カラダノート家族の健康を支え笑顔をふやす
  1. カラダノートTOP >
  2. メンタル >
  3. 不安・恐怖 >
  4. 心気症に多い症状にはどんなものが?原因とは?症状の段階別まとめ~主な治療薬

メンタル

心気症に多い症状にはどんなものが?原因とは?症状の段階別まとめ~主な治療薬

 

心気症の症状は人それぞれ、多岐に及びますが、共通する症状もあります。典型的な心気症の症状、特徴を挙げます。

 

身体症状

心気症の人が訴える症状は、次のようなものがあります。

 

・全身症状:倦怠感、疲労感、不眠など睡眠障害

・呼吸・循環器系症状:動悸、胸苦しさ、呼吸困難

・消化器症状:胃痛、ムカつき、胸やけ、下痢、便秘、食欲不振

・生殖器症状:性欲減退、性機能低下、頻尿、月経不順、月経痛

・感覚症状:筋肉痛、関節痛、頭痛、めまい、しびれ、体がムズムズする

・精神症状:集中力低下、記憶力低下

 

心気症の人が訴えるこれらの症状は、本人は実際に感じているケースがほとんどです。誰しも1度くらいは経験したことがありそうな症状ですが、そこから深刻な病気であると信じ込んでしまいます。不調を感じている部分に意識を集中させるため、感覚が研ぎ澄まされて症状を強く感じると推察されます。

 

精神状態

常に体の不調が気になり、心配でいてもたってもいられなくなります。悩み過ぎないよう気を紛らわせるのではなく、心配を裏付けるような情報ばかり集め、ますます不安をつのらせます。病気のことが気になるあまり、仕事や学生生活に支障をきたすこともあるでしょう。

具体的な行動に出るのも心気症の特徴で、医師に相談したり、病院で検査を受けたりします。検査結果に異常がなく、医師が「問題ありません」と伝えても信じません。繰り返し病気ではないかと訴え、検査をするよう要求します。診断結果に納得がいかず、複数の病院を渡り歩くケースも。「病気ではないか?」という訴えは、家族など身近な人にも向けられます。

 

病院へ行く、医師や家族に不安を訴えるといった症状は、周囲の人が心気症に気づくきっかけになります。頭から否定するほど頑なになってしまうので、対応には注意が必要です。

 

 

心気症の原因~きっかけになりやすい出来事とは?

心気症は、何らかの出来事が引き金になって発症します。その「出来事」は分かりやすい場合と、本人も気づかないようなことがあります。心気症のきっかけになる出来事の具体例を挙げます。

 

身近な人の病気・死

心気症の発症につながりやすいのが、身近な人が病気にかかったり亡くなったりすることです。家族など自分と近しいほど、強い影響を受けます。「家族が病気になったのだから、遺伝的に自分も病気になるのではないか」という具体的な心配もあれば、親しい人を失った悲しみやストレスが心気症を招く場合もあります。

病気や死が最近のことではなくても、心気症のきっかけになります。特に幼いころ、自分の家族が病気になったり亡くなったりした時の印象が強いと、のちに心気症を発症するケースがあります。

 

自分の病気・手術

病気の軽重にかかわらず、何かの病気に罹患したのをきっかけに心気症になったります。「本当は病気が治っていないのではないか」「別の病気を発症しているのではないか」と、疑いがちです。1度は本当に病気になっているため、その疑いは強く、周囲が否定しても信じにくいでしょう。

病気や手術で心身に負担がかかるのも、心気症発症の要因です。

 

過労・ストレス

過労で心身に重い負担がかかっている、職場や家庭でトラブルになりストレスが強い時に心気症を発症することがあります。ストレスによって抑うつ状態になると心気症になりやすいといわれます。過労・ストレスがある状態で過度の飲酒や不規則な生活を繰り返すと、心気症になりやすいでしょう。

 

環境や出来事だけではなく、本人の性格も心気症の要因です。細かいことを気に病み、真面目で融通が利かない性質の人は、心気症を発症しやすいでしょう。いろいろな原因が絡み合って、心気症につながります。

 

 

心気症の種類とそれぞれの症状

心気症にも、症状の強さや継続期間によっていくつかの種類があります。それぞれの特徴をまとめました。

 

心気症の基本症状

「自分が病気ではないかという考えにとらわれ、周囲にそれを訴え続ける状態」が、心気症の基本的な症状です。「周囲」とは、主に家族や知人、医師などです。

 

健康な心気症

一時的に自分の健康や病気の可能性について心配になり、心気症の軽い症状を呈します。たとえば「健康診断で病気ではないがあまり良くない数値が出た」「家族や友人が病気になった」「テレビやインターネットで見かけた病気の前兆に自分が当てはまっている気がした」などの出来事がきっかけになります。実際に病院へ行く人もいますが、時間の経過とともに気に病まなくなります。誰しも1度くらいは自分の健康状態が気になったことはあるでしょう。「健康な心気症」は、その範囲にとどまります。食生活を見直すなど、プラスに働く場合もあります。

 

