不眠・睡眠障害
寝ているときに咳が止まらないのはどうして?
寝ているときに咳が止まらない理由は2つ考えられます。
1つは病気が原因、もう1つは呼吸の仕方が原因です。
病気が原因で咳が出る
寝ているときに咳が止まらないという症状が出る病気はいくつかあります。
まずは喘息発作です。寝ているときには副交感神経が働くことによって、気管支がやや収縮しやすくなります。これによって喉が圧迫されて、もともと気管支の弱い喘息患者が発作を起こしてしまうことがあります。
また、布団にダニなどが住み着いているためにアレルギー性喘息発作を起こす方もいます。
他に、慢性心不全の可能性も考えられます。心不全の場合は、心臓が血液を送り出す機能が弱まります。
水分を正しく処理できず、肺に水分が染み出すのが慢性心不全の問題です。体を横にして、乾いていない咳が出る場合は注意が必要です。
呼吸が原因で咳が出る
寝ているときに咳が止まらない場合、口呼吸を疑ってみるとよいかもしれません。
口呼吸をしていると自然と口の中が乾いていくだけでなく、口から埃やダニが入るとそれを出そうとする働きもあるので乾いた咳が出ます。口呼吸は口を閉じる、ものをよく噛んで食べることで予防もできます。
ウイルス感染を防ぐ意味から考えても、口呼吸をやめて鼻呼吸にした方がよいでしょう。
寝ているときに大量のよだれが出るのは病気?
朝起きたら大量のよだれが枕についていて焦った!という方もいるかもしれません。中には自分のよだれで起きたという方もいます。どのような理由が考えられるのでしょうか。
よだれが寝ているときに出る理由は?
そもそもよだれが出るときとは、
・口の中が乾燥しているとき
・食物が入ってきたとき
・異物が入ったとき
以上の場合などによだれが出ます。このうち寝ているときに出るよだれは、口の中が乾燥しているときに出るよだれです。
よだれと呼吸の関係
よだれについて考えるときには、呼吸についても考える必要があります。寝ているときのよだれは口の中が乾燥しているために出ますが、口がそもそも開いていなければ乾燥もしにくいはずです。
よだれが出るということは、口が開いている可能性が高いということです。そして、主に口を開けてする呼吸を口呼吸と呼んでいます。口呼吸をすると口の中を空気が出入りするので乾燥しやすく、よだれの原因となります。
よって、睡眠中に出る大量のよだれはほとんどが現時点で何らかの睡眠障害を患っているとは考えられません。口呼吸を改善することでよだれも改善していきます。
口呼吸の改善
口呼吸の改善方法ですが、意識して鼻から呼吸をすることが一番です。最初は鼻から吸って口から出すというような感じでやっていきましょう。
成長期の子どもの場合にはあごの筋肉を鍛えれば自然と鼻呼吸が身に付きます。口呼吸の人は免疫力が弱いとも言われているので、よだれの問題だけではなく健康の面から考えても鼻呼吸を取り入れた方がよいです。
寝汗がひどいのは病気?
寝ているときには誰もが汗をかきます。
ですがそれに全く気付かない方もいれば寝汗が毎日気になるという方もいます。
寝汗って何?
寝汗とは本来、健康な体のために必要とされているものです。深い眠りにつくとき、人は体温を下げようとして汗をかきます。これが寝汗の正体で、老若男女を問わず寝汗をまったくかかないという方はまずいません。
大人の場合、一晩でコップ1杯から1.5杯程度の寝汗をかきます。
乳幼児の場合は大人よりも寝汗の量が多いです。
寝汗がひどい原因
寝汗がひどい原因は2つ考えられます。
1つが生活習慣によるもの、そしてもう1つが病気によるものです。
生活習慣によるものの代表格としては、パジャマの問題があります。
吸湿性の悪いパジャマを着ていると、普通の量の寝汗をかいていても吸収することができないので、起きた時に寝汗がひどいと勘違いしてしまうことがあります。
また、本当に暑いにも関わらず、必要な策を講じない場合も寝汗をかきます。
夏は部屋の温度、布団に気を配ってください。
寝汗と病気
寝汗と関係ある病気には、自律神経失調症があります。
自律神経失調症になると、自律神経系が間違った判断をして、必要以上に汗を出すことがあります。
これが病気によって起こる寝汗で、自律神経失調症の治療が寝汗にも効果を発揮します。
なお、自律神経失調症以外の病気と寝汗には、ほぼ関連性がないと考えられています。
寝汗がひどくても病気(ただし自律神経失調症を除く)ではないことがほとんどですので、安心してください。
寝ているときの足痙攣の対処法
足の痛みの中には筋肉痛や傷による痛みもありますが、特に痛みがひどいなと感じるものに『足がつる・こむら返り』を挙げる方もいます。急に足が張ったような感じになり、動かすことができない痛みです。
寝ているときに足がつるのはなぜ?
足がつることを足痙攣と呼んでいます。就寝時に足痙攣が起きる理由はさまざまですが、病気に起因するものはほとんどないといわれています。
足痙攣の主な理由として、筋肉疲労、筋肉の冷えなどが考えられます。筋肉疲労や筋肉の冷え、生活習慣などによって足の筋肉が急激に収縮することで、足痙攣が起きると考えられます。脱水状態も足痙攣を引き起こす原因の一つです。
足痙攣の対処法
寝ているときに足痙攣が起きたら、まずは動かないことが大切です。足を変な方向にひねらないように、そして体全体を楽に保ちましょう。足が痛いので、ついつい体を丸めてしまうという方もいますがおすすめしません。
足も含め、体の力を抜いてください。その後、足を少しずつずらしていきます。痙攣した部分が痛まない角度を探して、少しずつ足の筋肉を伸ばすようにしてください。
ふくらはぎの足痙攣であれば、ゆっくりと足のつま先を手で持って体に引き寄せるとよいです。
足痙攣が起きた後は
足痙攣が治ったら再び眠るわけですが、この時膝の下にクッションを入れるのがお勧めです。膝が少し曲がるようにクッションを入れると、足痙攣が再発しにくくなります。
怖い夢を見た!?悪夢を見てしまう原因っていったいなに?
