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血管が損傷して内出血に至る?!老人性紫斑症の症状やその予防法!運動機能の低下に原因あり?

高齢者に起こりやすい老人性紫斑。大きな紫斑(青アザ・出血斑)が生じるため、驚いて病院へ行く人もいるようです。

典型的な老人性紫斑の症状を知り、慌てないようにしましょう。

 

自覚症状

本人も気づかない程度の衝撃(体をぶつける、皮膚に生じる摩擦、腕などをひねる)で血管が損傷して内出血に至るため、アザができているのを見つけて初めて気づくケースが多いでしょう。まれに血管が損傷する時に鋭い痛みを感じる人もいます。

 

内出血を起こしてもほとんど痛みませんが、大きな紫斑ができた場合は、腕に違和感や圧迫感をもつこともあります。

 

紫斑の様子

いびつな形の紫斑が生じます。紫色のインクをこぼしてできたようなシミに見えるでしょう。血管の損傷部分が塞がるまで時間がかかり、かなり大きな紫斑になることもあります。

 

色は血液の赤色から始まり、血液中のヘモグロビンが時間とともに変化して青色から青紫色を呈します。さらに時間が経つと、黄色がかった緑色や茶褐色に変色して、やがて消滅します。老人性紫斑の発症から消滅までは1ヶ月近くかかるのが一般的です。

茶色っぽい色素が皮膚に残り、数ヶ月消えないケースもあります。これは血液中のヘモジデリンという成分が沈着するためです。

 

好発部位

刺激を受けやすい(ぶつけやすい、ひねりやすい)部位には老人性紫斑が頻発します。最も多い部位が手の甲から前腕にかけてです。顔や下肢(特に脛)も好発部位です。

 

健康への影響

老人性紫斑は病気でなく、加齢現象の1つです。健康に及ぼす影響はありません。痛みがある場合のみ、痛み止めの服用などが必要です。治療法はなく、皮膚や血管を丈夫に保ち、衝撃をできるだけ受けないようにする予防策の方が重要です。

 

老人性紫斑ができるようになったら、皮膚や血管が衰えている印です。皮膚トラブルや血管障害にも注意しましょう。

 

症状の違いで比べる「老人性紫斑症」と「血栓性血小板減少性紫斑病」

体をぶつけた覚えがないのに紫斑が生じるのは、老人性紫斑だけではありません。高齢者に紫斑が生じたら、ほかの疾患が原因ではないことを確かめた方が良いでしょう。

 

同じく紫斑を生じる疾患に「血栓性血小板減少性紫斑病」があります。それぞれの症状を比べ、該当するものがないかチェックしましょう。

 

共通する症状

どちらにも共通する、判断が難しい症状があります。

 

◆発症年齢

老人紫斑の定義には、「60歳以上の高齢者」が含まれます。血栓性血小板減少性紫斑病は年代を問わず発症し、高齢者にも起こりうる疾患です。

 

◆内出血のきっかけ

紫斑を生じるきっかけは、老人性紫斑は体を軽くぶつける程度の刺激です。血栓性血小板減少性紫斑病は、血管壁に止血の役割を担う血小板が貼りついて血小板数が減少し、血管の損傷部分を塞げなくなるために起こります。

 

どちらも、「ケガをした記憶がないのにアザがある」状態です。

 

異なる症状

判断の決め手になる症状の違いは次のとおりです。

 

◆血小板数

老人性紫斑は、血管と皮膚が加齢によってもろくなるのが原因です。血液検査で異常は見つかりません。一方、血栓性血小板減少性紫斑病は血小板が血管内壁に貼りついてしまうので、血小板数が減少しています。

 

◆赤血球

血小板同様、老人性紫斑では赤血球数に変化はありません。血管壁に貼りついた血小板で赤血球が破壊される血栓性血小板減少性紫斑病では、赤血球数が少なく、血管性溶血性貧血の症状もみられるでしょう。

 

◆紫斑以外の症状

老人性紫斑は疾患ではなく老化現象の一種なので、紫斑以外に健康上の問題は生じません。赤血球と血小板の減少、血小板によって血管が狭くなる血栓性血小板減少性紫斑病は、発熱、けいれん、意識障害、高血圧、血尿、蛋白尿などの諸症状を呈します。

 

血液検査と紫斑以外の症状で、区別がつくでしょう。

 

