しています。これは子宮頸がん発症のほぼ100%の原因とされる『ヒトパピローマウィルス(31、33型)』と同じ分類です。乳がんへの罹患リスクも通常の1.5倍程度とされており、その他のリスクのある病気として『心筋梗塞などの循環器疾患や胃炎などの病気』も挙げられています。

 

上記の内容をうけて、今まで調査が行われていなかった男性勤務者への解析も近年行われました。

◆JACC Study(日本人生活習慣と発がん性研究機関)参加者の中から約14,000人の男性勤労者を解析対象としたもの
【目的】統計手法による、勤務時間と前立腺がんにかかるリスクの関連を検討
【結果】
1)交替制勤務者は、仕事の時間が昼間に限られる日勤者に比べ、3.0倍罹患しやすい(統計学上確実性が高い)。
2)夜間のみの夜勤者は、日専勤務者にくらべ2.3倍の罹患リスク上昇の可能性(統計学上、確定は出来ない程度のリスク上昇)。

 

<前立腺がん発症のメカニズムとは?>
上記の物質、メラトニンが前立腺がんの発症に深く関連していると考えられている。メラトニンが減少すると、体内のホルモン環境が変わり、男性ホルモンの分泌が亢進する可能性が指摘されています。

 

<まとめ>
交替勤務制における発がん率:

◆乳がん発症率が通常の1.5倍
◆前立腺がん発症率が通常の3倍(夜間のみの勤務では約2倍)

 

最後に

 

交替勤務制、深夜勤務の方は、可能な限り定期的ながん検診に行くことが勧められています。今回の研究対象とされた前立腺がんでは、PSA検診などが有効とされており、検査方法も血液を1本採取するのみと非常に簡単に行うことが出来ます。また、交代勤務制への健康不安がある場合は、産業医や地域産業保健センターなどで、勤務時間変更や配置転換に関する相談をすることができるようです。癌は早期発見・対策が重要ですので、早いうちに行動を起こすことが重要です。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E8%B5%A4%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93-%E5%AD%90-%E3%81%8B%E3%82%8F%E3%81%84%E3%81%84-%E3%81%8A%E7%88%B6%E3%81%95%E3%82%93-%E3%83%91%E3%83%91-%E5%AE%B6%E6%97%8F-%E7%88%B6-%E6%81%AF%E5%AD%90-%E4%BF%9D%E6%8C%81-22194/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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