健康診断・健康管理
CRP定性検査の結果ってどう見るの?CRPが高いとどんな疾患の可能性があるの?
血液検査の値の中にCRP値というものがあります。健康診断などでもおなじみの値ですが、この値があまりにも高い場合には、再検査や精密検査を受けるよう勧められることがあります。
CRP=C反応性蛋白
CRP値というのは、血中のC反応性蛋白の量を示したものです。このC反応性蛋白とは体のどこかで炎症が起きていたり細胞が破壊されていたりする時に急激に増加するもので、疾患を早期に発見する場合などに非常に役立つ数値です。
値について
健診で飛びぬけて値が高い場合には再検査などが必須になりますが、持病がある場合などは、数値が少し高くなるくらいのことはよくあります。数値によっては、多少高くなっていても日常生活を送るのに問題が無かったり、治療を必要としなかったりします。
とても高い数値なら薬で下げるが…
C反応性蛋白の値は体の中の炎症を示す値ですので、炎症所見ということで抗生剤を摂取することになります。しかしそれはC反応性蛋白の値がとても高い場合です。
ちょっとした体の不調で数値が普通より少し高くなっている程度であれば、生活習慣を改善することなどで値を下げることができます。例えば自覚がないくらいの風邪や胃炎、腸炎などでも、数値が少し高くなったりするのです。
健康な生活で数値を下げる
ちょっと数値が上がった程度では、健康な生活を送ると共に、定期検診を受けることが重要です。
夜更かしをしないことや、3食の食事をきちんとバランスよくとり、特にビタミンBやCを十分にとることなど、基本的な部分を気を付けることがとても大切なのです。
値が少し高くなっているだけでは、体のどの部分が悪いのかは分かりません。そのため日常生活に気をつけ、値の変動に注意しながら過ごす必要があります。
CRPが高いとどんな疾患の可能性があるの?
C反応性蛋白は血液は体中に巡っているという特徴からか、それを検査しただけで体中の様々なことがわかります。
その中で体の組織が傷ついていて、修復を必要とされているのを教えてくれるのがC反応性蛋白という物質の値です。
数値が高いほど
C反応性蛋白の血中量は、CRPという欄に記載されています。この数値は0.3以下であれば問題がないのですが、これよりも大きければ大きいほど炎症や細胞の破壊があり、それが重症である可能性が高くなります。
このように基準値よりも値が大きい場合は以下のような疾患の可能性が検討されます。
・ウイルス性感染症
・細菌性感染症
・悪性腫瘍
・心筋梗塞
・膠原病
まず疑われるのがこうした疾患ですが、これ以外でも持病によってC反応性蛋白の量が増えてしまうこともありますし、細胞組織の損傷や壊死を引き起こす外傷、熱傷などをおっている場合でもC反応性蛋白の数値が上昇することがあります。
ウイルス性感染症・細菌性感染症をもっと詳しく
上記のC反応性蛋白の上昇が見られる疾患の中にウイルス性感染症と細菌性感染症がありますが、ウイルス性感染症や細菌性感染症と言っても様々な種類があります。
では、具体的にどんなウイルス性感染症、細菌性感染症によってC反応性蛋白の反応が見られるのでしょうか。以下で見てみましょう。
主なウイルス性感染症
・ウイルス性肝炎
・インフルエンザ
・デング熱
・ウイルス性髄膜炎
・手足口病
・ヘルパンギーナ
・プール熱
主な細菌性感染症
・結核
・マイコプラズマ
・レンサ球菌
・百日咳
・クラミジア
・レジオネラ
・梅毒
ウイルス性感染症の中の手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱は乳児や幼児に多く見られる疾患です。
また、クラミジアや梅毒といった性感染症でも微弱ではありますがC反応性蛋白の増加を認めることができるようです。
C反応性蛋白の数値は、単体で高いことも重視されますが、数値の変化も注目するべき点です。
CRP定性検査、結果はどう見るの?
肝臓で作られる物質にC反応性蛋白という物質があります。これは体の中で炎症が起こったときに体内に急増するもので、発症から2~3時間という非常に短い時間で血中に多量に放出されます。
炎症マーカーとしてのC反応性蛋白
原因は何であれ、体のどこかで炎症が起こったときや、体のどこかの細胞が破壊されたときに血中に増えるのがC反応性蛋白という物質です。
このC反応性蛋白は自覚症状がない程度の炎症や細胞破壊でも変化が見られるものであるため、体の変化を知る手がかりとして非常に大切な指標と言えます。
定性検査
C反応性蛋白の血中量を調べる検査方法のひとつが定性検査です。
定性検査という方法は比較的以前の検査方法で、最近ではどちらかというと定量検査という検査方法の方が主流になっているようです。
そのため近年では定量検査方法で行った結果が知らされることが多いのですが、医師によっては定性検査に愛着があり、そちらの方法を選択している場合や、定性検査と定量検査の両方の結果を示す場合があるようです。
マイナスが基準値
定性検査の結果は(-)、(±)、(+)であらわされます。
これらの内、陰性(-)が正常値で、ごくわずかでも炎症がある場合には弱陽性(±)、炎症の強さに応じて陽性(+)に転じていきます。
(-)と(±)が基準値なのですが、陽性の場合には重症度が数字であらわされることになり、+1~+6といった具合に6段階で判断することができます。
この示し方を見て分かるように、定性検査という検査方法では血中のC反応性蛋白の具体的な数値が示されるわけではありません。
腫瘤ではなくなった定性検査ですが、C反応性蛋白の検査は体の異常を知るのにはとても重要です。
ダークチョコでCRP値が下がる?!
