育児
自家中毒(周期性嘔吐症)の症状とは?
周期性嘔吐症(自家中毒)は発作性に繰り返す嘔吐と、ケトン口臭・ケトン尿を主症状とするする疾患で、2歳~10歳ごろまでに多く発症するといわれています。
誘因としては、感染や過食、精神的緊張、睡眠不足や環境の変化が挙げられていて、神経質や、夢中になりやすい頑張りやの子どもに多いといわれています。症状が発症する前には明らかな疲労状態を認めることが多いようです。
症状としては以下のようなものがあります。
周期性嘔吐症の症状
1. 吐き気
2. 嘔吐
3. 頭痛
4. 腹痛
5. コーヒー残渣様嘔吐
6. 顔色不良
7. 吐く息のアセトン臭(アルコール臭)
8. 便秘
9. 左下腹部(または腸骨窩)の糞塊の触れ
10. 意識障害
11. 興奮
12. 眠りがち
13. 不安による過換気や脱水
血液検査によるアセトン体の増加と尿中のケトン体の増加で診断がつきますが、その際、感染症や中枢神経系の異常所見がないことに注意する必要があります。
他には脱水(電解質および酸塩基平衡(ph)の異常)、境界領域の低血糖(40~60mg/dl)が認められることもあります。
一見、周期性嘔吐症のように見えても、症状の似た別の疾患に罹患している場合もありますので注意が必要です。
鑑別が必要な疾患として
1. ケトン血清低血糖症
幼児・学童期に認められる高頻度な低血糖症で、顔面蒼白や発汗が認められます。グルコース(ショ糖)投与直後の覚醒が特徴です。
2.代謝性疾患
先天性代謝異常としてライ症候群、尿素窒素サイクル代謝異常、中鎖脂肪酸代謝異常などがありますが、点滴などによる補液に対する反応が悪く高度なアシドーシス(酸性血症)が認められます。
他に、中枢神経系疾患、消化器疾患(兆回転異常、腸軸捻転、総胆管拡張症など)、心因性嘔吐、周期性ACTH/ADH放出症候群などの疾患を患っている場合もありますので、嘔吐やその他の症状に改善が認められない場合は放置せずに、きちんと専門医に診察してもらいましょう。
(Photo by:http://www.ashinari.com/2011/07/13-348395.php?category=51 )
著者: カラダノート編集部