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全ての人生を忘れる解離性健忘、「全生活史健忘」 何が原因になるの?記憶を失った患者さんはどのような行動に出る?再発させないために…知っておきたいこと

 

精神疾患のひとつに解離性健忘と言う疾患があります。

よく言う記憶喪失と同じで、解離性とは「自分が自分であるという感覚がなくなる状態」であり、健忘とは「特定の記憶を忘れてしまう」ということをあらわします。

 

 

全生活史健忘

解離性健忘の中のひとつに全生活史健忘という種類があります。全般性健忘とも言いますが、その名称の通り、それまでの全生涯にわたる記憶を喪失します。

 

どんな人に発生するか?

家庭内不和が生じており、次第にその人にとっての安らぎの場がなくなるという経験をしているケースが多いようです。

このような経験によって、持続的にストレスの多い問題を抱え、何らかのきっかけによって意識障害やとん走(逃げるという意味)が起こり、この健忘があらわれます。こうした具体的な問題が生じるまではストレスをかかえながらも比較的良好な社会生活が送れています。

 

具体的にはどんなことが原因になるのか?

具体的には以下のようなことが原因になります。

・借金

・異性問題

・仕事

・進学

・病気

・家族の死

いずれにしても本人が葛藤状況にあり、持続的にストレスを感じています。

 

どんな経過を経るのか?

単純にこの健忘が進んでいくと臨床経過として以下のような経過を経ます。

意識障害期

無知受動期

記憶を取り戻す

情緒不安定期

回復後の気分障害の時期

多くの場合、記憶の回復からは比較的こうした単純な経過をたどります。

上記の葛藤状況に対して適切な打開策を講じることなく放置してしまい、それが悪循環を引き起こして、次第に自分自身を見失っていき、自分自身を否定する形になっていき発症していきます。

 

全てのこの健忘がこうした経過をたどるわけではなく、一部の記憶の回復で気分が揺らいだり、一部の記憶想起で終わってしまったりすることがあり、その場合には積極的に介入し十分に配慮して治療していくことが必要になります。

 

全て忘れてしまう…全般性健忘の「統計的特徴」・「精神症状的特徴」とは?

解離性健忘とはいわゆる記憶喪失のことです。「私はだれ?ここはどこ?」といった状況から、ほんの数分間の記憶が抜け落ちるものまであります。

その解離性健忘の中に全般性健忘というタイプの健忘があります。

 

それまでの記憶を喪失してしまう

全般性健忘は全生活史健忘とも言い、それまでの生涯の記憶を喪失する健忘です。

発病の準備状態として持続的なストレス、精神的葛藤の多い状態におり、何らかの原因によって意識障害やとん走が引き起こされ、全般性健忘に移っていきます。

 

全般性健忘の特徴とは

この健忘はどのような疾患の特徴を持っているのでしょうか。

以下に統計的な特徴、精神症状的特徴を挙げます。

●統計的特徴

・好発年齢は10代後半から20代

・男女比は1:2

・表面的には対人関係が豊富で明るく親しげにふるまうが自己主張ができない

・現実逃避的、抑うつ的あるいは自己破壊的になると言った病前性格を認める

・表面的な対人関係にとどまり社会的には孤立していることが多い

・顕陽性性格傾向や虚言壁が指摘されることもある

・多くは知能が平均以上

 

●精神症状的特徴

・慢性の持続的葛藤状況が認められる

→持続的葛藤状況とは例えば家庭内不和や貧困、経済問題…失業、性犯罪的問題、進学問題、失恋、離婚、病気、ケガ、近親者の死などの心理的な葛藤状態です。

 

・慢性の持続的葛藤状況が全般性健忘の発症に重要で、直接的な発症の要因は些細なもので、特定できるものでない

 

・解離性とん走が認められる例が多い

→解離性とん走とは何の前触れもなく家や職場から姿を消し、その間「自分が誰なのか」という自己同一性を失う障害です。

 

・自分のとん走に対して無関心で独特な態度を示し、つらぬくことが多い

→普通とん走後は衝動的な行動に出たり、混乱したりする傾向がありますが、そういった典型的な症状が見られません。

 

・短時間に自然回復する(大多数が数か月以内に回復)

 

・健忘出現前、あるいは健忘の回復前後に抑うつ状態が見られることが多い

 

・麻酔面接や催眠において、事実と一致しない著しく歪曲された供述をすることがある

 →麻酔面接や催眠というのはこれらによって意識レベルを眠らない程度に下げ、記憶を呼び起こさせる方法です。忘れた本来の記憶を取り戻すのが目的ですが、これにおいても患者さんは正しくない記憶を供述することがあります。

