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健康診断・健康管理

尿検査でケトン体の値が高い!~ケトン症について~命に係わるケトン性昏睡とは

ケトン体は、健康診断でよく計測される値です。実際には、尿検査を通じてスクリーニング検査を行うのが通例です。

 

では、ケトン体の値は、どのようなことを表すのか見ていきましょう。

 

ケトン体とは

ケトン体とは、3-ヒドロキシ酪酸、アセトン、アセト酢酸の総称です。アミノ酸および脂肪酸の不完全代謝産物であり、特に体の中では脂肪の分解によって肝臓でケトン体が作られます。ケトン体は臓器でのエネルギー源になるだけではなく脂肪の合成のために再利用される物質です。

 

ケトン症とは

このケトン体は多すぎた場合、血中に蓄積され、最終的に尿に混ざって排出されます。ケトン体が必要以上に増加している状態を、ケトン症(ケトーシス)といいます。

 

ケトン体は強い酸性であることかあら、体液のpHが酸性に傾くので、ケトアシドーシスとも呼ばれます。

 

ケトン症の原因

ケトン症の原因は、いくつかあります。まず第一に考えられるのは、血糖を下げるインスリンというホルモンが欠乏していることです。第二にはストレスが原因で脂肪組織から脂肪酸が作られてしまうことにより、その多くが肝臓でケトン体に変化してしまうことでケトン症になってしまうのです。

 

ケトアシドーシスが出る場合、以下の原因が考えられます。

 

・大手術の後

・発熱時

・激しい運動後

・外傷がある場合

・絶食又は飢餓状態にある場合

・糖尿病

 

上記にもあるとおり、肥満の人が急激なダイエットを試みて、絶食のような無理な食事制限をした場合、体内にケトン体が大量に発生します。そのため、尿中のケトン体は陽性になる場合があります。

 

また、健康な人が非常に強度の強い運動をした場合には、一過性ですが血中ケトン体が増加する場合があるので、この値が基準値よりも高いからといって、すぐに深刻に考えず、上記のような他の要因も含めて考慮したうえで、さらに精密な検査を行うことが大変重要です。

 

検査項目にあるケトン体って何?体全体に働きかけるケトン体の役割とは

肝臓内で作られている成分は数多くありますが、ケトン体も肝臓内で生成されている成分です。

糖代謝を測るために健康診断でもケトン体の検査がありますが、ケトン体はどんな役割を担っているのかを見ていきます。

 

●筋肉のエネルギーとなるケトン体

ケトン体の最も重要な役割と言っても過言ではないのが筋肉のエネルギーになってくれるという点です。

筋肉には自分で意識して動かす筋肉、自分は無意識だが勝手に動く筋肉の2種類があります。

例えば腕を上げたり下げたりするのは自分の意志で動かしていますが、心臓の筋肉は自分が意識しなくても動きます。

この2種類の筋肉の両方のエネルギー源として活動しているのがケトン体です。

 

●ケトン体を多くする糖尿病

糖尿病になるとケトン体が多くなることがあります。

それは、体内でインスリンが不足もしくはインスリンの働きが悪いときに、ケトン体が生まれるというものです。

インスリンがないと糖分はエネルギーにならないので血中に多くなりますが、同時に身体がエネルギー不足になる問題もあります。

体は糖分をエネルギーとして使う代わりに脂肪などをエネルギーに変えようとしますが、その際にケトン体が生まれるので糖尿病でケトン体が多くなります。

 

ケトン体の本来の役割は筋肉を動かすエネルギーとなることで、運動をする場合にもケトン体が活躍しますが、普段は意識して動かさない筋肉もケトン体のおかげで動いています。

ケトン体は多すぎても問題で、糖尿病の場合は糖質をエネルギーとできない代わりに蛋白質や脂肪をエネルギーにする過程でケトン体が発生します。

ケトン体があまりに増えると臓器の働きが低下、場合によっては脳の働きも低下することがわかっています。

 

尿検査でケトン値が異常値を示している場合はどうすべき?

