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生活習慣病

高血圧ガイドライン・高血圧の症状と薬物治療についての基礎知識

   

 

 

 

血圧が上昇しても、正常な血圧にもどらず、それができずに高い血圧を維持する方を高血圧症といいます。高血圧は脳心血管疾患のリスクとなるため、国内外ではその治療のためにガイドラインを設けています。

 

糖尿病や腎機能障害、メタボリックシンドロームや心血管疾患の有無により、降圧剤を開始する時期に違いはありますが、血圧値が高値の場合は降圧剤を積極的に使用し、脳血管疾患の発症リスクを下げることが推奨されています。

 

主要降圧薬の積極的な適応

1.左室肥大・・・Ca拮抗薬、ARB/ACE阻害薬

2.心不全 ・・・ARB/ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬

  *ARB/ACE阻害薬とβ遮断薬は少量kら開始し、注意深く漸増します。

3.心房細動(予防)・・・ARB/ACE阻害薬

4.頻脈 ・・・ Ca拮抗薬(非ジジドロピリジンCa拮抗薬)、β遮断薬

5.狭心症・・・ Ca拮抗薬、β遮断薬(冠攣縮性狭心症には注意)

6.心筋梗塞後・・・ARB/ACE阻害薬、β遮断薬

7.尿蛋白 ・・・ ARB/ACE阻害薬

8.腎不全 ・・ ・ARB/ACE阻害薬、利尿剤(ループ利尿薬)

9.脳血管障害慢性期・・・Ca拮抗薬、ARB/ACE阻害薬、利尿薬

10.糖尿病/メタボリックシンドローム・・・ARB/ACE阻害薬

11.高齢者 ・・・ Ca拮抗薬(ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬)、ARB/ACE阻害薬、利尿薬

 

それぞれの薬剤には禁忌(使ってはいけない場合)と慎重使用例(充分に注意して使用する)がありますので、注意が必要です。

 

1.Ca拮抗薬

 1)禁忌 ・・・ 徐脈(非DHP系)

 2)慎重使用例・・・心不全

2.ARB

 1)禁忌 ・・・ 妊娠、高カリウム血症

 2)慎重使用例・・・腎動脈狭窄症

3.ACE阻害薬

 1)禁忌 ・・・ 妊娠、血管神経性浮腫、高カリウム血症

 2)慎重使用例

4.利尿剤(サイアザイド系)

 1)禁忌・・・通風、低カリウム血症

 2)慎重使用例・・・妊娠、耐糖能異常

5.β遮断薬

 1)禁忌 ・・・ 喘息、高度徐脈

 2)慎重使用例・・・耐糖能異常、閉塞性肺疾患、抹消動脈疾患

*両側性腎動脈狭窄症の場合は禁忌

 

降圧薬を使用する場合は医師の指示にしたがい、その方の病状にあった薬を処方してもらい、注意深く服用しつつ定期的な経過観察が必要となります。

くれぐれも自己判断で降圧剤を服用したりしないようにしましょう。

 

 

高血圧治療のガイドライン~血圧分類と脳血管リスク~  

血圧とは血管内(動脈)の血液の持つ圧力のことを言い、心臓の収縮期と拡張期の圧力のことを言います。

 

本来は心臓の左心室から大動脈弁を出た直後の大動脈内圧のことをいいます。人間の血圧の正常範囲は収縮期血圧で130mmHg、拡張期血圧で85mmHg未満とされていますが、本来血圧コントロール機能が正常な方は、血圧が上昇したときに自律神経を介した反射性制御で自然に正常な血圧にもどります。

 

しかし、正常範囲が超えた血圧がもとにもどらないまま維持されてしまう状態を高血圧症と呼び、心臓疾患や脳血管障害のリスクとなります。

 

血圧のコントロールがきちんと行われないと、突然死などを起こしやすいため、国内外でその治療のガイドラインが設けられています。

 

高血圧の分類

成人における血圧値の分類

1.至適血圧・・・・・・収縮期血圧が120未満かつ拡張期血圧が80未満

2.正常血圧・・・・・・収縮期血圧が130未満かつ拡張期血圧が85未満

3.正常高値血圧・・収縮期血圧が130~139または拡張期血圧が85~89

4.Ⅰ度高血圧・・・・収縮期血圧が140~159または拡張期血圧が90~99

5.Ⅱ度高血圧・・・・収縮期血圧が160~179または拡張期血圧が100~109

6.Ⅲ度高血圧・・・・収縮期血圧が180以上または拡張期血圧が110以上

7.(孤立性)収縮期高血圧・・・収縮期血圧が140以上かつ拡張期血圧が90未満

 

血圧に基づいた脳心血管リスク

リスク層(血圧以外のリスク要因

1.リスク第一層(危険因子がない)の場合

 1)正常高値血圧・・・付加リスクなし

 2)Ⅰ度高血圧 ・・・低リスク

 3)Ⅱ度高血圧 ・・・中等リスク

 4)Ⅲ度高血圧 ・・・高リスク

 

2.リスク第Ⅱ層

糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタボリックシンドロームがある。

 1)正常高値血圧・・・中等リスク

 2)Ⅰ度高血圧 ・・・中等リスク

 3)Ⅱ度高血圧 ・・・高リスク

 4)Ⅲ度高血圧 ・・・高リスク

 

