カラダノートみんなの役立つ予防法や対処法
  1. カラダノートTOP >
  2. 女性のカラダの悩み >
  3. 病気・症状(女性特有) >
  4. 乳房 >
  5. 糖尿病治療薬『メトホルミン』の血糖抑制作用が、癌治療に効果?

女性のカラダの悩み

糖尿病治療薬『メトホルミン』の血糖抑制作用が、癌治療に効果?

 

がん細胞は、糖によって活性化される?

 

がん検査のひとつ『PET検査(陽電子放射断層撮影:がん細胞のブドウ糖取り込み性質を利用した画像検査法)』のメカニズムを見ても分かるように、がん細胞には糖を大量に取り込んで活性化する性質があります。近年、糖尿病とがん発生の相関関係についての統計調査が国立がんセンターの大規模調査で行われたところ、糖尿病歴のある人は約20~30%の確率でがん発生率が上昇するという結果が報告されました。

 

また、がん発生促進のメカニズムとして、血糖値が高度である以外の原因として、インスリン過剰分泌によってインスリン成長因子(IGF-1)が活性し、血管新生やがん転移が促進されることも関連しているようです。

 

インスリン抵抗性の糖尿病治療には『ビアグナイド剤(メトホルミン)』が通常使用されますが、この薬剤の持つ『インスリン受容体の増加(糖取り込み促進)』や『糖新生(糖以外からグルコースを作る)抑制』作用が、がん治療にも応用できるとして注目が集まっています。

以下ではその詳細について見ていきたいと思います。


『メトホルミン』とは?

 

『メトホルミン』とは、ビグアナイド系と呼ばれる糖尿病治療のインスリン抵抗性改善薬で、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を介した細胞内信号伝達系を刺激することによって糖代謝を改善し、筋・脂肪組織においてインスリン受容体の数を増加させ、また糖新生を抑制することで血糖降下作用がある薬です。重篤な副作用も見られず安全性が高く、また安価であることから補助療法として有用であるとされています。

 

<効果について>
上記のものも含め、次の4つの効果が示唆されています。
1)AMPプロテインキナーゼ活性化、2)糖新生抑制、3)NF-kBの活性阻害、4)P-糖蛋白(抗がん剤耐性に関与)の阻害作用、4)アロマターゼ阻害によるエストロゲン産生抑制作用

 

<副作用は?>
皮膚掻痒感、下痢、嘔吐、嘔気、腹痛、乳酸アシドーシス(肝障害・腎障害がなければ頻度は少ない。)3年以上の長期投与や1000mg/日以上の投与の場合、ビタミンB12欠乏症

 

 臨床試験の結果とは?


メトホルミンを投与した臨床試験・培養実験には以下の例があります。

 

 ◆米国のテキサス大学M.D.アンダーソンがんセンターによる乳がん患者メトホルミン投与試験
【対象】早期乳がん化学療法を受けた患者2529人中、糖尿病の併発がありメトホルミンを服用していた患者68人、服用していない患者87人
【試験内容】上記被験者への病理学的完全奏功術前化学療法+手術による切除で腫瘍が完全消失した例)比較試験
【結果】メトホルミンを服用したグループの病理学的完全奏功は24%、メトホルミンを服用していなかったグループの病理学的完全奏功は8.0%と、その差は統計的に有意であった。


メトホルミンは乳がんの補助療法として有用であることが示唆された。


 ◆同大学がんセンターによるヒト子宮内膜がん細胞へのメトホルミン投与試験
【対象】培養したヒト子宮内膜がん細胞
【試験内容】上記細胞に、メトホルミン(850mg/日×2回)を6ヶ月間服用した多嚢胞性卵巣症候群患者の血清を添加し、浸潤能や転移能に対する効果を測定。
【結果】浸潤能は著明に抑制され、NF-kBやメタロプロテイナーゼ転写因子:炎症やがん細胞の浸潤や転移で活性化される)抑制効果が示された。

 

メトホルミンは子宮内膜がんの補助療法として有用であることが示唆された。

 

最後に

 

上記のように、メトホルミン単独での副作用には重篤なものは報告されていないようですが、他剤との併用に関しては注意が必要です。また、メトホルミン療法以外にも『ケトン食』療法などによる体内ブドウ糖を減少させる方法も、抗がん剤治療の補助療法としての効果が示唆されており、今後の動向に注目したいところです。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E8%96%AC-%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%B3%95-%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-%E8%96%AC%E5%B1%80-%E5%8C%BB%E7%99%82-%E7%97%85%E6%B0%97-%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82-257344/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-03掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


通報する

乳房に関する記事

マンモ+超音波でがん発見率が上昇!だからって「両方受ければいい!」と言わないのはなぜ?

2015年11月、乳がん検診における超音波検査の有効性が発表されました。乳が...

乳がん検診を受けても発見できない!?進行の早い・治療困難な乳がん

   身近に感じるタレントさんが、身近な病気にかかると我身を振り返るきっかけに...


やっぱり両方受けた方がいい?マンモ+超音波で乳がん発見率が1.5倍になる

タレントの北斗晶さんの乳がん発覚から、乳がんについて注目が集まっています。そ...

乳がんの予防にアスピリンが効くかもしれない!期待される、乳がんの「予防薬」

  痛み止めや解熱剤に使われる、アスピリンを聞いたことがあるでしょうか?市販薬に...

カラダノートひろば

乳房の関連カテゴリ

乳房の記事ランキング

人気体験談ランキング

女性のカラダの悩みのひろば閲覧ランキング

ブックマークは20件まで登録可能です
トップへ戻る