大きな動物に襲われる、銃で撃たれたり刺されたりする、といったような悪夢は、起きた後の気分をダウンさせます。悪夢を見ることにも、実はいくつかの原因があると考えられます。
外的要因
摂取した食べ物によって悪夢を見るということも、最近の研究でわかってきています。
例えば辛い食べ物、とうがらしなどを食べてすぐに眠ると悪夢を見やすくなるという発表がありました。
辛い食べ物は体温を上昇させることから、悪夢との関連性があるのではないかとみられています。
また、いまだ推測の域は出ておらず研究過程ではありますが、高脂肪の食事と悪夢にも一定の関連性があるとの発表があります。
脂身の多い肉、揚げ物などを食べた後に悪夢を見る方は、一度食事を見直してみるとよいかもしれません。
内的要因
悪夢の原因として、外的要因よりも研究が進められているのが内的要因です。
夢の研究を行っている国際夢研究協会では、心の負担が悪夢を見せる可能性を研究しています。
現在のところ、大事故の目撃や家族・友人の死などが精神的な負担となって悪夢を見せることがあるとわかっています。
大きなトラウマになるような事故・事件・出来事だけではなく、日常的にストレスが多いと悪夢を見る可能性が高まります。
ストレスの緩和ケアを行うことも大切です。
悪夢を見る薬がある?
βブロッカーの精神神経系の薬物は副作用に悪夢が多いとわかっています。
外国では悪夢の他に幻覚などの報告もあります。
βブロッカーの精神神経系薬物による悪夢の発現の正確なメカニズムはまだわかっていません。
大人にも起こるおねしょ?!恥ずかしがらないで!夜尿症の原因とは
一般的にはおねしょと呼ばれているのが『夜尿症』です。夜に布団で排尿してしまうのが夜尿症の症状です。
夜尿症は子どものも?
赤ちゃんはまだ排尿をコントロールできず、トイレトレーニングも行っていないので常におむつをしています。
しかし、おむつが取れてからもおねしょに悩まされる子は少なくありません。泌尿器科に寄れば、小学校1年生、6歳児の夜尿症の罹患率は1割から2割です。小学校4-6年生でも、20人に1人は夜尿症と言われています。
夜尿症になる理由
夜尿症に関わりがあるものに、抗利尿ホルモンと自律神経があります。抗利尿ホルモンは尿量を増やす、減らすという働きを担っています。一方で自律神経は排尿する、しないという体の動きとかかわっています。
2種類の自律神経系のうち、交感神経が優位の場合は尿道が閉じられ、排尿も起こりません。副交感神経が優位の場合は排尿されます。膀胱が尿で満たされると、副交感神経が働きます。
大人も夜尿症に?
大人でも夜尿症になる場合はあります。その原因のひとつが、括約筋の弛緩です。排尿しないための筋肉が病気で衰えていると夜尿症になります。
そして、括約筋の弛緩よりも大きな原因が自律神経系の乱れです。交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、抗利尿ホルモンもうまく分泌されません。すると、本来就寝中には尿の量が少なくなるはずが多く作られてしまい、布団におねしょをすることもあります。
大人の夜尿症はストレスによる自律神経失調症由来のものが多いため、パートナーや家族は本人を激しく責め立てたりしないことが大切です。
最近注目されている分割睡眠とは?
最近睡眠の方法のひとつとして注目されているものに分割睡眠があります。分割睡眠とはどんな睡眠なのか、そして分割睡眠はよいか悪いかを見ていきます。
短時間の眠りを2-3回
分割睡眠とは1度に長く眠るのではなく2-3時間の眠りを数回取るという睡眠方法です。
有名になったのはタレントの黒柳徹子さんの分割睡眠法で、午後10-午前2時までの4時間、その後午前5時から数時間眠るという方法です。黒柳さんは成長ホルモンの分泌のために分割睡眠を取っているようです。
分割睡眠は医学的に見てどうなの?
富山県にある雨晴クリニックの坪田医師によれば分割睡眠も単相睡眠(1回に7-8時間の睡眠を取る方法)も眠りの深さに問題がなければ健康に影響はないとのことです。 つまり分割でも1回でもしっかり眠れているならば特に問題はないともいえるのです。
医学的に見てとてもよいというわけでもありませんし、害悪というわけでもありません。
まずは睡眠を深くする方が先
分割睡眠を実践するに当たっては睡眠を深くする、睡眠の質を確保することが第一です。
そして単相睡眠から徐々に時間を減らしたり分割睡眠に移行したりといったようなさまざまな眠りの方法を試していくのがベストです。
そのためには就寝前のスマホなどを避け、リラックスした状態で眠るようにしましょう。
分割睡眠習慣を試して2-3週間しても慣れなければ分割睡眠が体に合っていないのかもしれません。
一般的に20-30代は単相睡眠向き、分割睡眠は中年以降に向いていると言われています。
分割睡眠とは2-3時間の睡眠を2-3回取るタイプの睡眠方法で、医学的には分割睡眠であるかどうかよりも眠りの質が重要です。
(Photo by http://www.ashinari.com/)
著者: カラダノート編集部