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骨粗鬆症治療薬『ビスホスホネート』顎骨壊死の副作用アリ

 

顎骨壊死の治療法は確立されていない

厚生労働省による調査によると、高齢者が寝たきりとなる原因として、第一位に脳血管障害(脳卒中など)、第二位に骨折・転倒が挙げられています。今後団塊世代の高齢化に伴って、これらの罹患率も飛躍的に上昇すると見られていますが、その際に注意したいのが骨粗鬆症治療薬の『ビスホスホネート』です。

 

骨粗鬆症は、特に閉経後の女性に発生しやすい病気で、その治療薬として50~60歳代前半頃では主に【骨栄養因子(カルシウム製剤・ビタミンD3製剤)と選択的エストロゲン調節薬(骨破壊・吸収抑制剤)のエビスタ】が使用される傾向にありますが、一方でそれ以上の年齢層やステロイド剤などによる二次性骨粗鬆症患者に対しては、【ビスホスホネート剤】が第一選択薬として用いられます。この薬は、骨に沈着する性質があり、『顎骨の難治性壊死』などの重篤な副作用が問題となっていますが、未だ対処法や治療法が確立されていません

 

顎骨壊死は主に歯科治療後に発症するとされており、服用されている場合は、この問題について知っておく必要があります。以下では、その詳細について見ていきたいと思います。

 

ビスホスホネート剤とは?

ビスホスホネート剤は、現状の骨粗鬆症治療薬の中では最も効果があり、骨密度増加作用(骨を増やす力)が強力であると言われています。また、骨粗鬆症だけではなく、様々な用途(悪性腫瘍の骨転移の抑制、ステロイド療法の副作用防止など)で頻繁に使用されています。

 

<薬剤名は?>
【経口薬】ボナロン、フォサマック、アクトネル、ベネット、リカルボン
【注射薬】ゾメタ、アレディア、ランマークなど

 

<ビスホスホネート剤の作用機序>

ビスホスホネート剤は、骨代謝において破壊し吸収する作用を持つ『破骨細胞』にアポトーシスを引き起こさせることで、骨量を増加させるという薬です。具体的な作用機序としては、様々な細胞機能のスイッチとして働く『低分子量Gタンパク質』は、破骨細胞の活性・生存にもかかわっており、このG蛋白の翻訳後脂質修飾を行うFFP(ファルネシルピロリン酸)の合成酵素(ファルネシルピロリン酸合成酵素)を阻害することで、破骨細胞をアポトーシスへと導くものと考えられています。

 

<副作用とは?>
消化器障害が主で、吐き気、食欲不振、嘔吐、下痢、胃潰瘍などが挙げられています(内服後30から60分間直立に座っていることで予防可能)。また、重要な副作用として、顎骨壊死や大腿骨の非定形骨折などの報告例も非常に増加しています。


<副作用が現れたらどうするべきか>

顎骨壊死に関しては、以下の基準に従って投薬の継続などの判断が行われます。2008年に日本口腔外科学会から出された『ビスホスホネート系薬剤と顎骨壊死』において、この問題について詳しく説明されています。


経口ビスホスホネート系製剤投与期間が3年未満の場合、またリスクファクター項目にチェックが入らない場合

リスクファクター・・・窒素含有BP(ビスホスホネート)>窒素非含有BP、注射用製剤>経口製剤、コルチコステロイド療法、糖尿病、喫煙、口腔衛生の不良、化学療法、高齢者、肥満、骨パジェット病、歯周炎、骨隆起、外骨症、ヘモグロビン低値


⇒原則、投薬は中止しないとされていますが、患者の全身状態から経口BP製剤を投与中止しても差し支えない(骨密度が安定している)のであれば、歯科処置前の少なくとも3ヶ月間は経口BP製剤の投与を中止し、処置部位の骨が治癒傾向を認めるまでは、経口BP製剤を再開するべきでないと記載されています。

 

経口ビスホスホネート系製剤投与期間が3年以上の場合
投薬継続3年から顎骨壊死の可能性が増加すると言われており、この場合は上記よりもさらに投薬中止を考慮する必要があるとされています。

 

また、大腿骨の非定形骨折に関しては、長期間の骨代謝回転の過剰な抑制によって発症するものであるので、この場合も全身状態から経口BP製剤を投与中止しても差し支えないようであれば、早期に服薬中止が望ましいとされています
 

最後に

ビスホスホネート剤の副作用として、その他に炎症反応やカルシウム血中濃度の増減によって、女性に心房細動発症のリスクが上昇するとも言われています。上記のように、長期間の投与で非定形骨折のリスクも高まると考えられており、現在服用中で副作用について知らされていないという場合には、十分継続について検討する必要がありそうです。

 

(photoby://pixabay.com/ja/%E8%96%AC-%E4%B8%B8-%E4%B8%AD%E6%AF%92-14550/)

著者: あせちるこりんさん

本記事は、2016-07-28掲載時点の情報となります。
記事内容について実行の際には、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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