ケトン体は尿検査を通じて確認できる値で、臓器のエネルギー源になったり、脂肪の合成に利用されるなど、カラダにとって必要な物質の一つですが、この値が増え異常値が発生した場合は、問題があるといえるでしょう。

 

ケトン体が異常値を示している場合

ケトン体が増加している場合は、糖尿病を疑う必要があります。なぜなら、ケトン体が増加しすぎているということは、血糖値を下げるホルモンとして有名なインスリンが欠乏しやすくなるからです。細胞はインスリンに依存し、ブドウ糖をエネルギーとして取り込んでいます。しかし、インスリンが欠乏すると、ブドウ糖が手に入らない細胞は、脂肪をエネルギーに変えることで生命活動を維持しようとします。その結果、ケトン体が発生してしまうのです。

 

ケトン体と糖尿病

糖尿病の原因には、運動不足や肥満・過食のほかストレスや加齢もあります。その中でも肥満は糖尿病の最大の要因ですが、肥満によって肥満細胞が増えることでインスリン作用が低下するからです。

糖尿病患者の場合、尿ケトン体の検査が陰性であれば糖尿病の管理は良好にできているといえるでしょう。もし陽性の検査結果が出た場合には、糖尿病の管理状態が良くないということを意味します。そのため、詳しい検査が必要となるでしょう。

 

ケトン体の検査結果が悪く糖尿病であった場合、様々な合併症のリスクがあることを覚えておきましょう。その多くには血管の病気があり、治療が困難なものも少なくはありません。そのため、糖尿病に関しては、予防することが重要視されており、その意味でもケトン体の測定を定期的にすることはとても重要なのです。

 

また、腎臓の障害がある場合は軽症であれば尿中のみにケトン体が出現します。しかし、症状が重くなると血中・尿中共にケトン体が出現するようになるようです。

 

糖尿病患者はケトン体に要注意!命に係わるケトン性昏睡とは

糖尿病にはいくつか合併症がありますが、その中でも特に危険度が高い合併症と言われているのが糖尿病性昏睡もしくはケトン性昏睡と呼ばれる合併症です。

ではケトン性昏睡がなぜ起きるのか、原因は何かを見ていきましょう。

 

●ケトン性昏睡が起きる理由

ケトン性昏睡が起きるのはエネルギーの使い道を変えたこととそこからケトン体が副産物として生まれるからです。

普通は糖分をエネルギーとして使うためにインスリンが働いてくれますが、糖尿病の患者はインスリンの働きが悪いです。

そのことから、糖分以外のたんぱく質や脂肪酸をエネルギーに変えます。そしてその過程でケトン体が生まれます。

ケトン体が血中にたくさんあると血液が酸性になり、体への酸素供給が難しくなります。

そして最終的に脳にも酸素供給が出来にくくなることで昏睡が起きます。

 

●ケトン性昏睡の原因

ケトン性昏睡が起きる原因はいくつかありますが、血糖値の急激な上昇がほとんどすべてに共通する原因です。

インスリンが働きにくい体にも関わらず食事に気を配らなかったり、インスリンの量を自分で調節したり、インスリン注射を止めたりといったことが原因です。

これらのことは自分である程度気をつけられますが、精神的なストレスや肉体疲労など気をつけていてもうっかり起きる可能性のある出来事もケトン性昏睡の原因です。

 

●ケトン性昏睡を早く見つける

ケトン性昏睡が起きてしまったらそのまま死亡することもあるかもしれません。

昏睡前の症状を早めに見つけて、速やかに病院で処置を受けるのが適切です。

代表的なケトン性昏睡の初期症状を挙げます。

・喉が異常なほど渇く

・トイレが近くなる

・食欲が突然なくなる

・腹痛

 

血糖値が上がることで血中にケトン体が増え、最終的に脳に酸素が行きにくくなって昏睡するのが糖尿病のケトン性昏睡です。

病院では輸液治療やカリウム補充、重炭酸塩投与などケトン性昏睡の重症度に合わせて治療を行います。

 

ケトン体異常から考えられるグルカゴノーマ グルカゴノーマっていったい何?