皮膚老化が原因で内出血を起こしやすい!皮膚を保護して老人性紫斑を予防

老人性紫斑は特別な治療が必要な疾患ではなく、加齢による避けられない現象です。そこで老人性紫斑ができてしまってから対処するよりも、老人性紫斑を予防する方が有効でしょう。

 

衝撃から皮膚を守るためにできる対策を挙げます。

 

皮膚への衝撃を和らげる意義

老人性紫斑の原因に、皮膚老化があります。弾力と厚みを失った高齢者の皮膚は外部からの衝撃に弱く、血管を損傷して内出血を起こしやすくなっています。皮膚への衝撃を和らげる工夫で、血管の損傷を防ぎます。

 

衣服

腕や脛など、ぶつけやすい部位は老人性紫斑が頻発します。半袖や短いズボンで露出せず、衣服で覆うのが効果的です。布1枚でも、固いものにぶつかった時の衝撃を和らげる効果があります。薄手の上着や、通気性に優れた靴下などを利用すれば、夏でも快適に過ごせます。

 

よく使う手は、老人性紫斑の要注意部位です。綿製の薄い手袋を着用するのも良いでしょう。

 

サポーター

前腕部など、繰り返し老人性紫斑が起こる部位をサポーターで保護するのも有効な予防法です。布製の柔らかなサポーターなら、動きを妨げずに皮膚を守ります。

 

保護クリーム

老人性紫斑の原因になる刺激は、物がぶつかることだけが原因ではありません。摩擦でも発症するケースがあります。高齢者の皮膚はシワが寄って乾燥し、摩擦が起こりやすい状態です。ワセリンや乳液、保護・保湿クリームを塗って、摩擦を予防しましょう。皮膚の乾燥防止にもなり、皮膚老化対策にもお勧めです。

 

室内環境の見直し

床に置いてある家具や床の段差、じゅうたんが原因で、高齢者がつまずいたり転倒したりします。また物が多くて、動くたびに体をどこかにぶつけてはいませんか?室内を再確認して、転倒や打撲を防ぎましょう。

 

ちょっとした工夫で皮膚への衝撃が和らぎ、老人性紫斑予防に役立ちます。

「老人性紫斑」と「ステロイド紫斑」の症状の違いは?高齢者の内出血症状

体をぶつけた覚えがないのに紫斑を生じた高齢者がステロイド外用薬を使用していた場合、老人性紫斑のほかに「ステロイド紫斑」の可能性があります。老人性紫斑とステロイド紫斑の症状について述べます。

  

似た症状

どちらも、打撲などの外傷をともなわない紫斑です。老人性紫斑では加齢によって皮膚と血管が弱くなって内出血を起こしやすく、ステロイド紫斑では皮膚から浸透したステロイドの影響で血管がもろくなって内出血を起こします。痛みが無く、自然と消滅する点も共通した症状です。

  

ステロイド外用薬とは

◆高齢者の皮膚疾患でおなじみの薬

ステロイド配合のクリームや軟膏、ジェル、スプレー薬、テープ剤などがあります。皮膚表面から薬の成分が浸透して、効果が現れます。

主に皮膚疾患治療で処方されます。高齢者が発症しやすい老人性乾皮症、老人性皮膚掻痒症に有効で、かゆみや炎症を抑え、掻きこわしを防ぎます。皮膚疾患になったことがあるなら、1度は使ったことがあるかもしれません。

 

◆副作用

ステロイド外用薬の副作用には、皮膚委縮やステロイド潮紅、細菌感染、毛細血管拡張、多毛、そしてステロイド紫斑などがあります。

 

◆ステロイド紫斑が起こりやすい場所

ステロイド外用薬の副作用は、皮膚が薄い部分に起こりやすい特徴があります。具体的には肘のくぼみ、首、顔です。

 

◆薬の使い方がポイント

ステロイド外用薬は、ステロイドの含有量によって作用・副作用が変わります。ステロイドが多く配合された外用薬を皮膚が薄い部分に長期間使えば、副作用が起こる確率が高くなるでしょう。

  

老人性紫斑とステロイド紫斑の症状の見分け方は非常に困難です。高齢者がステロイド外用薬を使っている場合は、副作用によるものか皮膚科で診てもらうことをお勧めします。

身体能力が低下することが原因?高齢者の転倒事故と内出血

高齢者が内出血を起こす原因で多いのが、転倒によるケガです。軽い打撲による内出血で済む場合もありますが、骨折して大量の内出血に至る危険もあります。高齢者の転倒事故と内出血についてまとめました。

