育児
子どもの多い、心停止の原因!「心臓震盪(しんとう)」とは?
お子さんの突然心停止の原因として多くみられる“心臓震盪(しんとう)”という症状はご存知でしょうか。
“心停止”という言葉であっても馴染みがなく、知識を持つ人は少ないですが、その原因でもある“心臓震盪”とは、もっと聞き馴染みがないため、どんな症状なのか具体的に知っている人は少数です。
お子さんの心停止の原因に多いといわれる心臓震盪を調べてみました。
◆心臓震盪って何?
胸部(心臓のすぐ上の部分)に衝撃が加わったことで心臓が停止してしまう症状を心臓震盪(しんぞうしんとう)と言います。
脳震盪(のうしんとう)はよく耳にするかと思いますが、脳ではなく心臓という、部位の違いだと思ってください。
健康なお子さんや、スポーツなどをされているお子さんの、胸部分に軽い衝撃が加わっただけで起してしまう危険な症状です。
◆どんな時に発症してしまう?
心臓震盪の発症するタイミングはどんな時なのか、その研究をおこなったアメリカが128例の症例をもとに発生状況を分析したところ、競技スポーツによる発症が全体の62%を占めており、他には、日常生活でのスポーツやレクリエーションなどで発症していることが解っています。
競技スポーツなどで起こる心臓震盪は、ボールが胸部に当たってしまったことが多く、その他には、選手同士の衝突などがあります。
競技スポーツ以外では、お子さん同士が遊びの中でおこなったボクシングのような遊びであったり、親の躾という名目での体罰・虐待であったりが挙げられます。
◆なぜ子どもに多くみられるの?
心臓震盪の発症が子どもに多いとされている原因はなぜなのでしょうか。それは、子どもはまだ体の成長は途中段階で、大人よりも体のつくりが丈夫ではありません。
よって、軽い衝撃であっても、大人では何も問題ない痛みかもしれませんが、子どもにとっては前胸部に受けた衝撃が心臓に伝わりやすいと考えられています。
アメリカの分析結果では、発症が多い年齢は18歳以下が全体の70%を占めており、日本国内でおいても小学生が3人、中学生が2人、高校生が1人と、現在報告されているだけでも、18歳未満に多くみられます。
◆心臓震盪を起してしまった場合の対処法とは?
命を救うためには、AEDを使用することが良いとされています。心臓震盪は、心室細動による心停止なので、電気ショックを与えることが唯一の治療法です。近年、学校などの施設だけでなく、様々な場所にAEDを設置している場所が増えてきています。
一般的には、心室細動が発生してから、1分経過していくごとに約10%ほど、除細動の成功率が下がってしまいます。AEDを使用したことがなくて混乱してしまったり、突然の心停止にアタフタしている余裕は正直ありません。
1分1秒が命を救うカギとなります。AEDは音声案内をしてくれる機能がついていますので、音声ガイダンスに従っておこなえば、簡単に電気ショックを与えることが出来ます。
スポーツ中におこる子どもの突然死は珍しいものではありません。実際に現実として起こりうる問題ですし、その知識がない大人が多いのも、また問題です。
心肺停止という状態は決して諦めず、素早い対処が必要です。心臓震盪という原因があるということを頭にいれておきましょう。
(photo by: http://www.ashinari.com/2014/02/07-385677.php )
著者: カラダノート編集部