健康診断・健康管理
電解質の検査方法と異常が見られた時に疑われる主な疾患とは
人間の体の約60%を占める水分ですが、その水分は細胞内液や血漿として存在しています。そんな体液中に含まれる様々な電解質は、それぞれが生命維持には欠かせない重要な役割を果たしています。
この電解質の値を調べることで、様々な疾患の判定が可能となります。こちらでは、電解質の検査方法と異常が見られた場合に考えられる疾患についてご紹介したいと思います。
◆電解質の検査方法と異常が見られた時の対処法
・検査方法
電解質の検査は、採血によって得られた血液を分析器にかけて行う血液検査になります。
・異常があった場合にはどうするの?
採取した血清中の電解質濃度に異常が見られた場合にまず考えられるのは、ほとんどの場合重い病気になります。ですから、大部分は入院治療に移ります。
また、その異常値が偏食によるものである場合、まずは食生活や食事内容を改善する必要が出てきます。さらに拒食症が原因である場合には、精神科での治療を受ける必要があります。
電解質イオンの濃度バランスはめったに崩れるものではありません。なので、一度崩れたら生命が危険にさらされていると考えても良いでしょう。
電解質の検査で以上が出た場合には、専門医による治療をただちに受けなければなりません。
◆異常値を示す電解質によって考えられる疾患
様々な種類のある電解質ですが、異常値を示す電解質の種類によって考えられる疾患は限定されます。
<ナトリウム>
高値…糖尿病性昏睡、脱水症、クッシング症候群など
低値…ネフローゼ症候群、急性腎炎、慢性腎不全、心不全、甲状腺機能低下症、アジソン病、糖尿病性アシドーシスなど
<カリウム>
・高値…急性腎不全、慢性腎不全、アジソン病など
・低値…呼吸不全症候群、アルドステロン症、クッシング症候群など
<カルシウム>
・高値…悪性腫瘍、多発性骨髄腫、副腎皮質機能亢進症など
・低値…腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD欠乏症など
<クロール>
・高値…脱水症、腎不全、過換気症候群など
・低値…アジソン病、慢性腎炎、肺気腫など
このように、1つの電解質に異常が見られた場合には様々な疾患が考えられますので、その疾患が何であるか探るために、より細かな検査が行われるかと思います。
しかし、先程も言いましたように、電解質に異常があるのは疾患が大変重い場合です。直ちに入院し、治療や検査を受けるようにして下さいね。
(イラスト by: [http://www.irasutoya.com/])
著者: カラダノート編集部