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血栓予防薬の『イグザレルト錠』使用で、肺炎発症の可能性

 

『イグザレルト錠』風邪様症状が出た際には速やかに中止

 

近年、不整脈によって脳血管に血栓塞栓症が生じる病気『心原性脳塞栓症』の治療に高い効果があるとして、抗凝固薬『イグザレルト錠』が良く使用される傾向にありますが、今年1月(2014年)に間接性肺炎を発症し死亡する可能性があるとして注意喚起が行われました。

 

医師によると、間質性肺疾患の診断のマーカーであるKL-6(シアル化糖鎖抗原KL-6)は、今回報告された重症事例で上昇しているが、薬剤投与中止後に悪化が見られるため、早期診断の指標としては使用できないとしています。風邪様症状が現れた際は、速やかに投与を中止することが求められています。以下ではその詳細について見ていきたいと思います。


イグザレルト錠とは?


イグザレルト(一般名リバーロキサバン)は、血管内で血栓が出来るのを防ぐ作用のある『血液凝固阻止薬』で、血液凝固に関わる酵素トロンビンを生成する因子である『活性型血液凝固第X因子(FXa)』を阻害するという薬です。血栓の中でも特に、不整脈によって脳血管に血栓塞栓症が生じる『心原性脳塞栓症』に効果があるとして使用されています。

 

以前は、飲み薬の抗凝固剤としては『ワーファリン』が主流でしたが、食事制限や、定期的な血液検査を行い用量調整をする必要性がありより簡便な『直接トロンビン阻害剤』が使用されるようになりました。現在までに3種類発売されており、『ダビガトラン(商品名プラザキサ)』『イグザレルト(商品名リバーロキサバン)』『アピキサバン(商品名エリキュース)』があります。添付文書に記載されている主な副作用は昨年まで『出血』が主でした。

 

ワーファリンとの効果の比較

 

心房細動(非弁膜症性)患者を対象に、従来の標準薬のワーファリンとイグザレルトの効果を比較する大規模臨床試験(脳卒中発症率)がおこなわれています。試験期間(服用期間)は平均で約580日間です。

 

<脳卒中または全身性塞栓症の発症率>
◇イグザレルト
2.7%(188人/6958人)
◇ワーファリン
3.4%(241人/7004人)

 

イグザレルトの方が、脳卒中を起こす確率が低く、ワーファリンと同程度の効果が期待できることが確認。また、出血の副作用についてもワーファリンを上回ることは無かったとされている。 

 

間接性肺炎について

 

上記のように『直接トロンビン阻害剤』の合併症として注意喚起が行われているのは主に『出血』に関してです。あまり一般的に認知されていない『間接性肺炎』についても注意する必要があります。

<市販直後調査の事例>

発売後半年の事例を集積した市販直後調査では以下が報告されています。


◆ダビガトラン
9例の間質性肺炎のうち、4例が死亡(処方総数:推計7万人)
◆イグザレルト
1例の間質性肺炎のうち、死亡数は0(処方総数:推計2万人)


しかし、その後の調査でイグザレルトは処方事例が20万人を越えた時点で、間接性肺炎発症数13例中死亡数3例が報告された。専門家によると、ダビガトランとイグザレルトの間質性肺炎の発症頻度の面では大差がないと指摘しています。

 

<風邪様症状に注意が必要>


『直接トロンビン阻害剤』では、イグザレルトのみならず、他の2剤プラザキサやエリキュースにおいても、投与後7日間は間質性肺炎発症に注意が必要とされています。

 

その対策の一つとして、間質性肺疾患の診断のマーカーであるKL-6(シアル化糖鎖抗原KL-6)を開始時に測定し、咳などの症状が現れた際に再検することが早期発見につながるとされています。また症状の悪化が見られた際には(咳、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常)速やかに胸部X線などの検査を行い、投与を中止することが必要です。

 

最後に

今回のイグザレルト投与によって死亡事故に繋がったのは、70代前半から80代後半の患者に見られたと報告されており、高齢の場合特に投与には慎重になるべきであるとされています。いずれにしても、『直接トロンビン阻害剤』の使用には医師との十分な話し合いが必要になります。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E6%89%8B-%E9%8C%A0-%E7%97%85%E6%B0%97-%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF-%E4%B8%B8%E8%96%AC-%E8%96%AC-%E6%8C%87-281963/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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