一過性心気症

心気症の診断基準には「重病であると信じている、または恐れている」「検査をしても病気は発見されない」「医師の診断や検査結果を得ても思い込みが消えない」「思い込みの激しさは、妄想ほど強くない」の4項目に加え、これらの症状が「6か月以上続く」という項目があります。一過性心気症は、6か月に満たない症状を指します。一時の取り越し苦労として治まるケースもありますし、そのまま思い込みが続いて心気症にいたるケースもあります。

 

二次性心気症

パニック障害、うつ病、種々の不安障害といったほかの精神障害の合併症状として発症する心気症があります。特にパニック障害では心気症の併発が多いといわれます。

 

心気神経症

ほかの精神障害が無く、神経症として発症する心気症を指します。若年層に多く、神経質な性格の人に多い傾向です。

 

単に「心配性」の範囲にとどまる症状もあれば、実はほかの精神疾患も発症している場合もあります。心気症のような症状があれば、早い段階で受診しましょう。

 

 

心気症の具体的行動とは?症状の段階別まとめ

自分は重病だと思い込んでしまう心気症。思い込むだけではなく、さまざまな行動に出るのが心気症の特徴的な症状です。心気症の人は具体的にどのような行動をとるのか、段階を追って説明します。

 

心気症になるきっかけ、初期

たまたま見かけた病気の情報や、軽い体調不良、身近な人の病気や死をきっかけにして「自分は病気かもしれない」と思い込みます。医学書やインターネットで病気の情報を調べ続け、その中でも悲観的な情報を信じ込んで「重病の症状と自分は同じだ」と強い不安を抱きます。常に病気のことが頭を離れず、仕事や勉強、家事などやらなくてはならないこともおろそかになるでしょう。

 

中期

家族など周りの人に体調への不安や、重病ではないかという疑念を伝えます。実際に病院へ行き、医師に相談したり検査を受けたりもします。しかし、結果が「異状なし」でも信じようとしません。インターネットで調べた情報をまとめたものなど、「自分が病気だと信じる根拠」を持参する人もいます。

それでも「異状なし」といわれれば、安心するのではなく「医師が間違っている」と思います。ほかの病院へ行き、同じことを繰り返します。自分が病気だという思い込みを裏付けるような結果が出るまで病院を渡り歩く、「ドクターショッピング」という状態です。

 

かなり症状が進んだ心気症

周りの人が「病気ではない」と否定すればするほど孤独感を募らせ、ますます頑なに信じ込んでしまいます。ささいな身体症状にも敏感になり、不安感から嘔吐や下痢、胃痛といった症状を実際に生じるようになります。手足のしびれ、関節痛、腹痛などさまざまな症状が表れ、「やはり重病に違いない」と、うつ状態に陥る人もいるでしょう。

 

心気症が進行すると、本当に体調を崩すこともあります。「病は気から」といいますが、否定するほど逆効果になるので専門医による治療をお勧めします。

 

 

心気症治療に使われる漢方薬には何がある?

東洋医学では「体と心はたがいに作用し合い、表裏一体のもの」と考えます。精神的なトラブルを「気の流れが滞っている」ととらえ、気の流れを整える漢方薬を用いて治療します。心気症治療に使われる漢方薬をまとめました。

 

加味帰脾湯(カミキヒトウ)

虚弱体質で繊細な人向けの漢方薬です。貧血や胃弱の改善にも用いられます。過度の緊張、苛立ち、不安を鎮める効果もあります。

配合されている甘草を多量摂取すると、血圧の上昇やむくみが起こる恐れがあります。ほかの薬との飲み合わせに気を付けましょう。胃のムカつき、下痢、発疹やかゆみが生じた場合も服用をやめて医師に相談してください。

 

半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

疲労感や倦怠感が強く、冷え症で神経質の人向けの漢方薬です。喉の症状を和らげる効果があり、咳や吐き気がひどい時にも処方されます。抑うつ症状、不眠、動悸、めまい、イライラからくる胃痛改善が期待できます。

 

柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)

血行を良くし、炎症を和らげます。興奮を鎮め、気持ちを落ち着かせるためにも使われます。胃痛、消化不良、下痢、吐き気など消化器症状がある時は服用を避けてください。

 

香蘇散(コウソサン)

初期の風邪にも用いられる一般的な漢方薬で、熱や腫れを取り除きます。頭痛、じんましん治療でも処方されます。繊細な性格で、体力が無い人に向いているでしょう。

 

黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

体温が高く、基礎体力があり、高血圧の人に向いている漢方薬です。ほてり、のぼせ、頭痛、鼻血、耳鳴りといった症状に使われます。虚弱な人は使用に向きません。まれに間質性肺炎、肝障害、腸間膜静脈硬化症などの副作用が生じることがあります。服薬後に咳、息苦しさ、倦怠感、吐き気、食欲不振、下痢、慢性的な腹痛といった症状が表れたら、すぐ医師に相談しましょう。

 

