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情緒不安定性パーソナリティ(人格)障害の診断基準とは

日本での精神障害に関する診断に用いられている「ICD」では、パーソナリティ障害は8種類あり、その1種類である『情緒不安定性パーソナリティ障害』の下に「衝動型」と「境界型」があるとされています。

 

日本ではこの後者である「境界型」に大きくスポットを当てられがちですが、ここでは両方の患者さんについて、広くまとめてみました。

 

パーソナリティ障害とは?

かつて人格障害と言われましたが、「もって生まれた性格で治らない」と差別的にとられがちだったために、『パーソナリティ障害』に名称が変更しています。

 

先天的遺伝と後天的環境の両方から作られる感情の障害であり、様々なパターンの患者さんがいます。周囲の理解を得る努力や、本人の工夫、治療で、障害を乗り越えることが可能です。

 

情緒不安定性パーソナリティ障害の診断基準

以下、ICDの診断基準です。

 

・感情の不安定さを伴い、結果を考慮せず衝動に基づいて行動する傾向が著しい。

・あらかじめ計画を立てる能力にきわめて乏しく、強い怒りが突発し、しばしば暴力あるいは「行動爆発」にいたることがある。

・衝動行為を他人に非難されたり、邪魔されると容易に感情の爆発が悪化する。

 

◎衝動型の場合

・情緒の不安定と衝動統制の欠如が激しくめだつ。

・暴力あるいは脅し行為が、とくに他人に批判された場合、突発するのが常である。

・爆発的および攻撃的パーソナリティ障害と合併、混同していることがある。

・非社会性パーソナリティ障害は省く。

(非社会性パーソナリティ障害:社会的責務を無視、他人への異常なまでの冷淡さと攻撃性を特徴とする)

 

◎境界型の場合

・情緒不安定ないくつかの特徴が存在し、それに加え、患者自身の自己像、目的、および内的な選択(性的なものも含む)がしばしば不明瞭であったり混乱したりしている。

・通常絶えず空虚感がある。

・激しく不安定な対人関係に入りこんでいく傾向があり、追い詰められたような感情に陥りやすく、見捨てられることを避けるための過度な努力と、自殺の脅しや自傷行為を行うことがある。

(しかしこれらは何の引き金がなくても、突発的に起こりうる) 

 

パーソナリティ障害はまだまだ知られていない障害です。別々に育てられた双子の研究において、両方に同じパーソナリティ障害がみられることがあるという研究結果もあり、遺伝的要素の大きさも示唆されています。

 

まずは自分が自分の性質を熟知する事、次に周囲に理解してもらう工夫・努力、薬の服用などで生活を工夫していくことが大切です。周囲に疑わしい方がいたり、自身のことで悩まれている方はぜひ、精神科または精神科併設のカウンセリングルームなどへ受診してみましょう。

 

障害による孤独から脱出し、理解者を一人でも得ることが克服の第一歩となります。

 

情緒不安定性パーソナリティ(人格)障害「衝動型」と「境界型」それぞれの治療

情緒不安定性パーソナリティ障害には、「衝動型」と「境界型」があります。日本では境界型が多いのですが、ここではその両方の治療についてまとめました。

 

情緒不安定性パーソナリティ障害「衝動型」の治療

認知行動療法など、薬以外の治療とカウンセリングに積極的に取り組んでいる精神科への受診がお勧めです。

 

先ずは自分の性質を把握することからはじめ、どういうときに暴走しやすいのか、暴走をどのように止めていくのかなど、現実的な課題とそれに対する工夫(社会的スキル)を積み上げていくことが先決です。

 

それと並行して、薬の使用も有用です。大人しく過ごすべき場面、職場や学校で落ち着くために使い、トラブルを減らし安定を得ることで、不安の軽減を図ります。

 

衝動型の方も境界型と同様、人との距離感を大変とりにくいのですが、境界型に比べて自殺で自己アピールすることは比較的少ないように筆者は感じます。どちらかというと、相手の発言や行動を自分の都合の良いように(拒否されていても好意的に)とりすぎて、相手が望んでいない行動をとりやすいです。

 

そのような暴走しやすい他人との距離感も、認知行動療法や定期的なカウンセリングで、実際の場面を想定して話し合い、良好な関係を築くための行動を習得していけば、解決していくケースも多いです。同じようなタイプの患者の会に参加し、仲間を作ることで、より前向きに人生を送っている方も大変多いです。

 

情緒不安定性パーソナリティ障害「境界型」の治療

※境界型パーソナリティ障害と同じ病気です。

認知行動療法など、薬以外の治療も積極的に取り組んでいる精神科への受診をお勧めします。

 

境界型の患者さんは遺伝的要素に加え、以下のことが重なると発症しやすいと言われています。

・うつ病の家族がいる

・養育者にネグレクトを受けていた

・離婚や死別により養育者との別離を経験している

 

こうしたことから、「見捨てられ不安」「分離不安」が強くなり、他人へ依存しすぎてトラブルになったり、恋愛を経験し始める10代後半から30代にかけて、特に女性への発症が多く見られます。上記不安から衝動的に自殺したり、うつ病を発症することで、最初の精神科受診に至るケースが大変多いです。

 

まずは、自殺やアルコール、薬物への衝動行為への危険性の排除が優先します。入院が必要な場合もあるでしょう。投薬も衝動性の危険をおさえるために有用です。

 

次に、自分の性質の把握をし、自分を客観視できるようになることが大切です。不安から間違った思い込みをたくさん抱えていますので、そういった考えの偏りを認識し、生活に根差した信念に変えていくこと、同時に誤解を受けやすいコミュニケーションをやめ、伝わるコミュニケーション力を身に着けていくことが大切です。

 

家族や周囲への強い依存が多く見られますので、依存しすぎない関係を周囲と築くトレーニングも大切です。(連絡をとる回数を決めたり、連絡を衝動的にとりたくなった時の対処法を身に着けるなど)

 

そのように、社会へ出る訓練をゆっくり行いながら、同時に周囲に理解者を増やしていく、また通院終了後も同じ病気の者同士集まり、社会的な不安の解消法を話し合っていけるつながりをもつなど工夫をすることで、障害を持っていない人と同じように社会参加や結婚などクリアしてる方も増えています。

 

以上のような点をふまえ、治療を始めていない方は、積極的に治療に参加していきましょう。

 

(Photo by:http://pixabay.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-20掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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