気になる病気・症状
日本人の4人に1人?機能性ディスペプシアの原因!胃にやさしい生活~機能性ディスペプシアの治療~
日本人の4人に1人は罹患していると言われ注目されている機能性ディスペプシア。その患者さんは、原因不明の胃もたれや腹痛に悩まされます。その原因についてまとめてみました。
主な2つの要因
「心理的ストレス要因」と「胃に対する物理化学的ストレス」が主な要因です。
◆心理的ストレス要因
昔から精神的なダメージやストレスで胃の調子が悪くなると言われているように、胃はその働きに神経が非常に深く関与している臓器です。
神経系の乱れによる胃の運動障害
(1)胃排出遅延・・・胃もたれ
胃排出能は、食物を消化して胃から十二指腸側に排出する能力です。食後の胃の運動機能であり、症状としては胃もたれとして現れます。
(2)適応性弛緩反応異常・・・食が細くなった
適応性弛緩反応は、摂食により一定量以上の食物が胃内に入ると食物を受け入れるために近位胃が拡張する反応です。通常、胃内圧が下がって胃底部が弛緩することで、多くの食物が受け入れられます。
しかし、適応性弛緩反応が障害されると、胃が拡張されず多くの食物を受け入れられないため、早期飽満感(すぐにおなかがいっぱいになる)を惹き起こす可能性があります。
(3)内臓知覚過敏・・・胃・みぞおちの痛み
内臓知覚過敏は、食物による伸展刺激や酸による化学的刺激などを、過剰に知覚する状態です。胃、みぞおちが痛み、ときにヒリヒリと焼けるような感覚を伴うことがあります。
◆胃に対する物理化学的ストレス
・ピロリ菌の感染
・大量摂食
・胃・十二指腸の微小炎症
・高脂肪食 など
機能性ディスペプシアの原因について、以上に挙げたようなことが考えられていますが、はっきりと解明されていない状況のようです。ごく最近になって、概念が作られた疾患なので、今後さらに研究が進んでいくだろうと思われます。
機能性ディスペプシアの治療は生活改善~胃に優しい食事を!
機能性ディスペプシアは、原因の特定できない胃の痛みや胃もたれ等の症状のある病気です。原因が特定できないとは、胃の異常が慢性的にあるのにも関わらず、検査で異常が発見されません。つまり、胃潰瘍や胃がん等の異常が発見されないのです。
原因不明のこの痛みを抱えている日本人は4人に1人と言われています。その位、身近な病でもあるのです。
機能性ディスペプシアとは
機能性ディスペプシアの主な症状は、食後の胃の痛みや胃もたれ感、食べ始めてすぐに胃が満腹になる満腹感、みぞおちが焼ける感じなどです。
中でも機能性ディスペプシアの種類は大きく分けて二つあります。
・食後愁訴症候群(PDS)…食後のもたれ感、早期飽満感が頻繁に起こります。
・心窩部痛症候群(EPS)…みぞおちの痛み、みぞおちの焼ける感じが頻繁に起こります。
治療法は、食後愁訴症候群、心窩部痛症候群の症状の違いに関わらず、薬物治療・生活改善です。生活改善は他の消化器の病気に対しても大変重要な事です。
・暴飲暴食
・タバコ
・過剰な飲酒
・不規則な食生活
・過労、睡眠不足
・脂っこい、刺激の多い食品の摂り過ぎ
これらの習慣は改善しなくてはなりません。
症状が辛い時は、胃に優しい食事を摂るように心掛けましょう。
以下では、胃に優しい食事のレシピをご紹介します。
お腹に入りやすい!ふわふわカニとネギの豆腐炒め
胃が疲れている時におすすめ!さらっとお腹に入るのでいいですよ。
材料(2人分)
絹豆腐 1丁
カニ缶 1缶
ショウガ 適量
ニンニク 適量
白ネギ 1/2本
小ネギ 適量
塩・酒・薄口醤油・水溶き片栗粉 適量
油 少々
1.豆腐は5センチ角に切り水を切ります。ニンニク、白ネギはみじん切りにしておきます。
カニ缶は水を切り、酒としょうがで和えます。
2.フライパンに油を熱し、ネギとニンニクの香りをしっかり出します。
3.カニを加え、更に炒めます。水を1と1/2カップ入れ沸騰させます。
4.豆腐を加え、火が通ったら、塩や薄口しょうゆで味を調えます。水溶き片栗粉でとろみをつけ、小口ネギを散らしたら出来上がりです。
爽やか梅とふわっと卵の雑炊
胃もたれを予防しつつ、栄養価がありますので、どうしても食べれない時はお勧めです!
材料(1人分)
ご飯 茶碗一杯
大根 70g
卵 1個
梅干し 1個
小口ネギ 適量
うどんスープ 一袋
1.大根は食べやすい様に小さめの角切りにします。
うどんスープに大根を入れ、やわらかくなるまで煮ます。(煮詰まってスープが濃いくなったら少し水を足しましょう)
2.ご飯を入れます。卵は溶き、鍋に流し入れます。弱火で蓋をし、1分。
3.梅干しをつぶしたものと、ネギのみじん切りを入れ出来上がりです。
胃が痛かったり、もたれがある時は無理をせず、病院を受診しましょう。
胃に負担のかかる消化の悪い物を避ける様にすると良いです。
会社員Aさんの胃にやさしい生活~機能性ディスペプシアの治療~
機能性ディスペプシアの場合にはどのように一日を過ごすと良いのでしょうか。機能性ディスペプシアに悩む会社員Aさんの理想的な1日を考えてみました。
6時半 起床・朝食
毎日同じ時間に起きて、朝食を食べるようにします。規則正しい時間に食事をとることが大切です。
朝食メニュー:ロールパン1個 卵スープ バナナ1本 牛乳コップ一杯
温かいスープなどは起きたばかりの胃にはやさしいメニューです。炭水化物、タンパク質を取るようバランスに心がけます。食欲がない日は無理せず、少しだけでも朝食を食べるようにしましょう。きちんと3食とることが大切です。
8時 自転車で通勤
運動も適度にするようにしましょう。時間のなかなか取れない人は、通勤時間を利用するのも手です。
12時 昼食
社内食堂にて鮭定食
脂っこいもの、甘いもの、辛いものは控えめにしましょう。ゆっくり噛んで食べましょう。食べすぎは厳禁です。腹八分目を心がけましょう。
13時 座って休憩
食後はなるべくゆっくり休みましょう。
15時 会社のまわりを散歩
デスクワークの人は、座ってばかりでは体にストレスがたまってしまいます。適度に体を動かし、ストレスをためないのもがポイントです。
19時 同僚と会食
居酒屋にてビール一杯、枝豆、漬物、刺身、卵焼きなど
お酒は胃を荒らす原因となります。しかし、同僚や友人との飲み会は仕事のストレス発散の良い機会です。
飲み会に参加するときは、控えめにするようにしましょう。また、おつまみは油っこいものをなるべくさけ、ヘルシーなものをちょっとずつつまみましょう。
お酒が入ると暴飲暴食になりがちなので注意しましょう。水をこまめに飲むようにしましょう。
ここに挙げた例は、あくまで理想的な例なので、完璧に実行するのはなかなか難しいかと思います。それぞれの生活スタイルを考え、胃に良い習慣をなるべく多く取り入れられるといいと思います。
(Photo by http://www.ashinari.com/)
著者: カラダノート編集部