心気症の治療は難しく、西洋医学的なアプローチでは症状が改善しないケースもあります。選択肢の1つとして漢方薬治療も考慮に入れてはいかがでしょうか。

 

 

心気症の薬物治療~主な治療薬

心気症の治療にはさまざまなアプローチがあり、薬物療法もその1つです。主に用いられる薬と、その作用を紹介します。

 

抗不安薬

心気症治療で最も多く使われるのが、抗不安薬です。強い不安、それに付随して起こる心身症状を鎮めるために服用します。中でもベンゾジアゼピン系の薬物が主流で、ジアゼパム、プロマゼパム、ロラゼパム、エチゾラム、アルプラゾラムなどがこれに含まれます。ベンゾジアゼピン系薬物は、原則として2週間以上の使用をしません。離脱症状、依存症状が生じる可能性が高い薬物です。ほかの薬物による治療が奏効するまでの期間に限って使われるケースが多いでしょう。一時的な心気症の改善には効果が期待できます。

 

抗精神病薬

躁状態、統合失調症などの治療薬です。薬事法上の劇薬に指定されており、内分泌障害や性機能低下、口渇、便秘、循環器障害といった副作用があるため、用量には注意が必要です。心気症治療にはスルピリドという薬物が用いられるケースが多いでしょう。胃潰瘍・十二指腸潰瘍治療の薬でもあります。吐き気、口渇感、ふるえ、不整脈などの副作用をもたらすことがあります。

 

抗うつ薬

抑うつ状態が持続している人に投与する薬で、不安障害の中でもパニック障害や強迫性障害で使われることが多いでしょう。心気症はパニック障害の人が併発することもあるため、双方の症状改善を目的に用います。服用から効果の発現までは2~6週間かかるのが一般的です。

イミプラミン、クロミプラミン、アモキサピンといった三環系抗うつ薬が、心気症治療の代表的なものです。

 

薬物療法のメリット・デメリット

重度の心気症で実際にさまざまな心身の不調に陥っている場合、薬効で一時的に症状を改善し、負担を取り除いたところで本格的な治療に取り組むことができます。心気症の人は、自分の思うような診断をしてくれない医師に対する不信感を持っている場合があります。薬物による治療は、「医師が自分の話に取り合ってくれている」という信頼回復のきっかけになるかもしれません。

ただし、いずれの薬も副作用や依存症のリスクがあり、根本治療にはなりません。

 

持病や体質によっては使えない薬もあります。服用の際は用量を必ず守ってください。

 

 

心気症の治療~「精神療法の種類」と「家族の対応方法」

ほかの不安障害、神経症同様に心気症治療にも精神療法・心理療法が行われます。家族など周囲の人の接し方も大切です。しかし心気症の人は思い込みが強く、治療や対応には困難を伴います。精神療法、家族の接し方について述べます。

 

精神療法の難しさ

心気症の人は重病にかかっていると信じ込んでいるため、精神科や心療内科で診察を受けること自体を拒むケースが大部分です。どうやって受診してもらうか、医師と信頼関係を築けるかが心気症治療のカギになります。

 

精神療法の種類

・森田療法

死や病気への不安が心気症の根本にあります。その不安を排除するのではなく、受け入れたうえでどう生きるか?という建設的な考えを持てるよう促します。入院による森田療法では、規則正しい生活が基本になります。初めの1週間ほどは安静に過ごし、その後2~3ヶ月は作業に取り組む生活療法を実施します。

森田療法を受けるには、心気症の人が納得して取り組む必要があります。

 

・精神分析的精神療法

心気症を引き起こしている無意識の葛藤を解きほぐして改善を試みる療法です。生育歴や現在の感情を本人が語り、治療者がそれに共感することで症状が和らいでいきます。

 

家族の対応

心気症の人は繰り返し不安やいら立ちを周囲の人にぶつけるため、家族との関係が悪化しているケースも多々あります。「病気のわけがない」「気のせい」といった家族の言葉は心気症の人をますます追い詰め、病気に固執します。少なくとも心気症のせいで心身に不調を生じていることは事実です。その点に共感を寄せることが大切です。心療内科などの受診を勧めるなら、内科や外科で診療を受けた際に医師から勧めてもらうのも一案です。

 

まずは頑なになっている心に寄り添い、治療の糸口を探しましょう。

 

 

(Photo by:http://www.ashinari.com/2012/05/01-361548.php)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-19掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

不安・恐怖に関する記事

タナトフォビア、全般性不安障害など・・恐怖症の診断基準と種類

  恐怖症には高所恐怖症、閉所恐怖症など様々な恐怖症があります。 そしてタナ...


恐怖症の人ってどれくらいいるの?種類別に割合を紹介します!トライポフォビアという恐怖症も・・

ある特定の物事が怖い恐怖症の人に出会ったことがある、身近な人が恐怖症、という...

あえて恐怖を感じる!閉所恐怖症治療の逆説志向療法とは?

  閉所恐怖症の有名人と言えば歌手のGACKTさん、女優の水野美紀さん、そして...

カラダノートひろば

不安・恐怖の関連カテゴリ

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る