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ガン・悪性腫瘍

ブドウ糖を断てば、がん細胞は死滅する?『ケトン食』療法の実際

『ケトン食』療法で、がん細胞を死滅させる

理想的ながん治療といえば、『がん細胞のみに特異性があり(正常細胞にダメージを与えない)、がん細胞を悪化させない方法』であると言われていますが、現在『分子標的薬』というがん細胞に高発現する性質に作用性のある抗がん剤を持ってしても、副作用は皆無ではありません。

 

しかし現在、重篤な副作用なく抗がん効果を示す方法として『ケトン食療法』に注目が集まっています。

 

ケトン食療法とは、体内グルコースを減少させることによって、高い糖吸収・活性の性質があるがん細胞を死滅させるという治療法です。

 

以下では、その詳細について見ていきたいと思います。

 

ケトン食療法とは?

<がん細胞はブドウ糖がなければ生存できない?>

がん細胞は、『PET検査(陽電子放射断層撮影:がん細胞のブドウ糖取り込み性質を利用した画像検査法)』でも明らかにされているように、ブドウ糖を大量に消費するという性質があり、またブドウ糖の供給が断たれれば生存・増殖できないという性質もあります。

 

これを利用し、治療法に活かそうというのが上記の『ケトン食』療法です。

 

<ケトン食療法とは?>

ケトン食とは、糖質やアミノ酸(体内で糖に変換される=糖新生)を極力減らし、脂質を主とする食事法のことです。

 

通常、細胞は貯蔵エネルギー源として最初に筋肉細胞と肝細胞のグリコーゲンを使用します。飢餓状態などでグルコースが枯渇すると、肪酸の分解亢進によってミトコンドリア内で、【アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸、アセトン】が産生されます。

 

この3種類の物質をケトン体と言います。アセトンを除いた(呼気中に排出)アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸は他の組織の細胞へと運ばれ、エネルギー(ATP)へと変換されます。癌細胞では、ケトン体をエネルギーに変換する酵素が欠損しており、利用することができません。

 

<従来のがん治療では脂質制限されていたが…?>

がんの食事療法では一般的に、脂肪は全体の2~3割に減らすことが推奨されており、脂質を主食とするケトン食療法には抵抗があるという方も多いかもしれませんが、危険な場合というのは主食を糖質にした場合だと言われています。

 

血糖やインスリン分泌量上昇による発がん性や、また飽和脂肪酸(n-6系)高含有の植物油を使用すると動脈硬化などの危険性があるためです。

 

しかしケトン食療法では、不飽和脂肪酸(n-3系)のEPAやDHAを含んだ魚油などを中心にすることが推奨されているので、がん促進の心配性はないとされています。

 

中鎖脂肪ケトン食の実践法とは?

食品中の栄養素の含有量は文部科学省が出している「食品標準成分表」を参考にして行います。基本的な栄養素の構成としては、【中鎖脂肪を多く摂取して、脂肪:糖質+蛋白質の比率を1.5:1、つまり食事の60%を脂肪にする】という方法を守るようにします。カロリーは制限する必要はありませんが、必要最小限のカロリー摂取を目標にします。

 

◆糖質は40g/日以下を

糖質の1日摂取量は40g以下を目標にし、1回の食事につき糖質が20gを超えないようにする。糖質を取る際には、玄米や全粒粉小麦など精製度の低い炭水化物を少量食べる。

 

◆タンパク質は平均体重で約60g~120g摂取

たんぱく質は体重1kg当たり1~2g(例:体重60kgで60g~120g)摂取する。たんぱく質源としてはがんを促進する赤身の肉(牛肉など)は控え、大豆製食品(豆腐や納豆)や魚や卵や鶏肉などを利用する。

 

◆脂質は中鎖脂肪酸を

肝臓ですぐに分解される中鎖脂肪酸を利用すると、脂肪の割合を60%程度に減らし、糖質を1日40g程度摂取してもケトン体を大量に産生することができます。基本は上記のように、脂肪:糖質+蛋白質の比率を1.5:1、つまり食事の60%を脂肪とします。

 

⇒中鎖脂肪は『マクトンオイルやMCTオイル』を1日40~80gを摂取し、またn-3系不飽和脂肪酸を含む魚油の摂取と、調理時はオリーブオイルの使用を心がけます。

 

◆キノコや海草やおからが有用

上記食材は、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富で糖質の少ないので使いやすい。

 

◆リパーゼ製剤

脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解する消化酵素のリパーゼの製剤を、脂肪の多い食事の後に服用すると、さらに脂肪酸の代謝を促進する(膵消化酵素補充剤リパクレオンなど)。

 

◆アルコール

アルコールは糖質の少ない蒸留酒(ウイスキー・焼酎)や糖質フリーの発泡酒などであれば糖質制限の観点では問題はないが、アルコール自体ががん細胞の増殖を刺激するため、摂取はできるだけ控える。

 

(※ケトン食療法を行うと、始めて1週間程度は、脂肪が多いため食後の腹痛・便秘・倦怠感症状が現れることがありますが、食物繊維を多く摂取し消化酵素を利用すると、上記症状はほとんど出現しなくなると言われています。)【参考ホームページ:東京銀座クリニック】

 

ケトン食療法は基本的に安全ですが、インスリン抵抗性や作用不足のある糖尿病に罹患されている場合は注意が必要です。通常であれば、ケトン体上昇による酸性血症が生じても、緩衝作用によって元の状態に戻りますが、糖尿病の場合は糖尿病性ケトアシドーシスが発症する危険性があります。

 

いずれにしても、ケトン食療法開始の際には、医師に相談すして進めていくことが必要になります。

(photoby://pixabay.com/

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-08-02掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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