ケトン体は尿検査によって測りますが、異常値が出た時(陽性の時)には糖尿病の血糖値コントロールがうまくいってない場合のほか、脱水症状の可能性もあります。

嘔吐や下痢などが続いている場合は脱水の可能性が高いです。

そして、甲状腺機能亢進症やクッシング症候群、グルカゴノーマの疑いもあるのです。

グルカゴノーマとは一体何かを見ていきましょう。

 

●すい臓で生まれるグルカゴノーマ

グルカゴノーマはすい臓の膵島腫瘍の一種で、ほかの膵島腫瘍よりもやや珍しい腫瘍です。

グルカゴノーマという名前は『グルカゴン』を過剰分泌することから来ており、70%は悪性腫瘍です。

悪性腫瘍だった場合には近くの臓器への転移、リンパ節への転移などが考えられます。

 

●発疹や口内炎、貧血などが代表的な症状

グルカゴノーマの代表的な症状は口内炎、口角炎など口に現れる症状の他、皮膚の発疹もあります。

この発疹は非常に特徴的で、腰のあたりから足に向かって移動するように発疹が出来ます。また、発疹にはかゆみも伴います。

その他、ケトン体と関係しているのはグルカゴノーマの症状に糖尿病がある点です。

 

●切除治療が優先

グルカゴノーマの多くは悪性ですので、腫瘍そのものを取り除かなければなりません。

切除によって出来るだけ腫瘍の大部分を取り除き、転移がある場合は転移した先も切除します。

切除できない場合や切除しきれなかった部位に対しては薬物療法で対処します。

 

グルカゴノーマはすい臓に出来る腫瘍で、多くは悪性腫瘍(ガン)です。

頭がボーっとする貧血症状や口内炎や出来やすい、痛みとかゆみを伴う発疹が足にできるなどが症状の代表です。

画像診断だけではなく血中グルカゴン値を測ることでもグルカゴノーマの診断が可能となっています。

 

命の危険も!?ケトーシスとケトアシドーシスって何?

ケトーシスとケトアシドーシスという言葉を聞いたことがないでしょうか。

糖尿病の文脈で出てくる言葉ですが、これらは一体どのような意味なのでしょうか。

 

ケトーシスとは?

ケトーシスとは血液中に含まれるケトン体の値が正常範囲を超えて存在する状態を指します。

ケトーシスが発生する原因としては、絶食状態で糖質の摂取が過剰に少ない場合があり、以下のような理由が考えられます。

 

・過度なダイエットによる絶食・断食

・宗教上の理由による断食・絶食

・妊婦のつわりで食事がなかなか取れない状態

・事故・災害時などで食糧が尽きている場合

 

以上のように飲食物から糖質を摂取できない場合には、栄養分が入ってこないことをカラダが感知して、自分の体に蓄えられた栄養分をエネルギーとして消費しはじめます。このとき最初に使用されるのがグリコーゲン(ブドウ糖)で、この物質は1日程度でなくなってしまいます。

その次に、筋肉に蓄えられたタンパク質を分解して、糖質の原料とします。

このとき、脂肪酸がエネルギー化する役割を果たして、その結果生まれるのがケトン体なのです。

 

ケトン体の上昇そのものに関してカラダへの影響はありません。ケトン体は酸性の物質ですが、ケトン体量が増えても血中の炭酸イオンの働きにより、血液のpHが大きく動くのを抑制しているからです。

 

ケトアシドーシスとは

他方、ケトアシドーシスも血中のケトン体の量が上昇した状態ですが、上記の炭酸イオンの働きを超えて増えてしまったため、血液が酸性になった状態をいいます。これは普通の断食などでは起こりえないぐらい極端な状況です。

ケトアシドーシスの場合は、通常ケトーシスに糖尿病などの病気が合併したとき・脱水症状になったときに発生します。

ケトアシドーシスの場合、嘔吐や腹痛の症状を引き起こし進行すると意識障害や最悪の場合は死亡する場合もある危険な病気です。

 

どちらもケトン体が多くなっている状況ですが、一つ間違えば命に関わる病気となりますので、注意が必要です。

 

(Photo by: http://www.ashinari.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-25掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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