  

高齢者は転倒しやすい

持病が無くても、ほとんどの高齢者は加齢によって身体能力が低下しています。バランス感覚、筋力、認知機能、視力などが衰えると、住み慣れた家の中でも転倒する恐れがあります。実際、ほとんどの転倒事故は室内で起こっています。

 

転倒によって重傷を負いやすい

バランスを崩して転倒する際、若い人ならとっさに手をついたり、頭などを守るために体勢を整えたりできます。しかし反射神経やバランス感覚が衰えた高齢者は、勢いがついたまま体を打ちつけてしまうことが多いでしょう。重度の打撲傷や骨折により、内出血の程度も重くなります。皮膚や血管がもろくなっているために、少しぶつけただけでも内出血が起こりやすいのも高齢者の特徴です。

 

転倒時に注意が必要な内出血

◆胸部

前のめりに転倒する時に手をつけず、胸部を強く打ちつけてしまうと、胸部打撲や肋骨骨折などによって胸部の内出血がみられることも。胸腔内は血液が溜まりやすく、大量の内出血から呼吸困難や意識低下に陥る事態も心配されます。

 

◆頭部

転倒時に最も守りたいのが頭部ですが、高齢者の転倒事故では頭部を強く打ちつけてしまう例が多々見られます。高い位置にある頭部は転倒時の衝撃が大きく、頭蓋内出血に至るかもしれません。内出血によって血液が脳内に溜まると脳を圧迫し、身体機能への障害や命の危険もあります。

 

◆大腿部

転倒による大腿骨骨折は、高齢者の寝たきりリスクの大きな要因です。太い大腿骨が折れると、骨折部分が周辺の組織を傷つけて大量の内出血をともなう恐れがあります。

 

 

加齢による身体機能の変化を考慮し、転倒による内出血を予防しましょう。

 

軽い打撲でも内出血と出血斑が起きる?老人性紫斑は運動機能の低下に原因あり!

軽い打撲でも内出血と出血斑を生じる老人性紫斑は皮膚や血管などの体の加齢変化、「体が衝撃に弱くなったこと」が主な原因です。それに加え、運動機能の加齢変化も老人性紫斑の一因になります。つまり「運動能力が落ちて体が衝撃を受けやすくなった」ために老人性紫斑を起こしやすいともいえます。

高齢者の運動機能低下と老人性紫斑について説明します。

 

組織ごとの加齢変化

運動機能に関わる体の各組織に加齢変化が生じることで、運動機能が低下します。

 

◆筋肉の加齢変化

体重に対して筋肉が占める重量の割合は、成人(若年)で40%です。この割合は40歳を過ぎると1年で0.5%ずつ減少、65歳以降はさらに減少率が上がり、80歳になると若いころの筋肉量から30~40%減少しています。筋肉重量が減るのは筋肉を構成している筋線維の数が減り、さらに委縮も起こるためです。

筋肉の加齢変化により、姿勢保持や歩行能力が低下します。ふらつきや転倒を起こしやすくなり、老人性紫斑につながる打撲傷を負うことが増えるでしょう。

 

◆骨の加齢変化

骨密度の低下が骨の加齢変化として知られていますが、関節でも加齢変化が起こっています。関節を構成している軟骨がすり減るなどして変形し、関節痛や関節の可動域制限がみられるでしょう。関節の動きが制限されると、歩行や立位が不安定になって転倒しやすくなります。入浴やトイレ、着替えなど日常生活の動作も不自由になり、体をぶつける、関節部分をひねるなどして内出血に至ります。

関節の加齢変化が著しいのは膝関節、股関節、肘関節、手指関節です。

 

 

その他、運動機能に関する加齢変化

瞬発力、とっさの動きを左右する神経伝達の速度が低下し、打撲を負いやすくなります。視力や聴力などの衰えは、転倒や思わぬケガにつながるでしょう。認知機能低下の影響も見逃せません。

 

 

筋力や骨の加齢変化は、トレーニングによってある程度は予防できます。 

(Photo by:http://www.ashinari.com/)

著者: カラダノート編集部

本記事は、2017-03-30掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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