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健康診断・健康管理

認知症に有効な『ホスファチジルセリン』、『クルクミン(ウコン)』とは?

『ウコン』を摂取しすぎると、『肝炎』の恐れがある?

今月の(2014年3月)毎日新聞の記事に、ターメリックに含まれるポリフェノール『クルクミン』の摂取に関して医師へのインタビューから注意喚起が行われました。

 

クルクミンは、胆汁酸の分泌作用があることから飲酒による二日酔の予防への効果や、また近年では『アルツハイマー病』発症の原因とされる、脳に沈着する老人班(アミロイドβたんぱく)を消去する効果があるとして注目されましたが、この継続的な摂取が『肝炎』を引き起こす可能性があるため、『健康に良いと妄信しすぎないことが重要』と言われています。

 

では、許容範囲とされる摂取量はどの程度なのでしょうか?

以下では、その詳細について見ていきたいと思います。

 

クルクミンの効果とは?

<クルクミンとは?>

クルクミンは、ショウガ科の多年草である『ウコン』に含まれるポリフェノールの一種で、胆汁の分泌促進し、肝臓の働きをサポートする作用があると考えられています。50種類ほどあるウコンのうち、日本で栽培・利用されているのは主に『春ウコン・秋ウコン・紫ウコン』の3種類です。

 

<どのような効果がある?>

国立健康・栄養研究所のHPの情報によると、動物実験において【肝障害抑制、胆のう運動促進作用、健胃効果、抗炎症作用】の効果があると言われています。

 

クルクミンが肝炎を引き起こす機序とは?

ウコンが肝機能を悪化させる機序については、毎日新聞のインタビューに回答されていた名古屋大大学院医学系研究科の石川教授によると、

 

◆ウコンによる免疫強化によるもの

◆ウコンに含まれる鉄分の代謝不全によるもの

 

とされています。

 

上記のケースは多くの場合肝障害のある人に起こりやすいため、肝炎や肝硬変、胆のう炎など既に肝臓周辺に病気を抱えている人は、基本的にウコン製品の摂取を控えるべきであるとされています。

 

また『慢性のC型肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎』患者の方は、鉄分代謝に問題があるため、過剰に蓄積しやすい傾向にあるようです。

 

それ以外の場合、食物中に通常含まれる量であれば、おそらく安全、しかし基準を超える摂取については、信頼できるデータが十分ではないと国立健康・栄養研究所によって述べられています。

 

◆クルクミン自体は安全

⇒クルクミン自体は鉄分をほぼ含んでいないので、ドリンク剤を5~6本/日も飲むような習慣でもない限り、健康被害の恐れは少ないとされている。

 

摂取量の許容範囲は? 

クルクミンの許容摂取量は、国際的に体重3mg/kg以下と設定されています(体重50kgで150mg)。注意すべきは、上記のように市販のドリンク剤に含有されるクルクミン量です。

 

日本薬剤師会環境衛生委員会によって調査されたところ、全国で市販されるウコン製品52品中、最大含有量31.64mg/g当たりと大量に含むものまで検出されたようです。また、表示含有量よりも5.3倍も上回っているものも検出され、『健康に良いからといって妄信するのは禁物』と専門家によって指摘されています。

 

過去の健康被害の例とは?

過去の被害例としては厚生労働省による全国調査で、ウコン摂取による36名の肝障害が報告されています。また中には少数ではありますが、死亡例も報告されています。

 

<健康被害例>

◆38歳男性が飲酒による肝機能の低下を防ぐため、薬局でウコン加工食品とシジミエキスを購入後毎日摂取。2カ月後、みぞおちや背中の痛みを感じて受診したところ『劇症肝炎』と診断され、入院を余儀なくされた。アレルギーテストではウコンにのみ陽性反応が示された。(医療専門誌・臨床消化器内科09年3月号)

 

上記のように、純粋なクルクミン抽出物であれば鉄分は含有されておらず、肝障害などの持病がない限りは常用量の摂取では問題は起こりにくいとされています。

 

しかしウコン商品には、クルクミン量は記載されていても、鉄分量は記載されていないことが多く、この点に関して心配であればメーカーに含有量を問い合わせてみることも必要です。

 

認知症に有効な『ホスファチジルセリン』、実際はADHDに効果

『ホスファチジルセリン』の認知症改善効果は科学的根拠に乏しい?