 

・知覚異常、失立、失歩、視野狭窄、失神、めまい、頭痛と言った転換症状を合併することがある

→転換症状とは、体の病気ではないのに体の病気のような症状が見られることです。

 

・離人症を認めることがある

→離人症とは現実感や自分の体が自分のものであるという感覚が希薄化し、物事に対しての実感が消失したような主観的感覚を指す言葉です。

  

上記は単純な経過をたどるタイプの健忘の特徴です。この他に不安定に経過をたどるタイプもあります。単純な経過をたどる分、記憶を回復させる過程も単純なのですが、不安定に経過をたどるケースでは、記憶の回復も複雑で難しいという特徴があります。

 

失われた記憶にどう対応する?記憶を失った患者さんはどのような行動に出る?

自分の身にトラブルが降りかかり、そのトラブルに対する自分の感情が自分の心を乱してしまい、バランスを保てなくなる、心が壊れてしまうと体が判断すると、それについての記憶を喪失させるという行動に出ます。

特に解離性健忘の場合、それについての記憶だけでなく、その人の自我意識を失わせるような記憶の喪失の仕方をします。

 

失われた記憶はどんな記憶?

解離性健忘は特に戦争や、事故、災害、性的虐待など、心的外傷を受ける体験をした人によく見られる疾患です。

そうした体験はしばしばその人の心を壊してしまうことがあり、それを避けるためにその記憶を選択的に忘れてしまうというのが体の防衛機能です。記憶の空白時間はごく短い間であることもありますし、その人がそれまで生きてきた人生すべてを忘れてしまうこともあります。

またしばしば、起きたことを次々に忘れていってしまう場合もあります。

 

では、選択的に記憶を忘れた患者さんはどのような行動に出るのでしょうか?

 

嘘をつく

特に慢性の健忘を生じている患者さんに多いようですが、その人が生きているその時の状況に対応するために、自分の中に偽りの情報をつくってしまい、それを実際の体験の記憶として話したり、知っているふりをしたりします。

これは悪意でしているわけではなく、患者さん自身は偽りである意識はありません。

 

ノートに書き留める

上記の通り記憶を次々に忘れていってしまう患者さんもいます。そのため、自分を記憶の喪失から守るためにノートなどに自分の記憶を移すこともあります。

 

記憶を失った後は本人も懸命にその状況を理解しようとし、適応しようとします。そうしたストレスも相まってしばしばうつ病を発症したりアルコール依存症、神経性過食症を発症したりするケースもあります。

 

解離性健忘を再発させないために…知っておきたいこと

解離性健忘は記憶喪失とほぼ同義語ですが、さまざまなパターンがあります。

特定の期間の記憶だけがない、特定の出来事や人に関する記憶がないなどで、大半は記憶の欠落に対する自覚があります。

解離性健忘を再発させないためにするべきこと、周囲や本人が気にかけたいことをまとめていきます。

 

●記憶の取戻しは治療のゴールではない

解離性健忘の患者、患者の家族の中には治療のゴールを記憶の取戻しに置いてしまう場合があるようです。

ですが、記憶を取り戻すのはあくまでも治療の途中であり、記憶を取り戻せばそれでOKというわけではありません。

解離性健忘で失う記憶はつらい記憶が多く、失った記憶と正面から向き合えない状態に陥るかもしれません。

失った記憶を取り戻したことによって、ストレス性障害にかかる危険性もあるので、治療は記憶を取り戻した時点で終わりにしないでください。

 

●ストレスコントロールを学ぶ

解離性健忘の患者が記憶を失う背景には、『耐えられないほどのストレス』『命が脅かされる危険性』などが隠れています。

実際、大きな災害があったときには、解離性健忘の患者も増えると言われています。

災害や事故・事件に関しては避けきれない部分もありますが、少なくともストレス対処は自分でできます。

解離性健忘を再発させないために、ストレスコントロールの方法を学んでいく必要があるのです。

 

解離性健忘の再発を防ぐにはストレスコントロール、トラウマとの付き合い方を理解するなどいくつかのことが必要です。

トラウマについては、専門家の正しい指導のもとに付き合い方を学ぶのがふさわしいです。

ストレスコントロールについては、降りかかるストレスへの認知が歪んでいないかどうか、自分の認知はどんなふうになっているかを知るところから始めましょう。

(Photo by: [http://www.ashinari.com/2009/05/10-019849.php?category=268])

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-04-26掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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