妊娠・出産
重症化してからではもう遅い?病院に行くべき悪阻の症状とは
妊婦にとって大きな試練の一つである悪阻。悪阻は、妊娠5週目から16週目にかけて発生する吐き気や嘔吐の症状を指します。
悪阻は、妊娠をしたことがある方なら、一度は体感したことがある症状の代表例。症状が軽い時は、安静に過ごして悪阻の時期が終わるのを耐えるのが一般的です。
ただし、安静しても悪阻の症状が重い場合は、病院に行くことを考えなければいけません。今回は、悪阻を重症化させる危険性、症状をご紹介します。
悪阻が重症化した妊娠悪阻とは?
つわりの症状が重症化したものを妊娠悪阻と言います。つわりと妊娠悪阻を区別する明確な基準はなく、症状の重さである程度区別ができます。
つわりの場合は、主に吐き気や嘔吐、倦怠感、眠気などの症状ですが、我慢ができる程度で治療をする必要もなく済みます。
ただし、妊娠悪阻は、何度も嘔吐を繰り返し、ほとんど食事ができないという状態が1日中続くのが特徴。
更に症状が悪化していくと、ビタミンB1が欠乏したことで起こるウェルニッケ脳症になる可能性もあります。
ウェルニッケ脳症は、眼球が思うように動かない、ふらふらして歩けない、物忘れが激しくなり朦朧としてしまうなどの症状がおこる危険な病気です。
悪阻で病院に行く目安は?
妊婦さんなら誰しも経験したことがある悪阻。ただの生理的現象だからと我慢してしまう方が多いと思いですよね。
しかし、このような危険な症状になる前に早めに病院で治療を受けることが何よりも大切になります。
では、どのタイミングで病院へ行けばいいのでしょうか。以下の点が、病院に行くべき悪阻の症状として参考になります。
・水がまったく飲むことができない
・3日ぐらい食べ物が一切のどを通らない
・一日に10回以上吐いてしまう
・体重が3-5キロ、自身の体重の10%程度減ってしまった
・脱水症状の影響でトイレの回数が急激に減った
・日常生活が送れない
ただし、これらの症状がなくても、どうしても我慢ができないときには病院に行くことをおすすめします。
体のことを一番わかっているのは、自分自身です。特に、初めての妊娠の時には判断をすることが難しいと思うので、不安な場合は医師の診断を仰ぐようにしましょう。
心因的なストレスが悪阻を悪化させることも
悪阻には、心因的な原因もあると言われています。妊娠をしたことは、喜ばしいことでもありますが、妊娠に伴う生活や体の変化、お腹の赤ちゃんを守らなければいけないというプレッシャーは、知らず知らずのうちにママへ精神的なストレスをかけている可能性があるのです。
お医者さんや看護師に自分の症状を話したり、つらい状況について聞いたりしてもらうだけでも気持ちが楽になり症状が軽減することがあります。一人で我慢をして溜め込まないようにしてくださいね。
重症化した時の対処法は?
重症化した妊娠悪阻の場合は、入院が必要な場合があります。病院では、点滴による水分補給のほか、ビタミンや糖類などの栄養分も点滴投与がされます。
また日常生活の中では、水分を多くとるように心がけるようにしましょう。
水を飲んでも吐いてしまうような症状が重い方も、少しでも水分が体の中に入ることが大切です。飲める範囲で水分を摂取するようにしてください。
さらに、ビタミン・ミネラルは、母体を育てるのに重要な栄養素。食事をとることがつらいという方は、サプリメント等で栄養を補うことも大切です。
ただし、サプリメントには妊娠中飲むことのできないものもあります。必ずラベルを確認してから購入をするようにしましょう。
つわりが辛ければ、早めに対応してもらおう
吐き気や嘔吐は、悪阻の典型的な症状。多くの妊婦さんは、つらい悪阻の期間を我慢して送っていますが、我慢しすぎるのも禁物です。
悪阻の症状を悪化させることにより、ウェルニッケ脳症は、眼球運動や意識障害が残る危険性もあります。辛くなった場合は、早めに産婦人科に行き、状況を説明して必要に応じて対応してもらいましょう。
(Photo by:https://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部