 

『ホスファチジルセリン』は、人の脳や神経組織に多く含まれるリン脂質で、主に細胞膜の内葉に存在します。

 

近年この成分が健康食品として摂取した際に『認知機能改善』効果があったという報告がありました。しかし、米FDAにおいては、『科学的根拠に乏しい』とされ、認知症に対してよりむしろ注意欠陥多動性障害(ADHD)への効果の方が有効であるとされています。

 

以下では、その詳細について見ていきたいと思います。

 

ホスファチジルセリンとは? 

『ホスホ』=リン酸を意味しており、ホスファチジルセリンとは、セリンリン酸を含んだグリセロリン脂質のことを指します。主に脳や神経組織の細胞膜内葉に存在し、脳においては、全リン脂質の約18%を占めるとされています。

 

食品からの摂取では、植物性のものは主に大豆、動物性のものは主にウシ大脳皮質に含まれており、市販のサプリメントの原料になっていましたが、近年では狂牛病の問題から植物由来のものが主となっています。

 

<認知症との関連は?>

理論的には、ホスファチジルセリン摂取によって血中アセチルコリン値上昇の可能性があると言われています。アルツハイマー型認知症はアセチルコリン欠乏が要因ですので、これを補うことにより認知機能改善効果が見られると考えられています。

 

摂取の際の注意点とは? 

◆アセチルコリンエステラーぜ阻害剤(認知症薬、緑内障薬、重症筋無力症薬など)

との併用は、血中アセチルコリン値が上昇する可能性があり、副作用として【下痢、悪心・嘔吐、腹痛、徐脈、発汗、流涎、喀痰】、また濃度が上昇すると【意識障害、縮瞳、呼吸不全、痙攣】が生じる可能性があります。

 

認知症患者へのホスファチジルセリン投与試験について 

ホスファチジルセリンを認知症患者に投与した試験には以下のものが報告されています。

 

◆国立健康・栄養研究所のHPの情報

1)ウシ皮質由来のホスファチジルセリン経口摂取によって(6~12週間投与)【認識能・評価スコア全般の改善、行動評価スコアの上昇】が確認された。

2)同物質の経口投与によって、知能低下のみられる高齢者に【注意力、覚醒、言葉の流暢さ、記憶の改善】が見られた。

 

⇒上記2例とも、市販のホスファチジルセリン(大豆またはキャベツ由来)の効果に関しては不明である。

 

一方で、2003年5月のアメリカ食品医薬品局)による情報では、『FDAの評価の基礎となる、10の介入試験においてホスファチジルセリンの認知機能改善への効果はすべての項目において1つ以上の深刻な欠陥があり、科学的根拠に乏しい。』と述べられている。

 

ホスファチジルセリンのその他の効果について

認知症機能改善以外の効果にはどのようなものが挙げられているのでしょうか?

 

◆国立健康・栄養研究所のHPの情報

<注意欠陥多動性障害 (ADHD) の改善効果>

イスラエルで行われた、子供200名を対象とした比較試験では、ホスファチジルセリン300mg/日とEPA+DHA 120mg/日の15週間摂取でADHD症状が低減されたという報告がある。

 

◆出典不明(Wikipediaの情報による)

<ストレス耐性>

ホスファチジルセリン600~800mg/日×10日の摂取によって、コルチゾール(ストレス時に分泌)濃度の低下が認められたという報告がある。また、筋肉損傷の低減、気分を高揚させるなどの作用も報告されている。

  

上記の内容から、認知症治療の補助として用いるには科学的根拠に乏しく、また薬剤併用の危険性があるため、可能な限り服用しない方が良さそうです。ADHDやストレス耐性に対する効果は確認されているようですので、そちらの試験内容については引き続き情報を得る必要がありそうです。

 

認知症・末梢神経障害に有効!『アセチル-L-カルニチン』

神経細胞の修復作用があると期待される『アセチル-L-カルニチン』

 

近年『アセチル-L-カルニチン』という体内でも微量に産生される物質が、認知症をはじめ、糖尿病性の末梢神経障害から生じる神経炎にも効果があるとして報告されています。

 