3.リスク第Ⅲ層

糖尿病、CKD(慢性腎臓病)、臓器障害/心血管病、3個以上の危険因子のいずれかがある場合は、全て高リスクとなる。

 

いずれにしても、高血圧が脳心血管疾患のリスク因子になる事は確かです。

 

すでに高血圧症と診断されている方は、医師の指示に従い、血圧のコントロールをしっかりと行う必要があります。

 

 

高血圧の薬物治療~降圧剤使用の変遷 

高血圧症の研究ととともに、治療に際して使用される薬の使用方法などは変化してきています。

 

単剤から多剤へ

元々高血圧の薬の処方の方法は、単剤で降圧薬治療をはじめ、降圧が目標値に達しない場合は、最初の薬を増量、あるいは他の降圧剤との併用をするという流れが勧められていました。しかし、作用の異なる降圧剤の併用は降圧効果が増強するだけでなく降圧剤による副作用の軽減が認められたことによって、初期治療に受け入れられ、1997年のアメリカのガイドラインではいくつかの降圧剤を併用することが初期治療の補助的な選択肢になりました。というのも複数の降圧剤を服用するということは、それぞれの降圧剤が低用量になり、依存性の副作用が低頻度になりながら有効性が増すといった効果が実証されたためです。

 

WHOが出した2003年のガイドラインでは利尿薬を初期治療薬とし、さらに全てのクラスの降圧剤の効果を増強する作用を持つことから、利尿薬を多剤併用の構成薬剤として多用することが望ましいとしていました。しかしその後、2007年のガイドラインでは初期治療薬をACE阻害薬、Ca拮抗薬、少量の利尿薬と拡大し、必要に応じて増量をし、二次的に薬を追加する場合は異なる種類の降圧薬を用いると変更されています。

 

また、欧州で2003年に発表されたガイドラインでは、降圧薬は利尿薬に限らず単剤での低用量、あるいは低用量での2種類の降圧剤の併用で開始し、2007年でもこの考えが引き継がれています。ただし、β遮断薬と、サイアザイド系利尿薬の組み合わせ、β遮断薬とα遮断薬の組み合わせが推奨から外されました。特にβ遮断薬とアサイアザイド系利尿薬の併用は異常代謝を引き起こす可能性がある為、患者の発症疾患によっては避けることが望ましいとされています。

 

2009年の日本のガイドラインでは、合併症のない高血圧では少量で一種類の降圧剤から、通常量の単剤あるいは少量の併用と段階を決めて初期治療を開始するとしています。また日本における高血圧の合併症では脳卒中が高頻度であり、脳卒中の抑制効果にはCa拮抗薬が従来の降圧薬より効果が大きいとされていますので、Ca拮抗薬とRA系阻害薬との併用は高く評価されています。

 

高血圧の薬物治療は日々研究され、変わっていきます。特に日本の治療の流れには注目していたいですね。

 

 

高血圧の症状と薬物治療についての基礎知識

日本人のほとんどの高血圧は「本態性高血圧」と呼ばれる、特に病気などのはっきりとした原因がわからない高血圧だといわれています。高血圧が起こる原因はさまざまで、年齢、肥満、ストレス、アルコールの摂取、煙草などがあげられます。

 

◆高血圧になると・・

合併症のない高血圧には自覚症状がないといわれており、気が付かないうちに動脈硬化を悪化させ、それによりさまざまな合併症を引き起こしてしまいます。治療方法は食事や運動などの生活習慣を正すことが基本にあり、症状の程度や医師の判断によって薬物療法、サプリメントなどでの栄養療法などが選ばれます。

 

◆高血圧の薬物療法

高血圧の程度がひどい場合、食事や運動などの非薬物療法で血圧がコントロールできない場合などは医師の判断により降圧剤などの薬物療法がおこなわれます。2014年の4月に施行予定の、「高血圧治療ガイドライン2014改定概要(案)」によると、合併症のない高血圧患者に使用される第一選択薬は以下のようになっています。

 

●ARB

 

●ACE阻害薬

 

●カルシウム拮抗薬

 

●利尿薬

 

以前までは主要な降圧剤のひとつに含まれていた「β遮断薬」は、脳卒中の抑制に関して他剤に劣るとの理由から,合併症のない場合の第一選択薬からは除外されました。

 

◆高血圧の症状は合併症の症状?

高血圧には基本的には自覚症状がないといわれています。ですが、更年期障害や、肥満の併発、また、高血圧の進行とともにさまざまな合併症を起こしやすいこともあり、頭痛、めまい、だるい、動悸などの原因不明の自覚症状をうったえる人もいるようです。高血圧は基本的には食生活の改善や運動をするなどの日常生活での注意で予防、改善することが可能です。薬物に頼りだすと、なかなかやめることは困難で、一生降圧剤を飲み続ける人も多いため、なるべく自分で生活習慣の改善をはかりましょう。

 

高血圧には優れた降圧剤があり、血圧コントロールを容易にしてくれる一方で、薬に頼りすぎると薬をやめられなくなってしまいます。薬を飲んでいるから大丈夫ではなく、なるべく薬を飲みだす前から生活習慣の改善などで血圧をコントロールしましょう。

(Photo by:http://www.ashinari.com/2011/03/05-345754.php)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-01掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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