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生活習慣病

降圧剤データ改ざん事件 どうして起こったのか?

  

市販の降圧剤として良く使用されていたバルサルタン(商品名:ディオバン)のデータ改ざん事件をニュースで聞き、思わず自分が飲んでいた薬を確認したという方も多かったのではないでしょうか。


実はこの薬は2000年に日本で国内販売が認められ、降圧剤として血圧を下げる効果のほかに心疾患や脳血管疾患の予防に効果があるということで、他の降圧剤よりも薬価が高いにもかかわらず、広く処方された薬です。


バルサルタンはあくまでも高血圧症の治療薬で、実際の降圧剤としての効果は認められています。


販売している製薬会社はノバルティスファーマ社で(本社はスイス)、開発自体は日本ではなく海外で正式採用されたものです。日本でも採用はされましたが、海外の製薬会社の商品は、その国で商品を流通させる(売る)ために、国内で信頼のおける大学病院からのお墨付きが欲しいわけです。そこで今回のような事件が発生しました。


大学側は、病院内で実際にバルサルタンを患者に使用し、そのデータを採取して研究結果を論文として発表します。それが学会で発表され、国内の医師はその発表を聞き(またはその論文を学会誌などで読んで)、患者によかれと思って実際に処方をします。

 

もちろん、有名な大学(しかも5つの有名大学)がきちんとしたデータを取っているということを、医師は信用して処方をしているわけですから、医師には罪はないといえるでしょう。


悪質なのは、採取したデータ編集の際に、製薬会社側の人間が介入してデータを改ざんしているらしいということです。論文作成に当たっては、数千人の血圧や検査結果のデータ処理作業が必要になってくるため、おそらく大学側は猫の手も借りたい状況の中、データ処理担当者として紹介された人物をスタッフとして採用したのでしょう。

 

無論、大学側がスタッフの身辺調査をきちんと行わなかったことは落ち度と言えますが、悪意をもったスタッフが研究グループの中に介在しているとは思いもしていなかったでしょう。


結果として、バルサルタン降圧効果だけではなく、心疾患や脳血管疾患の予防に効果があるという論文の内容を、ほとんどの医師は信用して薬を処方しました。過去12年間の国内額は約1083億円とも言われています。

 

要するに、降圧効果だけであれば他の薬でも十分であったのに、付加効果を期待して高い薬を処方し(または処方された)、医師や患者は、まんまと誇大広告に騙されたという結果になります。


血圧を下げる効果自体は確かですので、その点は心配ないといえますが、腹立たしいことこの上ない事件だと言えるでしょう。

 

 

(Photo by://www.ashinari.com/2012/12/21-374365.php )

著者: kyouさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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