神経炎への効果としては、神経細胞の修復と再生促進効果が確認されており、薬剤において確立できていないこの作用に大きな期待が寄せられています。以下では、その詳細について見ていきたいと思います。

 

アセチル-L-カルニチンは、ラム・牛肉に豊富に含まれる

脂質は、生体内で燃焼されエネルギーを産生の材料となりますが、カルニチンはその脂肪酸をミトコンドリア内部へ運搬する役割を担っています。食品には、主に肉食に含まれており特に羊や牛肉に豊富に含まれています。

 

体内では、10~20mg/日生成されますが、研究によれば神経障害に効果があるとされる量は【1g】程度とされており、食品から摂取が難しいようであればサプリメントによる摂取も勧められています。ただし、4g/日以上の摂取で吐き気や下痢などの副作用が報告されているので注意が必要です。

 

<食材中のL-カルニチン含有量(食材 mg/kg)>

◇ヤギ 2210 

◇仔羊 1900 

◇牛肉 1180 

◇豚肉 274 

◇鶏肉 80 

◇マグロ 34 

◇鮭 31

 

有効とされる疾病は?

生殖・泌尿器・内分泌

1)加齢によるテストステロン欠乏改善、性機能不全、抑うつ、疲労などの症状が改善

 

2)不妊症の男性の精子の運動能が改善

 

脳・神経・感覚器

1)アルツハイマー病の進行遅延、記憶の改善(アセチルコリン合成経路:血液脳関門を通過して脳内に到達し、コエンザイムA(CoA)にアセチル基転移、コリンと結合)

 

2)糖尿病性神経障害への神経伝導速度、感覚・運動の改善、疼痛の軽減(作用機序:細胞内のエネルギー産生と神経成長因子の効果を高めることで、修復促進させる)

 

骨・筋肉

1)線維筋痛症の疼痛閾値、圧痛点の減少

 

2)筋肉疲労を減少

 

副作用について

適切な摂取量を守る限りは、安全性は高いとされていますが、上記のように高用量(4g以上/日)で以下の副作用が指摘されています。

 

吐き気や下痢症状、甲状腺ホルモンの作用の軽減、乳がん患者の末梢神経障害症状の悪化、動脈硬化の原因物質トリメチルアミン-N-オキシドが産生されるという説がある。

 

また、薬剤併用に関する注意としては、以下の2点があります。

 

D-カルニチン摂取はL-カルニチンと競合し、L-カルニチン欠乏症を引き起こす可能性がある。

 

ワルファリンとL-カルニチンの併用抗凝固作用の増強の可能性がある。

 

臨床試験について

末梢神経障害や抗がん剤関連の臨床試験としては、以下の3例が報告されています。

 

抗がん剤『パクリタキセル』の痛み症状(末梢神経障害)の軽減効果(Neurosci Lett, 2006年)

【試験内容】

ラットの腹腔内に2mg/kgのパクリタキセルを隔日で4回投与し、痛覚過敏が現れたところで、14日間後にアセチル-L-カルニチン(50mg/kgと100mg/kg)を経口で投与した。

 

【結果】

痛覚過敏の発生を抑制。また効果は、投与終了後3週間以上持続した。

 

糖尿病性神経障害患者への感覚・運動神経の改善効果

【対象】

糖尿病性神経障害患者333名

 

【試験内容】

上記被験者に1年間2g/日を経口摂取させる(最初の10日間は1g/日を筋肉注射)。

 

【結果】

神経生理学的指標(神経伝導速度、感覚・運動の振幅)の改善と疼痛の軽減が見られたという報告がある。

 

アルツハイマー病患者への認知機能低下改善効果(Hudson S, Tabet N)

【対象】

50歳以上のアルツハイマー病患者431人

 

【試験内容】

上記の被験者にL-カルニチンを3g/日×12か月継続投与を行う。

 

【結果】

66歳以下の患者、あるいは進行が速い患者において、認知機能低下への効果がより現れることが示唆された。

 

最後に

医師によれば、『アセチル-L-カルニチン』摂取のために毎日沢山の肉を食べることは、高脂血症やコレステロール過剰、動脈硬化にも繋がるため現実的ではないとされています。

 

サプリメントによる摂取は、現在のところでは常用量による副作用は報告されていないので、こちらからの摂取が推奨されています。

 

photoby:http://pixabay.com/

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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