身体のどこかに炎症や細胞の破壊が起こると、血液中に大量に現れる物質に「C反応性蛋白」があります。このCRP値が基準値を超えている場合、身体のどこかで感染症や、自己免疫病、悪性腫瘍を発症している可能性があります。このCRPは病気の早期発見や、重症度、その経過などを見るのにとても役に立っています。
CRP値を下げたい!
前述でも述べたとおり、CRP値は身体のどこかで炎症が起こっているときに現れるものですので、CRPの検査だけではどこで炎症が起きているのか特定できません。ほかの検査を併用し、部位を特定しましょう。CRP値を下げる=炎症部位を改善するということになります。炎症部位を治療することによってCRP値はさがってきますので、原則としては医師の下、診断、治療をしましょう。
喫煙や、高血糖状態はCRP値上昇?
喫煙や高血糖状態というのは、身体に小さな炎症を与えるとされ、CRP値を高くするとされており、これは喫煙者や糖尿病の方にがんが多いとされている説と一致しています。CRP値を下げたい、あげたくないという思いがあるのであれば、禁煙するのが一番よいでしょう。
ダークチョコレートはCRP値を下げる?
日常的にダークチョコレートを食べている人は普段食べていない人に比べ、CRP値が低いという報告があります。特に、カカオを多く含んでいるものがいいようです。
多くの病気は身体に炎症が起きている状態です。この炎症を抑えるのが、野菜や果物、チョコレートに含まれているポリフェノールです。
これらはフラボノールなどの酸化を抑える働きをもつ食材のため、そうした食品を食べることがCRP値を下げるのに効果があるようです。
CRP値の上昇は身体のどこかで炎症が起きているのは確実です。最初は原因不明と診断されるかもしれませんが、時間をかけてでも炎症部位を明らかにし、治療に専念しましょう。
CRPを数値で表す定量検査法 定量法の正常値を知って体に異常がないか確かめよう
血液検査の表記の中にCRPという値があり、この数値が高いと医師から再検査が勧められたりします。
というのもCRPの値は健康で異常のない体であれば高くなることはなく、CRPが高いということは体のどこかに異常があるということになるからです。
CRPは重要です!
CRPは血中のC反応性蛋白の量を示す値で、このC反応性蛋白は肺炎双球菌のC多糖体と沈降反応を示す血性蛋白で、1930年に発見されたものです。
これは健康な通常の体の血液中にはほとんど存在しないのですが、急性の組織障害や炎症、感染症などによって体が急性侵襲を受けると血中に早期に増加し、体の回復に伴って減少するという性質を持ちます。
CRPを測定する
血液検査をしたときにその中のC反応性蛋白の量を調べることで、CRPの数値を出すのですが、その測定方法の一つが定量法という測定方法です。
もう一つ、定性法という測定方法もあるのですが、現在多く選択されているのは定量法という測定方法です。
定量法は一定量の血液の中に含まれるC反応性蛋白の量を調べるという方法で、1デシリットルの血液の中にC反応性蛋白がどれくらい含まれるのかを調べることになります。
"0.3ミリグラム/デシリットル以下"が正常値!
現在主流の定量法において、検査の結果は数値であらわされることになります。
その数値が体の異常が検討されるくらいに高ければ医師から指摘がされ、再検査などの検討がされますが、正常値内の高値くらいであれば医師によっては問題視しない場合もあります。
つまりその結果を自分で確認するためには数値の段階を知っておかなければなりません。
そこで知っておきたいのが正常値で、定量法におけるCRPの値は0.3ミリグラム/デシリットル以下が正常とされています。これよりも少なければ数値が少なすぎるということはありません。
正常値よりも高ければ、体のどこかに異常があることが検討されます。ただしそれは大きな病気とは限らずただの風邪かもしれませんし、外傷かもしれません。
いずれにしても数値を上げている原因をはっきりさせてあげる必要があります。
(Photo by: [http://www.ashinari.com/])
著者: カラダノート編集部