気になる病気・症状
長時間の立ち仕事やハイヒールは要注意!外反母趾の症状とは?先天性や病気なども原因に
ケガをした覚えがないのに、足の指に内出血が起こっていたことはありませんか?もしかしたら、外反母趾かもしれません。爪先が細く尖った靴、ハイヒールを履いている人は要注意。
外反母趾やその予備軍に現れる内出血などの症状を挙げます。
内出血が生じやすい部分
◆親指
爪先が細く尖った靴は、親指の付け根付近から幅が急激に細くなります。また、足は親指の部分が横に張り出している形です。そのため、外反母趾では親指の付け根部分に変形を生じるケースが多いでしょう。親指の付け根や、第一関節の側面や靴の甲と擦れる部分に内出血が生じます。
◆爪
靴の先に無理やり押し込まれた爪先がうっ血し、爪の中に内出血が起こります。ぶつけていないのに足の爪が内出血で真っ黒に変色して爪が剥がれるのは、足を長時間圧迫しているからかもしれません。
◆親指以外の指関節
高さがあるハイヒールを履くと、傾斜がついた靴底で足が滑り、靴の爪先部分で足指が折れ曲がってしまいます。曲った指関節の部分が靴の甲と擦れ、内出血を起こします。
外反母趾が疑われる内出血以外の症状
足指に内出血が起こったら、以下の症状が無いかチェックしましょう。当てはまるものがあれば、外反母趾の可能性大です。
・親指にしびれ、痛みがある
・足指の付け根にタコができやすい
・巻き爪である
・歩行時に痛みがあり、すぐに疲れてしまう
・腰痛、膝の痛み、肩こりなどの関節痛がある
・足が変形している
靴の中に足が押し込まれた状態でいると、しびれや痛みが生じます。そのような状態で長時間過ごすうち、巻き爪や足の変形が起こるでしょう。足に負担がかかると、歩行時の姿勢が悪くなり、関節痛につながります。
仕事などで長時間の立ち仕事をしていてハイヒールを履く機会が多いなら、足指の内出血から外反母趾の可能性を考えましょう。
先天性や病気などによる特殊な外反母趾
通常の外反母趾は、足に合わない靴を無理矢理履くなどが原因で足に偏った負担が掛かることで足の骨が変形する疾患でした。
しかし外反母趾には生まれつき変形しやすい要素を持って生まれた先天性の外反母趾や、後天的に病気や事故、怪我によって激しく変形してしまった結果外反母趾になるという特殊な事例もあるのです。
特殊な外反母趾は、変形の度合いも大きく、運動の際のデメリットも、引き起される障害も大きなものとなってしまいます。
特殊な外反母趾
1.ハンマートゥ性外反母趾
●生まれつき
生まれつき外反母趾になりやすい要素を持った人が、足先を細めすぎ、上を向かせすぎることで、足の指がハンマーのように縮こまってしまう外反母趾です。
●地面から過剰な衝撃
指が過剰に縮こまりただの飾りとなってしまうため、足のクッション性が低下し、地面からの衝撃が過剰なものとなってしまい、すぐに足を痛めてしまうようになります。
●スポーツ障害
スポーツというほど激しい運動をしなくても、足にひざ、腰や首にスポーツ障害が起こるほどの負担が蓄積するようになるのです。
2.病変性外反母趾
●外的要素
リウマチなどの病的要素、事故や怪我による損傷・衝撃によって激しく変形、脱臼を起こし、そのまま萎縮する外反母趾で、治療するためには手術しかない外反母趾です。
●早期のサポーター
リウマチやヘバーデン結節などで病変性外反母趾となる場合は、早めにテーピングやサポーターで形を整えておくことで、著しい変形を抑制することは可能となります。
先天性は生まれたときから、病変性は原因の疾患を患ったときから変形が始まることを自覚できるので、できる限り早期に対策を行い、できる限り変形を抑制することは可能です。
病変性外反母趾は、進行すればするほど手術の失敗のリスクが上がるため、速やかに予防対策を行うことが求められます。
外反母趾のためのハイヒール選び
外反母趾かもしれない。でも、仕事場でハイヒールしか履けないし・・・。という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は外反母趾でも大丈夫なハイヒールの選び方をご紹介します。
ヒールは低いほうがいいけど、高い場合は太いものを選びます
ヒールは3センチ以内が理想です。やはりヒールが高いとつま先にかかる負担は増えます。でも高くないとダメなんです・・・という場合は、少しでも体重の分散ができる太いヒールのものを選んだほうがいいです。
伸縮性の高い素材を選びます
伸び縮みできるほうが、足が自由に動いて圧迫されることが減ります。
靴底の素材がつるつるしていないものを選びます
足の裏がすべって、つま先に体重がかかってしまうことのないような構造の靴がいいです。
横幅は多少きつくても大丈夫です
足の横幅はゆるいよりむしろきつめのほうが親指が曲がりにくいのです。トップライン(靴の外側の横部分)に指が一本入るくらいで大丈夫です。
つま先はスクエアトゥーがいいでしょう
三角のつま先より、四角いつま先の方が指に負担がかかりにくいです。もし三角のものが必要な場合は、先端が親指よりにしてあるものを選ぶといいです。
靴を選ぶときは夕方行きましょう
足が一番むくんでいる時間帯なので、選ぶにはちょうどいい時間帯です。
一番きつい状態で靴を選ぶので、残りの時間帯でもきつくない状態をキープできます。
女性はTPOなどで、どうしてもハイヒールが必要なことが多いですが、足に負担をかけにくい靴を選ぶことで外反母趾の危険を減らすことが可能です。
足の健康は大事ですから、じっくり自分に合った靴を選んでください。
知っていますか?外反母趾の合併症の「内反小指」
足の親指が曲がってしまう外反母趾はある程度有名ですが、小指が内側に曲がってしまう内反小指はそうでもありません。それは、内反小指という疾患が、主に外反母趾の合併症的な位置づけであり、だれもが外反母趾を憶えても、内反小指を憶えてはいないのです。
ですが、内反小指が外反母趾の合併症的疾患であることは間違いなく、骨の変形の原因が同じものであるからこそ同時に発症することになっているのです。
外反母趾と内反小指が同時に発症する原因とは、細い靴先に無理矢理足先を入れることです。無理矢理、足先をすぼめて靴を履くことで、親指を外側に、小指を内側に曲げた状態となり、その状態で歩いたり走ったりすることになります。それが骨と関節を曲げる大きな原因となるのです。
内反小指
内反小指は、靱帯性外反母趾や混合性外反母趾などに伴って発生する合併症であり、外反母趾とは逆に小指が内側に向かって曲がっていきます。
1.小指内側の靱帯
足の小指の内側の中足靱帯が緩み、内側に小指が曲がります。
2.小指付け根の関節部分が出っ張る
足の小指が内側に曲がることで、曲がった関節部分が外側に出っ張るように変形してしまいます。
●痛み
変形した足の小指の付け根と、外側に出っ張った突起部分に痛みが発生することになります。
●原因
内反小指の原因は、ファッションなどのために足先の細い靴を履くことによって引き起されます。先の細い靴先によって足の親指が外側に変形する外反母趾になり、足の小指が内側に変形する内反小指となってしまうのです。
原因が同じ出る外反母趾と内反小指を予防する、軽症であれば治療することもどちらも簡単です。足をすぼめることなくゆったりとはける靴先の靴を探してそれに履き替えれば、あとはその靴で日常を過ごすことで自然と骨の変形はゆっくりと元に戻っていくはずです。
(Photo by:http://www.photo-ac.com/)
著者: カラダノート編集部